劇場公開日 2023年12月15日

「料理・フランス映画が好きな方にはおすすめ。」ポトフ 美食家と料理人 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5料理・フランス映画が好きな方にはおすすめ。

2023年12月24日
PCから投稿

今年432本目(合計1,082本目/今月(2023年12月度)33本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 タイトルの「ポトフ~」については、確かに料理としてのポトフは出ますが、それ以外の料理も多く出てくるし、「ポトフ映画ではない」点に注意です。またフランス映画であり、「ポトフ映画ではない」とはいえ実質「料理映画」には分類されうるのでいい匂いがしそうな(映画館からはしませんが…)タイトルです。

 ただそのことは日常生活パートがかなり多く、映画の中で何か大きな「事件」が起きるわけではない(少なくともアクション映画とは絶対に言えない)わけで、一応いくつか区切りになるイベントはありますが、物語自体がきわめて平坦に進んでいくという特徴的な部分を持つという特殊な映画ではあります(何かキーになるイベントはあるといえばありますが、それとて話が極端に変わるわけではないし、実質2時間、フランス料理を色々見たり食べたりをずっと見ている状態の映画と考えたほうがよさそう)。

 ただこの点はそういう趣旨の映画もあるのだろうと思うし、フランス映画は何らかの意味で余韻を残す映画(趣旨は自分で考えてね、というもの)が好まれ、この映画も展開が平凡「過ぎる」ところはありますが、この映画にこめられた主義主張は何なのか…は一人ひとり答えは違うのではないかな…と思います。

 個人的には100年か150年かくらい「少し前」のフランスにおいて、肉も魚もじゃがいもほか野菜など「食べられるもの」を全て「料理として昇華して食べつくす」という、「この意味における」、日本にいう「いただきます」の文化が流れているのではないかな…と思ったところです。

 採点は下記が明確に気になったところです。

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 (減点0.3/クレメンス6世のいわゆる「アヴィニョン捕囚」について)

 この話、および、グレゴリウス11世によってこれが終わること(歴史としては70年続いた)ことがいきなり話題になるところ、料理と一応「結び付けられて」登場しますが(フランス料理のトリビアのようなものとしての扱い)、この点は高校世界史でちらっと学習するにすぎず、このあと(=グレゴリウス11世による捕囚の終了)の「教会大分裂」(当時のフランスはカトリック教が主流で教会は一つだったが、派閥ができたりして混乱した時代があった。これも40年続いた)の話も、一応は高校世界史で学習しますが趣旨的に後者はミッション系学校で扱うのではなかろうかというような内容のレベルで、一応、映画の趣旨である「フランス料理」に関するトリビアの一つとしての扱いで出る(換言すれば、どうでもいいところで突然出てこない)点で何とかなるかなのレベルで、ちょっといきなり(料理映画でいいなぁ、と思っているところに)この字幕でこの話題は厳しいかな…といったところです。
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yukispica