枯れ葉のレビュー・感想・評価
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犬
チャイコフスキーの悲愴と画面がリンク
アキ・カウリスマキ監督、最高のラブストーリー
渋谷ユーロスペースにて鑑賞🎥
アキ・カウリスマキ監督が引退宣言撤回して作った本作、さえない男とさびしい女を通して描いた最高のラブストーリー✨
ヘルシンキのスーパーで働いていた女性アンサは理不尽な理由でクビになり、ホラッパという男は酒を飲みながら現場で働いていたが飲酒事故により解雇。
そんな二人がカラオケで出会って互いに惹かれ合う感覚だったが、お互いの事を何も知らないまま別れる。アンサがホラッパに渡した唯一の情報(電話番号)はホラッパが紛失…(^^;
そんな二人が、出会って別れての紆余曲折を経てどうなるか?……をサラリサラリと描いていくカウリスマキ監督、さすがである🎥🌟
ベタベタすることなく、アッサリとした恋愛映画の究極的なかたちが本作のような映画だと思う。
引退宣言を撤回したのは、本作の冒頭や途中でラジオから流れる「ロシアのウクライナ侵攻」に対して「自分が何をできるか?」と考えたカウリスマキ監督が「映画を作るしかない!」と思って行動に移したのではなかろうか?
「これからも引き続き、カウリスマキ監督には映画を作り続けて欲しい」……そう思わせられる傑作✨
<映倫No.49948>
ブタに乾杯
カラオケシーンがすごく好き
帰って来たカウリスマキ。
やれ北欧家具がおしゃれとか、国民が政府を信頼してる福祉大国とか、とかく昨今我が国では持ち上げられがちな「北欧」の片隅で、地味にスタイリッシュで、有体にいえばお金のない若くもない市井の人を見事に描き切ってくれた。
ジム・ジャームッシュへのオマージュもボーナスカットでした。
おもしろうて、やがて哀しき哉、でも希望の灯をありがとう。
そういえば、途中、主人公の女友達が「男なんてみんな同じ型からできた鋳物みたいなもの」みたいなセリフが。ちょっと アップデイトされたカウリスマキを見た気分。
こういう映画を見た後は、電車の車内でもレジのお姉さんに対しても、みんなそれぞれの人生をぼちぼち生きてるんだよね、っていう人類愛を自ら感じてしまいます。
ウクライナのラジオ放送、実に佳き伴奏者だったと思います。
音楽の使い方が秀逸。
フィンランドのKARAOKKE、マダムのMC付きで、店中の人の前でのど自慢なんて、なんて素敵!笑。
ザンドラ・フラー/希望の灯り似???
観始めてすぐに、アンサ(アルマ・ポウスティ)の働くスーパーマーケットの場面で、2019年にBunkamura ル・シネマで観たドイツ映画「希望の灯り」を思い出していた。
既視感ってやつである。
アルマ・ポウスティの2020年のTOVE/トーベは見逃している。残念!
女優さんもちょっと似た雰囲気のような気がした。サンドラ・フラーとアルマ・ポウスティ。全然似てないとも言えないような。だって、どっちにせよ実際の彼女らに会ったわけではないのだから。所詮、私の脳内妄想の世界なのだから。
アキ・カウリスマキ作品名には希望のかなた(2017)、街のあかり(2006)があるから題名も余計にまぎらわしい。
竹田の子守唄が二番目の劇伴に流れた。
アキ・カウリスマキ監督は小津安二郎などの日本映画好きらしい。鋳物工場はキューポラのある街か。第15回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された浦山桐郎作品も当然観ているだろう。
ウイスキーボトルをいつも上着の裏ポケットに忍ばせ、ビールをチェイサーにウオッカをカパカパ呑むホラッパ。
ユッシ・バタネンの老けメイク。
ちょっとトニー・レオン似のいい感じだった。
おいらもすっかり"枯れ葉"になっちまった。(すっかり酔ってる)
このどうしようもないせつない感じは若い奴らにはわかるまい。
(完全に酔ってる)
禁酒しよう。キセキはおこる。
第76回カンヌ国際映画祭の審査員特別賞作品。
パルムドールはアナトミー・オブ・ア・フォール。
来年2月日本公開。
主演女優はなんとザンドラ・フラー。
グランプリはゾーン・オブ・インタレスト。
主演女優はこちらもザンドラ・フラー。
私の既視感(脳内妄想)もなかなかすごいかも。
これはキセキといってもいいだろう。
恐ろしいぐらいだ。
ガラス玉を買って、インチキ占い師でもはじめようかな。
第76回カンヌ国際映画祭男優賞の役所広司のパーフェクトデイズは明日から公開。
(番宣してどうするんだよ)
期待の新作に平凡さが滲む。
アキのもつ独特のペーシングに支配されながら、出演者の微かな表情、沈鬱な舞台、作品全体に滲む閉塞感などなど、どれも影を薄め、気持ち作品のペースも早く、ウクライナ情勢を伝える露骨なラジオ放送、色を感じるシーンなど、どこか俗っぽく、平べったい印象で残念に感じた。
机に残されたゼリーの画がなんかすごく好き。
リベンジ✨しました
【12.19✩⃛初回観賞】 評価:-
【12.24✩⃛2度目観賞】 評価:3.5
玄関開けたら2分でラジオ📻
今時ラジオ?でもそれがアンサっぽくてなんか良い✨
フィンランドのカラオケは司会のおばちゃん付き🎶なんならもっとノセてくれたらいいのにw
恋する気持ちに浮かれる人と、ラジオから聞こえてくる哀しいニュース。
愛する人が意識不明の病院から帰る電車内の後方座席でイチャつくカップル。
世の中ってそんな陰と陽の絶妙なバランスで成り立ってる🌞
『キートス』ってフィン語の『ありがとう』なんだね💜マウステテュトットの作中歌も可愛い❤ ❤ ❤
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ごめんなさい!
