関心領域のレビュー・感想・評価
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無関心
文才がないので「この映画に込められた反戦のメッセージがどうたらこうたら」という感想を書けば、たぶんありきたりで陳腐になっちゃうだろうからそこには触れない。
「人間はどこまで無関心になれるのか」という点で興味深い映画でした。
人間ってほんと怖いよね。
私ふだんはニコニコヘラヘラ暮らしてるけど、頭の中は政治に対する怒りでいっぱい。
赤木俊夫さんを自殺に追いやったお役所、伊藤詩織さんの尊厳を踏みにじった司法、能登の瓦礫の下にいる被災者を放置して新年会をハシゴした首相、国民が生活をすり減らして納付した税金を海外にばらまく国、もう全部なんでそんなに他人の苦悩を無視できるのか理解できない。本当に理解できない。
でももっと理解できないのは、その政治家たちを支持して投票する人。
次に瓦礫の下で見殺しにされるのは自分かもしれないのに。
私には、この映画の登場人物が身の回りのそういう人たちと重なって見えました。
でも自分も「そう」かもしれないんだよね。
世間の出来事全てに対して無限に関心を持ち関わることはできない。
私が関心の外に捨てたこと。それはそれでいいのか、どうなのか。そういう自問自答をやめてしまったら、私もあなたもヘス一家のようになってもおかしくない。
映画では昼夜ずーっとごうごう、ごうんごうんと何かの音が鳴り響いているんですが、あれは焼却炉の音なのかな?噂通り、もう音が不穏で不穏で。
お話は淡々と静かに進行するわけですが、裏で起こっている出来事を探ろうと頭がフル回転する映画でした。
イチャイチャインキャラカップル
皆なにをそんなに絶賛してるの?
何人かに勧められたので見ましたが、伝えたいことは分かるけどとにかくつまらなかった
予告以上の情報はそんなにないです。
内容が辛いとかじゃく、つまらすぎて早く終わらないかなーと思ってました。
あまりにも日常すぎて、それなら短編でも良かったのではと思うくらいの内容量。
そもそもアウシュヴィッツ収容所がどんな所で何が行われてたのか良く知らないので、知識不足なだけかも。
銃声も途中までずっと軍の訓練の音だと思って見てまし
た。
隣から聞こえる叫び声も残酷とか怖いってレビューが多いけど、なんて言ってるのか分からないから特に何も感じない。字幕が付いてる叫び声は残酷さが伝わった。
映画マニアの人が「好きな映画」として発表したする用の映画みたい。
怪物だ~れだ?
恐ろしくおぞましい映画
この話しは事実を知っていれば知っている程、恐ろしい筈だ。監督はあえてアウシュビッツの中は映さない。しかし音は聞こえて来る…
これがこの映画の視点だ。現代社会もある意味、ガザの惨状やウクライナの状況をテレビ画面やSNSで遠い所の様に眺めている。監督は正しくこれを言っているのだ。。
この物語の妻は今の幸せな生活を手放したく無い。聴いているが聴こえないふりをしている。もしくは本当に聴こえなくなっているのかも⁉︎(現代人の我々の様に)これがまさしく恐ろしくおぞましい事だと監督は訴えかけているのだ。知っているのに知らないふりをする。聞こえているのに聴こえて無いふりをする。それは淡々と流れる現在の今を失いたくないから…まさにこの映画の妻と二人が話す時に、写し出される河の流れの様に次々と流れていく…
おそろしい…
表現のセンスよ!
