劇場公開日 2024年5月24日

関心領域のレビュー・感想・評価

全371件中、61~80件目を表示

4.0洗練されてはいるが

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

アウシュビッツ収容所に隣接するドイツ人家族の日常生活を描く視点が斬新。
しかし収容所の様子は一切映されない。しかし絶えない煙、悲鳴、銃声、犬の鳴き声がその日常生活の中に自然音のように溶け込み、主婦はこの素晴らしい生活を手放したくないの一心。収容所では何が起きているのか間違いなく知っているが、関心は微塵もない。
しかし夫である収容所所長は、この先さらなるユダヤ人虐殺をしなければならない事で嘔吐が止まらない。
ユダヤ人虐殺を忘れてはならない強烈なテーマを打ち出したが、映画としの面白みはあるが、ドラマを廃したことで感動がない。
映画鑑賞IQが高い人向けのインテリ映画を目指すならこれで良いが、テーマ的に多くの人に観てもらいたかったので、もうちょっとあざとい人間ドラマを入れても良かったと思う。

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じゅんぢ

3.0あの家族のその後は

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

アウシュビッツの近所に住む家族、くらいの事前情報で鑑賞。
最初音だけの黒い画面で放送事故みたいな不安な感じから、白、赤、また黒と不穏な画面が合間合間に入り、真隣でかつナチス将校の家族だったのね、というところは少し思ってたのと違った。
幕間のヘンゼルとグレーテルや、おそらく現代のアウシュビッツとか、うっすら感じることはいろいろあったけど、自分には難しかった。
いまガザで行われていること、ユダヤの人たちはどう捉えているのかな。

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kawa

3.5前情報無しで観たかった

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

アカデミー賞をはじめ各賞レースで話題になり、色々事前情報を見聞きしてしまったけれど、できれば何も知らずフラットに観たかった。
アウシュビッツ収容所の隣で暮らす、裕福な一家の平凡な日常。子どもたちは遊び、夫婦が談笑し、仕事や学校に行く。休日は家族団欒。
本当に大したことは起きない。

だけど、ずーっと背景にある音。昼も夜も絶えず聞こえてくる音。でも我慢できないような騒音ではなく、ちょっと遠くの出来事の音。
それが絶妙で、無視することもできるというのも共感出来てしまう。

そんな状況・場所で普通に暮らせる?と思っていたけど、暮らせてしまいそうだと思ってしまったのが恐ろしかった。

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まだまだぼのぼの

2.5自分勝手な正気

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

怖い

人間の狂気と表裏一体の正気
人間の怖さが伝わってきました。
普段の日常生活でもあるかもと感じました。
カメラワークと音楽がその異常さを際立ていました。

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マコト

4.0絶望に背筋が凍る

2024年6月28日
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鑑賞方法:映画館

徹底して見せない。そして徹底して現実的。
この世界をありのまま表現すると、希望は残らない。
そう思わせるほどの恐ろしさを感じた。

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ドラゴンミズホ

3.5怖い

2024年6月28日
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冷ややかな恐怖。
ラストの現代で、背景で何が起こっていたかが、グロテスクなくらいに突きつけられる。音が怖い。

ユダヤ人から奪ったものを、当たり前のように身につける。
もの以下の扱い、殺処分。
あってはならない。
人が人を殺す権利はない。

こんなに耳をすましながら映画を観ることはなかなかない。見て見ぬふりどころではない
人間は自分の罪悪感に気づかせないために意識すらも消す。

洗脳された人たちのよう。

後半息子か弟(かな?子供)を閉じ込め遊んでる様に
ゾッとした。こんな環境に育っていると
きっとまた同じようなことをしようとする大人が育つのではないかと思えて。

壁の向こうは海の向こう。
音と淡々とした幸せそうな書き割りのような家庭でこの恐怖を感じさせるとはすごい切り口だった。

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さばみそかん

3.5アウシュビッツ強制収容所の真横で幸せに過ごすドイツ人一家の物語。家...

