ポトフ 美食家と料理人のレビュー・感想・評価
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一緒に食事。
20年一緒に住む天才女性料理人ウージェニーと男性美食家ドダンの話。
フランスの片田舎に一緒に住む料理人と美食家、二人の関係性はドダンが考えた料理をウージェニーが作る…ある日をきっかけに結婚を決めた二人だったけど…。
とりあえず冒頭から料理を作るで始まり、作られた料理がホントに全て美味そう!
仕事を終わって飯を食わずに劇場に行った私にはちょっとお腹が減ってキツかった(笑)
あと、シンプルに思ったのは「食」へのこだわりが凄いのと、ドダンの中盤過ぎの「歯」について話そうの、歯ネタでの熱弁はやはりお国柄!?それとも美食家ならでわ!?
ドダンがウージェニーに言ってた夕飯の食事時、「この時間が大切なんだ」と言ってたドダンは素敵だけど、日本人にはなかなか出ない言葉かな。
将来有望ポーリーヌ役の子が可愛かった!
基本外食オンリーな私だけどあんな手料理だったら食べたいな~
只々料理を作り続ける映画だった
調理素材が生きている時の形に近いところから料理するから鳥の足の薄皮を丁寧に削いだり豚の臓物を取り出したり日本近海の魚に比べると巨大と言ってもいい魚の体を曲げながら鍋で煮込んだりの描写が細々続く。
俳優は大変だというのが率直な感想。
物語としての起伏は料理界のナポレオンと言われる男の最高のアシスタントだった内縁の妻との愛情溢れる暮らしと彼女の後継探しかな。沢山のマダムがアシスタント実技試験を受けるがなかなか合格者が出ず将来を嘱望される少女はまだ年若い。ただ、それはメリハリの効いたドラマチックな話ではなく、こういう生活を送った人達もいましたという淡々とした誰かの日常のひとコマのようで。人生はそんなものだろう。
しみじみとはなったが、心打たれるまではならなかった。見るタイミングで感想が変わった気もするが、のんびりとフランス料理やフランスの田舎風景を見たい人にはお勧め。刺激的ドラマを見たい人にはお勧めしない。
お腹すかして見よう
料理をしない私にとっては
ジェンダーとプロフェッショナリズム
本当に久しぶりのトラン・アン・ユンの作品である。冒頭「イェン・ケーに捧ぐ」とあるので、「青いパパイヤの香り」で成長した主人公を演じた彼女が亡くなったのかと思いきや、長年を公私にわたるパートナーであり続けた彼女への謝辞であり、監督から彼女への思いこそが、映画の主題となっているのだ。
そして、「青いパパイヤ」で額の汗を片腕で拭いながら、もう片方の腕で鍋をふるう彼女の料理をしているシーンが脳裏によみがえり、本作のジュリエット・ビノシュの料理する姿とオーバーラップする。ビノシュは額に汗を浮かべるどころが、意識を失う手前まで疲労困憊の様子だ。
そう、このようにしてトラン・アン・ユン監督は、調理作業に従事する女性の肉体的な負担を直接的に何度も描いている。その重労働の所産として目を奪われんばかりの豪奢な一皿が生まれ、男たちの食卓が形作られるのである。
同じく食への強い関心を隠さなかった映画作家として我々は伊丹十三の名を思い起こす。彼の代表作「お葬式」においても、精進落としのごちそうを準備するのは女たちであり、それを食すのは男たちなのだ。男たちの饗宴に女たちが入ることはなく、女たちが台所でその料理を口にすることは本作にも共通する。
観客が食べ物の美味しさ、舞台となる家屋の内部、農園、と美術のすばらしさに気を取られることは監督の本意だろうか。いや、これら美しい生活が女たちの労働によってこそ成り立っていたことを観客はもっと意識すべきである。生産する性と享受する性の固定化。このことを抜きにしては、この映画は単なる料理のデモンストレーションに終わってしまう。
さて、死の直前、女が男に対して「あなたにとって私は『妻』だったのかそれとも『料理人』だったのか」を問う場面がある。
もちろんこれこそが映画のテーマであり、監督が観客に問うている問題なのである。
命を削って作ってきた料理。これを相手がプロフェッショナルとしての仕事の成果と認めるか、愛情の対象へのまごごろの所産として感謝するのか。彼女が求めたのはジェンダーから逃れられない男と女の愛情の所産としてではなく、プロとしての評価だったのだ。
これこそが、彼女が結婚を拒み続けて理由であり、料理を続けてきた理由なのだ。
そうでなければ、丹精込めて作った料理を、台所で使用人と一緒に食べることなど耐え難い屈辱なのである。
五感に訴える作品でした
鑑賞動機:お腹すいた10割
お腹が空いたから観たのか、観たからお腹が空いたのか。睡眠不足だったつもりはないのだが、何度も睡魔に襲われては覚醒して「美味しそう…」の繰り返し。ムニャムニャもう食べられなーい。
ビノシュとマジメルがまた本当にいい感じの寄り添い具合で素晴らしい。大人だ。大人の恋愛だ。
結構移動する人物を長回しで撮ってる場面が多いのも好き。
着信音が何度も何度もいやがらせのようになるのには閉口したけど。
