「怖い。まさしく「犯罪」、歳の差が激しい恋愛などではないことを冷酷に描く。事件に関わった人々がことごとく不幸になってる事実。皆そう思わせないように気を使って生きている。」メイ・ディセンバー ゆれる真実 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
怖い。まさしく「犯罪」、歳の差が激しい恋愛などではないことを冷酷に描く。事件に関わった人々がことごとく不幸になってる事実。皆そう思わせないように気を使って生きている。
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女優のエリザベスは、ジョージア州サバンナに取材で訪れる。
36歳の女性グレイシーと13歳の少年ジョーの不倫事件「メイ・ディセンバー事件」を映画化する役図栗のためだが、進めていくうちにその真実の重みに翻弄されていく。
まず、各シーンがとても的確。
俳優陣の演技も的確。
ナタリー・ポートマンってこういう人でしたっけ?
これまでのイメージが大きく変わって、まさに本作の女優になり切っていて、凄い。
ジョーもまた、そのまま映画の中に存在していて、演技ということを全く感じさせない。
自分の子供たちと比べて、いかに幼く純真で13歳のままの精神状態から成長していないように見えて痛々しい。
あまりにも大きな事件の渦に巻き込まれたまま、自分で考える時間もなく、時間がたってしまった恐怖。
本当に「犯罪」の被害者でしかないことが、23年を経た今まさしく表れている。
ジョーは当時の少年のまま、グレイシーに全て支持されたとおりに動いていて、全て管理されている。
13歳の役者のオーディション映像を観るシーンで
如何に「13歳の少年」がいかにまだ幼いかが映されて、愕然とする。
グレイシーは、誘惑されたと主張するが、それは一方的な見方でしかない。
最後に、作られることになる作品の撮影風景が、またあまりにも「陳腐」すぎる。
ここもまた”上手い”ということですが、それが、余りにも、タブロイド紙の低俗なイメージそのまま。
ペットショップだからと蛇を使ったりして。
彼女が取材で経験したリアルとの差が激しくて愕然とする。
夫妻が観たら怒り心頭を通り越して、激しい絶望にかられるに違いない。
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