2024年6月27日
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鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

アウシュビッツ強制収容所の真横で幸せに過ごすドイツ人一家の物語。家の真横でユダヤに対しての粛清が行われているにも関わらず、ドイツ人一家は無関心で自分を取り巻く平穏な日常にしか興味のない人たち。すごく暗くて、すごく怖い。

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芝本祐介

4.0新たな角度で迫る反戦映画

2024年6月27日
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まさにタイトルを地でいく映画でした。
隣にあるアウシュビッツ収容所で恐ろしい出来事が日々起きているにも関わらず、まるでその存在すら知らないのが如く、(所長)家族の優雅な暮らしが淡々と描かれていきます。定点観測的なカメラワークでまるでその家族の様子を覗き見しているような感覚に陥ります。

でも、時々、収容所の様子が映像ではなく、間接的に「音」を通じて観客に聞こえてきます。でもそこに住む人々は気づいている様子はありません。そもそも「無関心」といった方が近いのかな?そのギャップに恐怖を感じていきます。

途中で妻のお母さんが訪ねてきますが、夜の焼却炉をみて、そして、それに無関心で熟睡できる娘をみて、突然いなくなります。翌朝、おそらくお母さんの置き手紙になにかしらアウシュビッツのことが書かれていたと思いますが、それをそっと捨てた?しまいました。ちょっと怖かった、、。

とにかくなにも起こらないが、終始なにかが起きるような不気味な感じで物語は静かに進んでいきます。

そしてラストシーン。
所長の内面が唯一垣間見れる階段を降りていく場面。突然、現代のアウシュビッツ収容所の場面とシンクロします。このシンクロさせたシーンの意図はなんだったのか?その他、敢えて間を与えて我々の想像力を試す工夫がいくつかあります。この映画の良心的な存在、りんごを隠す少女のアニメのシーンも印象的で、監督の巧みな演出で最後まで飽きることなく観賞出来ました。

昨年個人的ナンバー1映画だった「pefect days」を破ってアカデミー外国語作品賞を獲ったときいて観たが、インパクト考えると妥当な選択かな、と。ありとあらゆる手法で出尽くし感があった戦争モノに新たな角度を付けて反戦映画を作った監督に拍手👏
怪作也。

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ねじまき鳥

4.5「軍用靴で表現」

2024年6月26日
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鑑賞方法:映画館

知的

今年133本目。

軍用靴を洗う所が印象に。
ドイツ人は当時履いていましたがそこで戦時中なんだと表現、素晴らしい。
アウシュビッツの女王。
日本に住んでいるのが恵まれていると思う気持ちも大切。
そこで行われた事は撮らず、叫び声などで表す。
隣の人間は関心を持っていたのかそこが関心領域のタイトルですが、最後のシーンで苦しんでいたんだと。

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ヨッシー

5.0ある意味で「無関心領域」ともいえるが

2024年6月26日
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今年231本目(合計1,323本目/今月(2024年6月度)31本目)。
(前の作品 「アニマル ぼくたちと動物のこと」→この作品「関心領域」→次の作品「」)

 他の方も多く書かれているのですが、いわゆる収容所をへだてたところに一つの家があり、そこの家の住人(うすうす気が付いていたはずですが…。描写からもわかる)を描いた作品で、収容所それ自体のシーンはほぼ出ないという映画です(いわゆるガス室のことも「荷下ろし」などと言葉を変えて表現される)。

 確かにそういう観点でみれば、それは「関心領域」であると同時に「無関心領域」であるとは言え、ここをどうとるか(かつ、この点に論点があたるため、ナチスドイツのこの政策については是とも非ともあまり述べていない)といったところです。

 この時期になるとナチスドイツを(否定的に)扱った映画があると思いますが、その中ではストレート球であると同時に「視点が少し違う」ように描かれていて、それは当然「そういうみかたでもみてほしい」というメッセージがあるものでしょうが、こうした作品「も」公表されること、それ自体に意味があるかなと思います。

