劇場公開日 2024年2月23日

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落下の解剖学のレビュー・感想・評価

全473件中、1~20件目を表示

3.5自己検閲をせずに真実を明らかにすること

2025年3月24日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

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momokichi

4.0冤罪はこうやって生まれるのかも

2024年10月10日
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鑑賞方法:VOD

冤罪はこうやって生まれるのかも、と思った。
物的証拠がなく、証言だけで殺人か否かを決めなけれ ばならない。誰かを有罪にするか無罪にするか、人生を左右する重大な決定を、証言を根拠に決めなければならない。
往々にして人の記憶はあいまいだし、自分の都合や思 い込みや、信じたいことで改変されている。し、裁判での証言なんて、自分が世間からどうみられるか、なんて計算まできっと入るから、記憶からの証言の信ぴょう性なんてあってなきがごとき。裁判官らは信じたい方を信じ、有罪/無罪に票を入れる。その意味で、盲目の息子ダニエルが「子供(11歳)」つまり「ピュア」であり、「盲目=他者が見えない」つまり「他者からどう見られるかを気にしないでいい人」という意味で、打算的な記憶の改変が少ない、信頼できる人として描かれている気がしてならない。その彼の 証言がキーとなっただろうことには、鼻白む。
加えて、検察側が露悪的で印象操作に思えてならな かった。例えば、サンドラ(被告人)のセクシャリティを暴きたてて、学生との会話を誘惑だと言い立てる姿。 夫が無断で録音していた口論から、「サンドラ=悪」 を植え付けようとする姿(会話を密かに録音する是非は問わない)。たとえ、サンドラがいかに「世間的に」奔放で不道徳な人間だったとしても、それを殺人に結び付けようとする態度には違和感しかなく、とても不愉快で嫌悪しか持てなかった。
確かに私は女性で、同性であるサンドラに無意識に肩入れしている部分はあるにしても。
最後に、この夫婦の関係が「世間」と逆転していて、おわゆる男性側を妻・サンドラが、女性側を夫が担っている。仕事に集中し、 子育てや家事をしない方を女性が、家事や子育て、自分の時間が持てずストレスをため込む方を男性が担っている。この逆転に裁判官や裁判員がどう見るか。男性は「女のくせに」、女性は嫉妬に近い反感を持つのではないか。
こうやって証言から作り上げられた「被告人像」か ら、真相はどうであれ「有罪/無罪」が決まる。真相と判決が合致していればいいけど、違えば冤罪/無罪放免。
私の「被告人像」は「無罪」だったから、こうやって冤罪が生まれるんだろう、と思いながら見ていた。彼女を「有罪」だと思う人からしたら、この映画はどう 見えているんだろうか、と思う。

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消々

4.0家族の内側を解剖する法廷劇で試される、私たちの曖昧さを抱えておく力

2024年2月24日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.5事実が力を持たない時代の法廷劇

2024年4月30日
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鑑賞方法:映画館

事件の真実を明らかにしないままに終わる法廷劇というのも珍しい。しかし、極めて今の社会のあり方を的確に表出した作品と言える。要は、「人は信じたいものしか信じない」、事実が力を持たない時代になったのだということ。
夫の転落死は事故か、殺人か。決定的な証拠は見つからないまま物語は進んでいく。そして、事件をめぐる世の中の関心は、夫婦仲がどうだったかへと移り、法廷も主人公の女性に殺意を抱くような動機があったかどうかが争点になっていく。しかし、動機は事件性があったのかどうかの補強情報にはなるが、決定的な証拠とは言えない。下世話なスキャンダルのように世の中が騒ぎ立てるなか、目の見えない息子が証人となる。
タイトルには「解剖学」という言葉が使われている。解剖学は人体の構造を明らかにする学問だ。見えない人体の中身を「見える化」するものと言い換えてもいいかもしれない。
その言葉に反して、この映画で描かれる事件(事故)の真相は見えない。真相は見えないままに物語が進行し、観客である我々はそれぞれに「信じたいものだけ信じる」ように誘導される。
そんな、人の「信じたいものしか信じない」心の弱さを「見える化」している作品と言えるかもしれない。

