「絵になる役所広司と存在感が凄いトイレたち」PERFECT DAYS ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
絵になる役所広司と存在感が凄いトイレたち
役所さんは朝起きて毎日ルーティンを淡々とこなし、仕事に行って帰って来たらまたルーティンをこなして寝るだけ。なのにずっと観ていられます。
恐らく様々な挫折を繰り返した末に、あるいは深く傷ついて全てを捨ててトイレ清掃員になった平山。俗世間のしがらみとは一線を画す生き方は格好よく見えます。
余計なものは持たず、他人とも必要以上に関わらずに暮らしていても、さざ波のようにちょっとした変化は起こります。それを静かに傍観する平山。でも世間を完全に見捨てたわけではない彼の眼差しは温かいです。
監督は以前日本に滞在した事があるのでしょうか。居酒屋や銭湯の雰囲気がとても良かったです。ただ多分想像で作り上げたであろう部分はちょっと違うかなとも思いました。平山のような人物、というか年配の男がハグとか影踏みとか「今はいまー」「今度はこんどー」とかやらないですから。
あと、欧米ではホワイトカラーは決して清掃員などやらないのでしょうが、日本では、リタイアした人がやるのは珍しくないので、そこはもしかしたら誤解があるのかも、と思いました。
私は、なぜ影踏みするかが疑問でした。今の子供もしない、ま、昔の子供ですが、いいおじさん、それも初対面、訳わっかりません。
こっちの方が違和感あります。
深刻な話の後、影の話になって、
監督独特の世界なんでしょうか。
こんばんは♪共感していただきましてありがとうございました😊
ハグ、日本人にはあまり馴染みが無いですね。わかりませんが、家を出るまでの平山さんは、妹と仲良くジャレていたその名残りかも、また憎たらしい父親であっても、妹が見ていてくれる(自分は兄なのに出たから)ことですまない、気持ちからか、妹はもともと口が悪いから少々のこと気にしない、とか、ゆり。さんのおっしゃることもごもっとも。
humさんコメントありがとうございました。役所さんご自身は、一般の日本のおじさんよりスマートだしゼスチャーも比較的大きめで、ハグが似合いますね。ただ、あの場面で、久しぶりに会った妹に清掃員の仕事なんか、と言われても抱きしめる勇気は、日本人には無いんじゃないかと思いました。
あの温かいまなざしが、いつまでも観ていられるわけかもしれませんね😌同感です。
ハグについては、あの平山さん(同僚が好きな彼女にちゅーされてドキドキしちゃったり、なんとなく思いが通じてるスナックのママへのシャイな様子とか)だからこそ、そうしただけの強い気持ちが言葉の代わりになっていたように思えたりしました。
みかずきです
平山は、過去の柵を捨てて清貧生活をしていますが、
彼の表情には、達観しているというか開放感がありまおnした。
中盤で、姪と母親が登場して、彼の過去が少し見えます。
かなり経済的に裕福だったこと、父親と壮絶な確執があったと推察できます。彼は、特に人間関係の柵を捨てて開放されたと感じました。
だから、過去の二の舞にならないように人間関係に距離を置きます。
しかし、それでも、相棒は勝手に辞めるし、馴染みのスナックのママのところにも元夫が現れ、平山の心は乱れます。怒ります。ルーティンを破って沢山の酒を飲み、煙草も吸います。
平山のルーティンは、人間関係が穏やかで、順調であることが前提です。我々の生活も同様です。人間社会で生きている以上、当然です。
平山の清貧生活がDAYSではなくLIFEになるためには、人間関係に距離を置くのではなく、人間関係としっかり向き合わないとダメだと思います。難しいことですが。
人間社会の中で、人は人との繋がり、絆を糧にして生きていくものだと思います。あくまで経験に基づいた私見ですが。
では、また。
ー以上ー
こんにちは。
誰でも大なり小なり毎日のルーティンはあると思います。
日々のちょっとしたことに微笑みを浮かべられる心の余裕がいいですね。
来年も よろしくお願いします。
共感&コメントありがとうございます。
小津作品と明らかに違うのは、平山が特別な人と感じるような描き方をしていた部分で、自分の違和感もそこに有りました。
昔の作品の登場人物は老成というか、現在の年齢認識よりはるかに大人。小津作品は退屈な部分も有りますが、原節子がインパクト担当だった印象です。
NOBUさんコメントありがとうございました。監督が小津監督のファンだというのは何かで知ったのですが、やはり日本に来られていたんですね。居酒屋や銭湯も体験したのでしょうね。
私は小津映画は、眠くなりそうな自分が怖くて、まだ観ることが出来ないでいます💦
今晩は。レビュー、拝読しました。
ヴィム・ベンダース監督は1980年代に小津安二郎の「東京物語」に感銘を受け、東京に来ていたようです。(私もつい最近、ヴィム・ベンダース監督の「東京画」という素敵なドキュメンタリー映画を見て知りました。)
では。返信は不要ですよ。