 採点に関しては特に気になる点まで見出せずフルスコアにしています。

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yukispica

3.5観終わったあとに改めて。

2024年6月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

大まかな内容だけ把握してした状態で鑑賞。
鑑賞する側の想像力が問われる映画でした。
観終わった後にネットを見ておさらい。
なるほど、ところどころでてくるあのシーンはこういう事で、これと繋がるのか…。

当時の悲惨過ぎる事態も改めて調べておさらい。この映画の音響、評価されている事にも頷けました。

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rs8jn2

5.0関心領域

2024年6月24日
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鑑賞方法:映画館

凄い、良い得て妙な題名だな。
劇中にユダヤ人は全く出てこない。いや出てるか。遠くから聴こえる叫び声。嘆きの声。怨嗟の声。そして黒い煙として。それらは常にBGMとして流れ、舞台装置として映り続ける。
オープニングもエンディングも館内は不協和音で満たされて、エンドロールでは途中で立つ人が続出していた。テーマがテーマだけに、観客に気持ちよくなってもらっては困るんだろう。ヘスの破滅する後半生とか描いて観客の溜飲とか、絶対下げさせない、そんなどこまでも残酷な映画でした。

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HAL-9000

3.5仕組みや日常となる恐ろしさ

2024年6月23日
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鑑賞方法:映画館

「愛を読むひと」を観たときにも感じた、仕組みや日常の一つになる恐ろしさ
今ある「自分にとって」の幸せを手放したくない妻と多少なりとも違和感を感じていそうな子ども、子どもが成長して思想が固定化されていくさま、
驚いたのがアウシュヴィッツを博物館のように手入れするシーンが急に挟まれたこと
急にすべてが自分ごとに…
関心領域とは、もともと映画で感じるような意図とは別の意味でナチス下で使われていたようです
どこまでいっても、いつの時代も、自分のおかれた環境、周囲を1番に考えてしまうのは仕方ないことなのかもしれませんが、その環境はどういった仕組みで成り立っているのでしょうか、
考えなければ同じことが繰り返されても気づかないのかもしれません。

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shio

4.0自分との違い

2024年6月22日
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怖い

難しい

近くにいるか遠くにいるかの違いだけ。
綺麗なフリしちゃってさ、ほんとは分かってるよね、あなたにもこういうとこあるでしょ、知ってるよって言われている気がした。
あと、エンディングこわい。

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ざわわ

3.0今の自分を突きつけられる物語

2024年6月22日
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怖い

この映画のテーマ、設定、評価などを全て事前に知った上でなお、映画を鑑賞している最中に、不覚にもよくある家庭内のエピソードと思ってしまう瞬間が、何度もありました。あの不穏な音楽が聞こえているにも関わらず。
まさに、今の自分の「関心領域」を突きつけられているようで、ぞっとしました。
今の自分に、できることを始めようと改めて思いました。

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ごましお

5.0メンタルに直接響く恐怖

2024年6月21日
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怖い

恐ろしい作品だ。広い庭と素晴らしい家、仲の良い家族、誰もが羨む生活を淡々と写しているが、直接的な違和感を感じる。スクリーンには、エグ味があるシーンは何一つ映らない。しかし、背景の生活音の中にそれは紛れ込んでいる。悪名高きアウシュヴィッツ強制収容所の隣に住む家族の話である。何千人と直ぐ真隣でユダヤ人たちが虐殺されているにもかかわらず、この家族には全く関心が無い。その恐ろしさは今の日本の根底にもある恐ろしさだと気付く。決して他人事ではない恐怖。現在、日本人にもヒタヒタと迫り来る恐怖だと、どれだけの国民が知っているのだろうか?これは私たち日本人の近い将来の姿にも思える。政治に関心を持たない私たち日本人の未来を写した映像だとも言える。

