劇場公開日 2023年12月15日

「映画館で観なかったことを後悔」枯れ葉 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画館で観なかったことを後悔

2025年2月16日
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鑑賞方法:VOD

明日、「キノ・ライカ」を観に行こうと思っているので、「カウリスマキの作品を1本も観てなくては楽しめないかも…」と思い、昨年度観そびれた今作を鑑賞。
結果、とても好みで、映画館で観られなかったことを後悔した。
パスしてしまった理由の一つが、何となく、ポスターのグリーンのバックとタイトルの黄色の配色が肌に合わなかったというのがあるのだが、本編では全く逆で、どのシーンも、そのまま一時停止をして眺めていたいほど、配色が考え抜かれており、ため息が出るほど美しかった。
主人公たちが身にまとう労働時のつなぎや私服など、それ単体でも美しいのだが、背景も含めて、ほぼ全編に渡って、柔らかなトーンの中で、補色を意識した色がアクセントとして使われるなど、画面全体の細部にまで色にこだわった画面づくりが印象的だった。
内容や、人物たちの淡々とした表情と受け答えの間なども込みで、「色のついたジム・ジャームッシュっぽいなぁ」などと思いながら観ていたが、鑑賞後調べるとカウリスマキは彼と仲良しらしいので、あながち間違いではなかったようだ。(追記:ゾンビ映画も観ないし、ジム・ジャームッシュも白黒の頃のしか観てないので、詳しい方からすると変なことを言ってると思いますがお許しください)

<ここから少しだけ内容に触れます>

大まかなストーリーとしては、中年の男女の出会いが軸になっているが、端々で描かれていたのは、「正しさとは何か」という問いかけだった気がする。就業規則や飲酒とドラッグの問題や、大きなところではロシアのウクライナ侵攻とその攻撃の仕方や、そして何より、主人公たちも暗にとらわれている友情や恋愛や結婚という形のあり方など、正しさはこの映画の中では、主人公たちの幸せや生きづらさとは別に存在していて、観客の価値観を揺さぶってくる。(歌が上手い下手という評価や、ゾンビ映画の鑑賞態度や、名前の持つ価値観についても…笑)
そんなところがコメディでありながら、観た者の心に引っかかりと余韻を残すのだと思った。

彼の他の作品も観てみたいと思います。

sow_miya
きりんさんのコメント
2025年2月16日

分かりました、
突撃あるのみ。
骨、拾ってください。
😆

きりん
きりんさんのコメント
2025年2月16日

お久しぶりです、
これ僕も未鑑賞です。せっかく近くでやっていたのに。逃がした獲物は大きいですねぇ。
でも今は配信で古今の名作を観られるのでホント幸せな時代になりました。
⇒これが這ってでも映画館に行かなくなった理由とも言えますが。

sow_miyaさん、佳きバレンタインデーをお過ごしでしたか?チョコレートもらいましたか?
これ、たった10分の短編ですからお邪魔にはならないと思って僕からのsow_miyaさんへのプレゼント。オススメの映画です
「アオサギとツル」。
YouTube でどうぞ。
(ロシアのアニメです。日本語字幕の設定を入れて下さいね)。

きりん
かばこさんのコメント
2025年2月16日

人物が無機質なのに背景がカラフルで、対比に味がありました。
日常生活で他人の気持ちの解説ナレとかないので、言葉の端や態度で相手を知り、こちらを知らせ、少しづつ距離を縮める。リアル人間関係はむしろこんな感じだと思いました。

かばこ
あんちゃんさんのコメント
2025年2月16日

キノ・ライカはいかがでしたか?ジャームッシュ出演してますよ。

あんちゃん
トミーさんのコメント
2025年2月16日

共感ありがとうございます。
映画を下敷きにした世界観は微笑ましい感じでしたが、意外とずっしり重かったのが酒の問題。男の方は割と安定した工場勤めだったのに飲んでしまう、寒い地域は強い酒が多いし、不安を紛らす為のアル中の危険性はちょっとぞっとしました。

トミー
Mさんのコメント
2025年2月16日

ポスターを作った人の色彩のセンスに文句でも言いたくなられたかもしれませんね。

M