気付けば9割方寝ちゃってました!!
でも決して映画がつまらないから、ということではなく睡眠不足に起因するものです!!!
作品に罪はないのと、レビュアーさん達の評価が高いのでやっぱり気になるのと、観ていた1割でもとにかくワンコが可愛かったので、今回は星無し無評価として近々もう一度リベンジ試みます🙏
選曲の妙を楽しむ異色のラブコメディ
本作はフィンランド映画でした。フィンランド映画と言うと、今年3月に観た「コンパートメント NO.6」がありましたが、あちらはフィンランド人がロシアに留学した際のお話であり、舞台がロシアだった上、時代設定もソビエト崩壊直後の1990年代だったのに対して、こちらの舞台は現代のフィンランドでした。そういう意味では、現代のフィンランドを舞台にした映画としては初めて観た作品となりました。ただ画面の感じが現代調ではなく、いかにも1970年代と言った創りになっていた上、登場人物たちの自宅や職場、酒場の様子が前時代的な雰囲気でした。唯一本作が現代を舞台にしていることが認識できたのは、旧式のラジオから流れるニュースで、ロシアのウクライナ侵攻を伝えていたことと、スマートフォンを使っていたことくらいでしょうか。
そんな現代フィンランドを舞台にした作品でしたが、序盤から中盤にかけて、登場人物たちがとにかく無表情で、喋り方も平板な感じであり、とにかく無機質な創りになっていてちょっと驚きました。主人公のアンサは、最低賃金でスーパーマーケットで働いており、もう一人の主人公であるホラッパも金属工場で働いていて、言ってみれば低所得者の2人。しかも交友関係も限られている感じで、非常に暗い雰囲気で滅入ってしまう内容だったのですが、登場人物同士のやり取りや行動が実は結構滑稽で、本作がコメディ要素たっぷりのラブストーリーだったんだと気付いてからは、笑えるようになりました。
また、ラジオだったりカラオケだったりバンドの演奏だったりと、場面場面に挿入される多彩な音楽が、主人公たちの心情を見事に表した曲で、その点も感心させられました。何せ「竹田の子守唄」からチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」まで、洋の東西を問わない選曲は見事。特に本作の主題歌と言っていい「Syntynyt suruun ja puettu pettymyksin(悲しみに生まれ、失望を身にまとう)」は出色の出来。フィンランド語なので今聞いても内容はさっぱりですが(映画ではちゃんと字幕が出てました)、悲しい感じでありながらもアップテンポで未来に希望が繋がる感じの曲で、まさに本作に嵌る唄でした。
最終盤になり、無表情だったアンサの顔にも笑みが見られるようになり、とっても幸せな感じで映画館を後にすることが出来る作品でした。
そんな訳で本作の評価は★4とします。
映画通向?穢れた私には遠かった
堀越好みの逸品。
愛がなくちゃね
素朴だけど味わい深い
なぜ北欧ってこう無愛想で、冷めていて、テキトーで、面白いことなんて何もないみたいな世界なのか分からないけれど、そんな無機質な世界にも愛は素朴に生まれて、誰かと誰かをなんとなく結んでゆくのだという風景がしっかり描かれたステキな映画。
登場人物が言葉少なで寡黙な分、ヘルシンキの情景が雄弁であり、色彩豊かに人物の心情描写を助けてくれているように見える。
音楽がほぼ全編鳴りっぱなしで、ある種音楽映画の趣きがある。選曲はどれもレトロで、少し感傷的だけど好き。人によっては痛々しい使い方にも見られるだろうけど、演技が抑えてあるのでそんなに気にならない。
電話のメモのところとか、2023年の物語とは思えないくらい焦れったい展開だけれど、一方でウクライナ戦争のニュースは日々流れ続けている。その時代錯誤的な感覚が、日本人からすると新鮮でありつつもゾッとする部分で、フィンランドには住みたくない感が否が応でも増す。
ただ、映画としてはそんなシュールな雰囲気がたまらなく魅力的であり、男女の粗野な関係性も本当に愛おしくなる。誰もが日常に耐えているという、当たり前のバックグラウンドがごく自然に描かれていて、ものすごく好印象。もっとも、アル中がそんな簡単に治るはずがないので、そこは違和感あったけれども…。
なんにせよ美しくて、詩的で、人生を肯定しようと戦う人たちの映画。今日見た中では一番良かった。
ラジオから流れるウクライナ情勢 カウリスマキでも避けて通れないほど...
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