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shanti

5.0奥さんメッチャ腹立つ

2024年6月19日
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難しい

 歴史的な考察や撮影方法だったり語れる要素が無限に湧いてくる映画だし記事や考察を見る意欲が湧いてくるすごい映画だと思う。
ただ自分は頭の悪い自分が思った事は奥さんメッチャ腹立つってことだった。
 あの異常な空間で奥さんだけがイキイキといしている何故かというと、あの立地に住む際の負担を他人に肩代わりしてもらってるからだと思う。
窓際の部屋は母に、赤ん坊の面倒や家事は使用人に
夜の焼却炉の明かりと赤ん坊の泣き声を他人の肩代わりして自分窓のない部屋でぐっすりと寝る。
毎日快眠でスッキリしてるからあの環境で受けるストレスが少ない。
コレは旦那にも言えてること。収容所の仕事も家のことも電話一本で済まし仕事におけるストレスが皆無に近い。
 だから夫妻はあの異常の環境で平然とできる仕事や家事におけるストレスがないから生活の妨げになる騒音を許容できるようになってしまってる。
自分が背負うべき責任や負担を他人に背負わせると人間驚く程人に対して無関心になるんだと学んだ現場から嫌われたくなかったら生涯現役で現場に足を運ぶべき。

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雑で薄い感想語り

4.0女王の宮殿

2024年6月19日
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鑑賞方法:映画館

なるほど。まさに"なるほど"な作品。ただただ職務を遂行している旦那と、何かしらかの極々個人的な"闇"と"渇望"を抱えて生きている奥様。映画全体を覆う異様さは大半が音によるものなので、ホロコーストの側面のみを描いている様にも映るが、お母さん(奥様の母)の一件で"目に見えない吐き気"が"目に見える吐き気"へと転換されて一変する。そこからは前衛舞台の様な演出が更に際際になってきて混乱するのだが、女王の執着に気持ち悪さと我々も持っている部分としての"業"を取り出されているようで複雑な気分でした。

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lynx09b

5.0見る回数ごとに恐怖が増していく!

2024年6月19日
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ドキュメンタリーの様な定点観測的カメラワークや、
どこの生活でもありうる日常会話を綴ったセリフなど、
1度目は、自分が何かを見過ごしてしまったんじゃないかという恐怖が過って
2回目に足を運ぶことになった。
案の定、それで味わう恐怖はこれまで経験したことないもの。
なんの外連もない描き方で、これほどまで斬新な表現があったのかと!
日頃、答え合わせを作品に求める鑑賞者には全く向かない深淵さがそこに。
映画とは平面に描かれるものだけではないと分かる。
日常会話に恐怖を味わう訳は、自分の中にもそれと同じ芽が
あるのではないかと気付いたとしたら、
その恐怖を取り払うことに必死にならざるを得なくなる。
音がフィーチャーされがちな作品だが、
味覚以外の全感覚が侵されてしまった。
淡々としながら、
これまでに無い斬新な体験を味わわせてくれた作品。

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flushingmainst

3.0無関心であることの罪悪

2024年6月19日
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第二次大戦中、アウシュビッツのユダヤ人収容所と塀一枚隔てて、暮らしていた収容所長一家の平凡で幸福な生活を描く強烈な作品です。収容所の中は一切見せず、遠くから叫び声や銃声が聞こえてくるだけでホロコーストを描く実験的な演出方法がポイントです。とは言え、ドラマらしいドラマもなく、短いカットと効果音だけで淡々と進行していくので、演出の意図は分かるんだけど、睡魔に襲われるのもしばしば。一方で、一枚の塀の向こう側で行われていることを知りながら、あえて目をつむり日々の暮らしに埋没していくのは、所長一家だけではなく現代に生きている私達自身のようにも思えてきます。塀ではなくTVやネットの向こう側で毎日行われている世界中の悲惨な事件も、所詮は他人事であり、やがて関心を失ってしまう。関心のない事は報道されなくなり、報道されない事はやがて実際に起こってない事になってしまう恐怖を感じました。役者では、『落下の解剖学問』に続いて、サンドラ・ヒュラーが嫌な感じの女性役を好演。

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シネマディクト