「世界の朝ごはん」が好きだった人にオススメ!
昔、TBSで放送していた「知っとこ!」内の“世界の朝ごはん”というコーナーが好きだった人に観てもらいたい映画!どんな人にオススメかな〜と考えたときに、“世界の朝ごはん”を思い出した。あのコーナーみたいに美味しそうなご飯がたくさん出てくるし、恋愛要素もある!
内容は大きく分けて3部構成かな〜と。
①料理編
台詞はほぼなしの料理シーン。ずーっと料理を作ってる。
料理が好きな人はもちろん、物が出来上がる工程を見るのが好きな人は飽きずに楽しく観れると思う!
②ウージェニーとドダン編
恋愛パート!
ウージェニー(→→→)→ ←←←←←〜(省略)~←←←ドダンという感じ!
ドダン(男)、ウージェニー(女)のこと大好きすぎんだろ……となる。こういう関係性好き。
③ドダンのこれから
ウージェニーとなら皇太子も満足させられるポトフを作れると思ったドダンが、ポトフ作りにチャレンジ!そして神の舌を持つポーリーヌ(少女)と共にこれから──。
物語全編通してですが、ほとんどBGMはなく実際の調理音や生活音、環境音。
パンフレットを読むとメインの俳優2人共が料理の動きを「ダンスのようだった」と表すほどですが、そこから発せられる音もまたゆっくりとしたリズムで視覚も聴覚も心地よかった。
料理を作るのも“愛”、食べるのも“愛”だなと感じた。
胸やけしそうになりました。ポトフで充分です!
24-005
The plot of this movie is obscure.
The director of this film, Trần Anh Hùng, received the Best Director Award in Canne Festival 2023, but the plot of this movie is obscure. It was reasonable to change the English title of the movie from 'The Pot-au-Feu' to 'The Taste of Things', since 'The Pot-au-Feu' is not the main subject of the movie, as I would mention below.
I very much enjoyed the initial 30 min of this movie. Dodin-Bouffant (Benoît Magimel) proposed the menu for the party of the colleagues: Consommé, Sole à la sauce hollandaise, Côte de veau rôtie, Omelette norvégienne (norwegian omlet), and behaved as a maître d'hôtel, and Eugénie (Juliette Binoche) was a perfect cuisinière. I really don't know they have a professional cooking lady in country side of France in 1885.
I, however, found that the essential role of Dodin-Bouffant has been altered, after Eugénie was suffered from an illness. He started to cook by himself for her. It is a little curious, since the model of 'Dodin-Bouffant' was Brillat-Savarin, who was an outstanding gastronomique at the age. Indeed, when Pauline, a young talented girl, would like to be an assistant of him, he initially said nobody can teach her in his kitchen, but ultimately he started to directly introduce her how to cook. Moreover, this long and a little tiring story was suddenly interrupted and ended by the dialogue between Dodin-Bouffant and Eugénie without further introduction of the initial subject of this movie, Pot-au-Feu. I have disappointed about this.
