「役者の息使いを伝える演出〜「娯楽」の対極」落下の解剖学 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
役者の息使いを伝える演出〜「娯楽」の対極
2023(日本は2024)年公開、フランス映画。
【監督】:ジュスティーヌ・トリエ
【脚本】:ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ
主な配役
【サンドラ】:ザンドラ・ヒュラー
【弁護士ヴァンサン・レンツィ】:スワン・アルロー
【ダニエル】:ミロ・マシャド・グラネール
1.ジュスティーヌ・トリエ監督
◆史上3人目の女性監督によるパルムドール受賞
◆アカデミー賞脚本賞受賞
(ノミネートは、作品賞、監督賞、主演女優賞、編集賞)
今後の作品は常に注目を集めることになるだろう。
確かに脚本は良く練られていた。
法廷ミステリーとも言えるが、法廷以外の場面に様々な「仕掛け」が施されていて、目を離せない。
2.ザンドラ・ヒュラー
『関心領域』の演技も素晴らしかった。
本作も彼女の自然な演技に惹き込まれた。
ドイツ人だが、多言語を難なくこなしてみせている。
3.まとめ〜46歳パワー
監督も主演女優も、共に46歳。
表情やセリフだけでなく、息使いまでが計算されている。
ドキュメンタリーを見るような、いや、現実より現実らしい作品だ。
「娯楽作品」というカテゴリーの対極にあるような映画だ。ゆえに、観ていて疲れてしまう側面もあった。
☆3.5
共感ありがとうございます。
個人的に、この奥さんは、やったんだろ?と不信が拭い去れず終わりました。
個人的に、あの息子は、イヌに毒を盛った時点で最悪でした。
個人的に、イヌは息子を見限り最強の者、奥さんに寄り添ったんだと思いました。
サンドラ・ヒュラーのための映画だったような印象があります。
良くも悪くも才能ある作家の「性」をリアルに見せつける演技がスゴイです。夫が、自分がふつーの人、であることを思い知らされて、妻に嫉妬しているのがありありなのも、リアルだったと思いました。