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杉本穂高

4.5脳の訓練とスリリングなメロドラマの融合

2024年3月31日
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村山章

4.0事件と夫婦関係の解剖によって浮かび上がる奥深い人間ドラマ

2024年2月29日
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鑑賞方法:試写会

雪山に建つ山荘で暮らす3人の家族がいる。絵に描いたような幸せな暮らしに見えるものの、そんな中で夫が落下死するという悲劇が発生。捜査の過程で浮上した不審点によって、妻に殺害容疑がかかり・・・と、あらすじだけを見ると、謎解き、捜査、推理といったイメージが湧き上がってきそうだが、しかしこの映画の本質は紛れもなく「家庭ドラマ」だ。あるいは家庭生活という名のサスペンス。その上、この法廷劇によって周到にメスが入れられ一つ一つ明かにされていく状況は、恐らくどの家庭や夫婦でも身に覚えのある切実かつ根源的な問題なのだ。妻であり母であり、成功した作家でもある主人公役のサンドラ・ヒュラーの表情が鮮烈で、彼女が怪しいのか、それとも我々の偏見や先入観なのか、観る者もまた非常に不可解な境地に立たされる。と同時に、盲目の息子が手探りで真相を掴み取ろうとする健気な様が胸を打つ。まさに解剖の名にふさわしい人間ドラマである。

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牛津厚信

4.5夫婦の愛と信頼が崩れ落ちるさまが、裁判の過程で解き明かされていく傑作サスペンス

2024年2月25日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

転落事故か投身自殺か、それとも殺人か。自宅山荘の窓の下で、夫で父親のサミュエルが不審死を遂げ、その妻で小説家のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)が殺人罪で起訴される。

法廷での証言や証拠で家族のこれまでが次第に明らかになる。作家として成功した妻と、教師の仕事をしながら作家の夢を捨てきれない夫。サミュエルは息子ダニエルが事故で視覚障害になったことの責任を感じ続け、山荘を宿泊施設にリフォームする目論見もうまくいかず、精神的に不安定になることもあった。

“解剖学”というと学問の語感が強くなるが、フランス語の原題Anatomie d'une chute、英題はAnatomy of a Fallはいずれもニュアンス的には「落下(転落)の解剖」が妥当だろう。第一義はもちろんサミュエルを死に至らしめた転落の真相を裁判で解き明かすことにある。だがそれだけでなく、愛と信頼で築かれていたはずの夫婦の関係が、社会的成功の差、家事育児の負担、息子が抱える障害などさまざまな要因によって崩れ落ちていったさまが裁判を通じてあらわになることも示唆するダブルミーニングになっている。

1978年に東ドイツで生まれたザンドラ・ヒュラーは、国際的な知名度を高めたドイツ・オーストリア合作「ありがとう、トニ・エルドマン」(2016)で、変人の父親に翻弄される真面目で少し不器用なキャリアウーマンを愛らしく体現。打って変わって本作では、複雑で陰のある主人公を繊細に演じ切った。昨年のカンヌ国際映画祭ではフランス製作の本作が最高賞パルムドール、さらにキャストの2番手にクレジットされた米英ポーランド合作「関心領域」(日本では5月24日公開予定)も第2席のグランプリを受賞するなど、国際派女優としての円熟期を迎えつつある。5部門にノミネートされた今年のアカデミー賞の結果も楽しみだ。

法廷物の形式であるがゆえ当然ながら裁定は下されるが、揺るぎない真実が明らかになってすっきり解決、という映画ではない。むしろ解釈の揺らぎや余白を観客側が想像で補うタイプの作品であり、いつまでも落ち続けているような、落ち着かない“もやもや”を堪能していただければと思う。

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高森 郁哉

4.0詳らかにする

2025年3月29日
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鑑賞方法:その他

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雑穀

4.0某か受賞というのは映画詳しい人に刺さったということなだけで

2025年3月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

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maru

2.5疑わしくは被告人の利益に

2025年3月23日
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鑑賞方法:VOD

「疑わしくは被告人の利益に」ってこういう事かと思った。フランスらしいと言えるか。平凡でもラスト親子の抱擁の際に息子が母親の耳元で大どんでん返しになるセリフを囁く…ぐらいのラストを期待したのに。それなら星3つはあげてもいいかな。

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自由の座

2.5カタルシスねぇ〜映画NO1

2025年3月19日
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タイトルがいいねオシャレ

でもちょっと長いね
退屈だね

長く見た割に全然スッキリさせてくれないね

ちょっとこの映画は僕には大人すぎたね

SFとかホラーを見すぎて、宇宙人や悪魔が出てこないと物足りないと思う体になっちまったチクショウ

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真平

3.5他殺には無理がない??