ホームドラマ
土曜日にMOVIXで
アカデミー賞の何だかを獲っていて
すこぶる評判がよかったのでリストアップしていた
この手の作品はいつもの映画館で観るのが通例なのだが
公開予定になく油断していたら何と始まっているではないか
MOVIXと利府のイオンシネマで上映されていると
イオンシネマ シルバー料金は魅力だが利府は遠い
ん 今日は1日なので安い日だ
普段はあまり行かないMOVIXとなった次第
アウシュビッツの収容所 ホロコーストの話なのだけれど
直接描かない手法 そういう手もあるんだな
では何を描いているかというと 軍人一家の日常なのだ
オヤジが転勤するとか出世するとか妻は転勤イヤだとか
妻の母親を家に住まわせるとか家政婦がアル中とか
娼婦 庭師 息子の彼女…岸辺のアルバムみたいなホームドラマ
隣地はユダヤ人の収容所
汽車で機械的に運ばれてきて殺されて燃やされる
川遊びをしていると骨が流れてきて
オヤジが子どもたちに上がれ~と言う
風呂で淡々と汚れを落とす
血の付いた靴底を洗い流す作業員
暗視カメラの映像は最初は夢の中の風景か何かだと思った
いまだによく理解できないが
リンゴがどうしたとかいっていたなぁ
何もないところから家を作ってきた妻にしてみれば
日常の音とか景色なのだが ある日家に入った母親は
最初はいいところねぇなんて言っていたのに
その環境の異常さに耐えられない
ブラックコメディでありホラー
最後の嘔吐シーンは何だろう 未来からの復讐か
関心領域というタイトルは秀逸だ
目の前の景色が円形に明るくなっていて
その他はシャドウがかかっているイメージ
明るい部分はホームドラマ 夫の昇進 転勤 不倫 単身赴任
シャドウの部分では常軌を逸した大変なことが進行している
妻役は落下の解剖学のひとだっけ
いやぁすごい作品だった 先週のあぶ刑事との落差ありすぎ
早くレビュー読みたい
ただ観るだけ
すごいタイトルつけたなぁ
映画が始まった途端にこれはちょっと違うぞと思い始めて気持ちが引き締まる。まず英語のタイトルが前面に出た時、そうだ、この映画はそういう映画なんだと意識する。
始まってみると予想に反して、幸せな家族が淡々と描かれていた。事件もない。揉め事もない。でも、みんな聞こえないの?あの音が。あの声が、と言いたくなるのだ。音響の効果も抜群だった。
ヒトラーのユダヤ人虐殺は本当に色々な映画になっている。側近が主役だったり、ユダヤ人を救った人が主役だったり、様々だ。
この映画は、そういう戦争の悲惨さというより、人間の本質みたいなことに焦点を当てていた。隣で何が起きてるか知ってるはずだけれど、なんていうか、本当に普通に気にせず暮らせちゃうんだなぁ。それは彼らが悪いわけじゃない。interestは人によって違うんだ。あの母親は出て行った。彼女のzoneにはあの音が入ってきたんだなぁ。
気が付かないうちに自分にもzoneができていて,見えてないことがあるのかもと思えて、怖い映画だった。
別方向からの収容所
環境に適応してしまうことの罪
可能なら何の予備知識もなく出会いたかった映画です。
おそらく描かれていることの半分も受け取れていないと思います。それでいて、阿鼻叫喚の地獄の隣りで幸せそうに暮らす家族を見せつけられるだけで、人間が持つ業のようなものを嫌というほど見せつけられる作品です。
川から急に逃げるヘスや突然姿を消すヘスの義母、精神崩壊するメイド、さりげなく背景に映る焼却炉とその煙など、はっきりと見せないが確実にある悲劇をこれほど婉曲的に描き続けた作品もないでしょう。
いくつか理解できてないシーンも多いため、またみたいと考えています。
何も起こらないが、何かが起こっている。
映画において、“見せない”手法は、時として絶大な効果を発揮する。
「セブン」の例の箱の中身や、「レザボア・ドッグス」の耳のシーンのように、
“見せない”ことによって、そのおぞましいであろう実態のシーンを、観客の脳内で補完させるような巧みな演出である。
同じくホロコースト映画の「サウルの息子」でも、敢えてピンぼけを活用した独特の撮影手法で、
「ヒトラーのための虐殺会議」も、全編がただの会話劇なのに、その内容は外道の所業に満ちている。
直接的な殺戮シーンは全く出てこないが、独特の撮影や会話劇によって、観客に想起を委ねるような作りになっていた。
そして本作は、環境音に徹底的に重点を置き、“音”が最重要ポイントだということを示す手法を取っている。
恐らく全観客の意表を突いたであろう、開始早々のとある仕掛けがその証明だ。しかも約3分間も。
表現手法において、まだこんな切り口があったのかと唸らされた。
アカデミー賞では、あの「オッペンハイマー」を退けて音響賞を受賞したのも頷ける。
恐らく全観客が映画館の機材トラブルを疑ったであろうオープニング。
ズーンズーンと異音と共に、知らず知らずのうちに、聴覚に集中するよう促す秀逸な導入だ。
空は青く、自然に囲まれた場所、広々とした庭の豪邸に住む、幸せな家族。
すぐ隣には、有刺鉄線で囲まれた建物がある。
ここは、アウシュビッツー
この映画の中には、初見では拾いきれないくらいの、“狂気”が散りばめられている。
