「作家の細胞膜」落下の解剖学 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
作家の細胞膜
思っていたよりかなりシンプルで、意外と分かり易かった。
基本的には裁判を追うかたちで話は進み、そこで明かされる真実や論理によって真相を想像してゆく。
登場人物主観での回想やモノローグなどはほぼない。
時折カメラが左右に振れたり、あからさまなズームがかかったりする。
このあたりから、観客を傍聴人や参審員の立場に置かせようという意図が汲み取れる。
粗筋から、真実は明らかにならないだろうと予測していたので、そこは構わない。
しかし、出てくる情報に意外性はなく、ありがちな夫婦像に終始しているのは残念だった。
(そこがリアルと受け取れないこともないけど)
確たる証拠は出ないため、結論は「疑わしきは罰せず」というところか。
サンドラは本当に無実であると感じたが、受け止め方は人それぞれ。
虚実入り混じったサンドラの小説のように、見てきた中にハッキリとした膜はない。
個人的にはダニエルの賢さや強さ、その中に確かに残る子供らしさは印象に残った。
一つでも驚きの展開や意外な真実があればまったく違ったと思う。
後半は事件そっちのけで心象面の話しかしてなかったし、尺の割に内容が薄かったかな。
夫婦の在り方は千差万別なんですが、他人同士が同居してるんだから、互いに思いやりや感謝がなくなったらおしまいだなぁと、ストーリーに関係ないことがぐるぐる巡ってくる、考えさせられた作品でしたね、結局w みなさん、平和でありますように。
超★嬉しいコメントをありがとうございます!
ホントは長々と夫婦の平和論について意気揚々と書いてたんですが、気づくと六千字を超えてたんで、ばっさりカットしました(笑)。ピアノ曲に関しては、あとで評論家の方がおんなじこと書いてるのを見つけて「なーんだ」と。まあそんなもんです。
コメントをありがとうございます。
「事件そっちのけで心象面の話ばかり」ほんとそうですよね。裁判も事件の犯人の特定というより、夫婦と息子の人間性を裁くためのものみたいでした。