2025年3月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Sheeta

3.5役者の息使いを伝える演出〜「娯楽」の対極

2025年3月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

2023(日本は2024)年公開、フランス映画。

【監督】:ジュスティーヌ・トリエ
【脚本】:ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ

主な配役
【サンドラ】:ザンドラ・ヒュラー
【弁護士ヴァンサン・レンツィ】:スワン・アルロー
【ダニエル】:ミロ・マシャド・グラネール

1.ジュスティーヌ・トリエ監督

◆史上3人目の女性監督によるパルムドール受賞
◆アカデミー賞脚本賞受賞
(ノミネートは、作品賞、監督賞、主演女優賞、編集賞)

今後の作品は常に注目を集めることになるだろう。
確かに脚本は良く練られていた。
法廷ミステリーとも言えるが、法廷以外の場面に様々な「仕掛け」が施されていて、目を離せない。

2.ザンドラ・ヒュラー

『関心領域』の演技も素晴らしかった。
本作も彼女の自然な演技に惹き込まれた。
ドイツ人だが、多言語を難なくこなしてみせている。

3.まとめ〜46歳パワー

監督も主演女優も、共に46歳。
表情やセリフだけでなく、息使いまでが計算されている。
ドキュメンタリーを見るような、いや、現実より現実らしい作品だ。
「娯楽作品」というカテゴリーの対極にあるような映画だ。ゆえに、観ていて疲れてしまう側面もあった。

☆3.5

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Haihai

3.5夫の気持ちを探るー母と息子熱演

2025年3月17日
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りか

4.0ザンドラがサンドラ

2025年3月15日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

この映画は公開時は題名の意味が分からず観に行きませんでした。その後観に行くきっかけとなったのが「関心領域」に収容所長の妻ヘートヴィヒ役を演じていたザンドラ・ヒューラーに興味を持ったからです。役柄では夫の出世しか興味が無く外の世界は見ようとしないし,収容所から持ち込まれた毛皮を躊躇なく試着する。
とても共感できないキャラなのですが、
「落下の解剖学」では、どんな役柄なのか気になりました。完全犯罪を目論む悪い妻・・・
なのかな?
ザンドラ・ヒューラーはベストセラー作家
サンドラの役で夫サミュエル殺しの疑いをかけられる・・・法廷での証言シーンがメインで
回想シーンで亡くなった夫とのやりとりが再現されますが、それはどこまで真実なのか?
サンドラの弁護を任される知り合いの
ヴァンサンとの微妙な距離感。
とりあえず話は長いです。
たまたま音響の良い映画館だったせいか
TVでは没入できない世界を体感できました。
OPも良かったしショパンの前奏曲が、こんなに染み入るなんて・・・たまに挿入される息子ダニエルの弾くピアノが、いい感じです。
母親サンドラと、さりげなく連弾するシーンもあります。彼は視覚障害らしいが全く見えない訳では無いのかな?第一発見者でもあるから。
スヌープ役のワンちゃんは名演技ですね、途中ヒヤヒヤするシーンがありましたが。
物語はサンドラ目線で語られます。こちらの役の方がリアルに作られており観てる方も彼女と同化していきます。
そして判決は観てのお楽しみです・・・🤫

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naoki

3.0子供さんには、夫婦には

2025年3月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

 フランス。雪山の山荘で作家のサンドラが、女学生のインタビューを受ける。しかし階上の夫サミュエルの騒音で、中止に。その後、盲目の息子ダニエルが散歩から帰ると、サミュエルが外で死亡していた。事故死と思われたが、サンドラが容疑者となり裁判へ。
 割と普通の裁判モノ。裁判官の配慮は良かったんだけど、子供さんには辛い証拠でダニエルに同情します。一方、少なからずの夫婦にとっては身に覚えありで、反省しきりなのでは。
 サンドラ・ヒュラーは、本作と「関心領域」で絶賛されていることに納得。

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sironabe

3.0細かい

2025年3月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

本当に一から裁判を傍聴している様な丁寧で緻密に掘り下げながら物語は進む。真偽はこちらに委ねる形で犯人が明かされることはないので、そういうgrayなラストが苦手な人にはハマらない。自分も少し煮え切らない感じ。

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柿男

3.5裁判で暴かれる女流作家の私生活を残酷に描いたミステリー法廷劇

2025年3月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

知的

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Gustav

3.5本格的な法廷モノで、検察官の執拗な追い込み方には見応えがあった。 ...

2025年3月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

本格的な法廷モノで、検察官の執拗な追い込み方には見応えがあった。
話の流れからいって、おそらく無罪になるのだろうなとは思ったが、終盤になって激しい夫婦ゲンカの録音が出てきて雲行きが怪しくなる。
最終的には息子の証言が決め手になったか。
あらゆる面において優位に立つ妻が夫を殺害する動機など見当たらないしな。
自殺し、妻に容疑がかかるような状況にしたのは夫のせめてもの復讐か。

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省二

4.0二転三転

2025年3月4日
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