Overall, we enjoyed the each scene where they prepared each dishes, but the whole story was not much more than that. In particular, we should notice that doctors could not find the cause of her illness, although that is a critical point of the movie. We know that French critique only gave a low score to this movie, such as 3.1/5.0, therefore I am not so sure whether it is adequate or not that the director received the Best Director Award in Canne Festival 2023.
映画の帰りにフレンチでディナーしよう
映画の冒頭、田舎の屋敷の厨房で次々と食材を鮮やかな手順で調理し、美しく盛り付けられた料理になっていく一連の30分に及ぶショットに感嘆しました。その一方で、食べる前からウンチクを語る村の名士の俗悪ぶりと、素直に料理の美味しさを理解する下働きの少女の純粋さの対比が印象的です。美食家と女性調理人が、ユーラシア皇太子の晩餐に大衆的な料理のポトフを出そうとするお話しだけど、むしろこの二人の料理を通じた心の結びつきがテーマのようでした。とにかく、迫力のある調理シーンや蝋燭だけのディナーなど、光と影のコントラストを強調したカメラが美しく魅力的です。ただ、美食家と調理人の主人公としてのバランスがイマイチ取れていないのと、ポトフがそのうちどっかに行ってしまうのもちょっと肩透かし感があります。役者では、ジュリエット・ビノシュの独断場だけど、この役には少し年齢が高いような気がします。むしろ、下働きの少女役のポニー・シャニョー・ラポワールがかわいらしく光っていました。ブノワ・マジメルは、往年の美青年ぶりを残しながらも恰幅がいい渋い感じが魅力的です。
とにかくフランス料理、もうそれだけ!
全てが美しい作品
ハァ~。
全てにおいて、ため息が出るほど美しかった。
交わす視線が互いを想う慈愛に満ちていて、
スクリーンからも温かい空気が流れてくるようで、ため息。
ジュリエット・ビノシュの洋梨のようなバックヌードも素晴らしくて、ため息。
愛に溢れた料理の数々に、ため息。
台所の装飾、衣装、光の加減、二人が交わす言葉、料理を作るときの所作、
そして、
大人の恋愛をここまで美しく描いた監督の素晴らしさに、感動のため息。
食が、いちばん欲望に近い、ある意味、官能的な作品だと思う。
「青いパパイヤの香り」のトラン・アン・ユン監督と後から知って納得。
映像が素晴らしく美しかったことが心に残っているもの。
この作品も、本当に美しい、という言葉がぴったり。
ベッド上でのビノシュの存在感あるバック
ルノアール展覧会で見かけたAfter the bathの後ろから見た裸体と左右違えどビノシュも相変わらず立派で見応えがあった。それとまだ子供では有るがボニーシェニョーラボワールという初デビュー作で見出せた事が収穫。彼女の成長が楽しみ。また監督はかなり音にも拘っておられた様に思える。「バベットの晩餐会」の様なじんわり来る感動には繋がらないが今の東京とは別世界をしばし味わうのであれば偶にはフランス映画もよろしいかと。
主役の二人が、、
静かに淡々と続く人生というもの
一切の説明を拝し、冒頭から薄暗いキッチンで調理が進む。手際よく観ていて面白いですが、流石に長すぎないかと私の気が遠くなり始め…たしか「フランス料理は手間と時間をかける料理」だったなぁ。日本のカツオや昆布だしは雑味を出さないようサッと取るのに対して、フランスの出汁やソースはとにかく手間暇をかけて作るものだとか(うろ覚えです)。
数回寝てしまいましたが、ラストは良かったです。
美味しい料理を皿重ねて急いで持ってきてくれる優しい友達、それを食べて心が動くドダン、希望の象徴のようなポーリーヌ、そしてウージェニーとの幸福な記憶。
結婚に囚われず、自分の求める道を貫き、歳をとっても人生を謳歌した女性ウージェニー。
過去を舞台にしながらも、これからの時代が求める生き方が詰まっている気がします。
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