有刺鉄線、怒号、悲鳴、銃声、子供がコレクションしていたもの、毛皮のコート、植木に撒かれる灰、軍靴についていた血、煙突の煙、列車、濁った川の水、川の底に落ちていた物。
ルドルフの設計図は何の計画のものなのか、“荷”とは何のことを指しているのか。
リンゴを埋める少女とは。
終始、けたたましく泣く赤ちゃん。
弟を閉じ込めていじめる兄。
使用人を冷遇する母親。
「夫に頼んで灰にして一面に撒き散らしてやろうか」
こんな言葉をさも平然と吐ける事に戦慄する。
全てがヒントになっている。
豪邸と、ユダヤ人収容所。
一枚に隔てられた、狂気と日常の隣り合わせ。
基本的には、何も起こらない映画なのだが、しかし、確実に何かが起こっている。
このコントラストがあまりにも強烈だ。
一方で、あくまでよくあるホームドラマとしても成立しているのが、異常な普遍性を際立たせている。
よく分からなかった、つまらなかったと言っている人も多いが、
確かにホロコーストに関してある程度は予習が必要で、その知識が皆無で本作を観るのはハードルが高いかもしれない。
なので予め別のホロコースト映画を観ておくのをおすすめする。
「シンドラーのリスト」が有名だが、「サウルの息子」などでもいいかもしれない。
不穏な音響で暴かれる己の無関心
通常スクリーンで鑑賞。
原作は未読。
始めから終わりまで不穏で不快で、心にずっしりと重く伸し掛かって来る作品でした。収容所での非道は音のみで直接描写無しだが充分恐ろしく、生活の背景に銃声や悲鳴が聞こえるのにそれがもはや普通だから意に介さぬ一家に戦慄しました。
いちばんえげつないのは所長の妻。ユダヤ人から奪った毛皮のコートを鏡の前でルンルンで試着する姿に嫌悪感。所長の異動が決まっても子供のために今の住環境を手放したくないと言う言動にも顔が歪みました。それだってユダヤ人の死が根底にあるのにこれっぽっちも意識していない。怖かったです。
淡淡と描くことで恐怖を醸成する手法が巧み。しかし、事前情報からの予想を超えなかったのは残念です。とは言え、塀の向こうとこちら側の差を意識させ心をざわつかせる音響は映画館でしか体感出来ないものだと思いました。己の無関心を突きつけられたようであり、しばらく余韻が抜けそうに無いです。
観る前に沢山のレビューを見ておいて良かった! 淡々と、一つ一つのシ...
日常系
アウシュビッツの惨劇を直接的にみせる作品がほとんどのなか、周囲の日常を通して歴史的惨劇を想像させる画期的な作り
特に盛り上がりもなく、ドイツ人家族の日常を淡々と描写していく作りなので、眠たくなる場合あり
しかし、彼ら家族の言動、行動に逐一意味があるので、鑑賞後ジワジワくる作りに
主演のザンドラ・ヒュラー演じる主婦を非難するのは簡単だが、己を省みること必至
このようなアウシュビッツやヒトラーを描いたナチスモノ映画は毎年何本か必ず作られ、日本でも上映される
翻って日本映画に最近みられる戦争の舞台を借りた、あえて語弊を厭わず言うところの戦争ファンタジー(タイムスリップして好きになった人が特◯兵や、永遠の◯ミタイナキモイヤツ)が…ヤメテオキマス‥オワリ!
かなりしんどかった
人類にとって絶対に風化させてはいけない重要な負の遺産をこういう形で残すのはとてもい有意義なことだとは思います
が、当然ながら相当に気分が悪くなるし、二度と観ようとは思わない作品でもありました
アカデミー賞で音響賞を受賞した“音”がキーワードの作品ということで、かなり集中して聴いていましたが、たしかに平和な日常を過ごす家族の生活が淡々と描かれ、そのバックで銃声や悲鳴、焼却炉のゴーゴーいう音とかがひたすら流れてはいるものの、言うほどのインパクトは感じられず、直ぐに気にならなくなって、予想を超えてはきませんでした
しかし・・・これがジョナサン・グレイザー監督の術中にまんまとハマってしまったということに後で気づきました
この異常な状況に慣れてしまうとか、大して何とも思わなくなるところが“あなたも“ナチスとかわらないんだよ”と鉄槌を打たれてるということなんですよね、自分でもとても怖くなりました
「人間って・・・」ということですね
そしてキャスティング、メインキャストの「落下の解剖学」で全く自分と合わなかったザンドラ・ヒュラーさん、やっぱり本作でもダメだった
今回もヒステリックで気難しい役ですが、見た目そのままの印象、ある意味本人的にはしっかり役にハマってて成功しているんでしょうが、見た目も雰囲気も生理的に受け付けられず、それも相まってメチャクチャしんどい105分でした
特に彼女の役の話ですが、恐らくユダヤ人であろう女中の若い女性に「お前を焼いて、灰を家族にかける」とか平然と言うところなど、ホントに嫌な役が完璧に合ってて、心から嫌な人だなあと、ホントに早く終わってほしかったです
あと、意味がわからない、気になった描写がいくつかありました
・ナイトビジョンモードで撮ったような映像のくだり
・画面が真っ赤になるところの意味
賞レースで話題だったから観たけど・・・というところですね
不思議と?
テーマは濃いが内容は超薄い。衝撃、刺激に飽きた方にお薦め
「画期的な映画」と絶賛され数多くの映画賞を受賞した本作品。
戦時下でありながらも、豪邸に住み使用人を数人抱え、湖でピクニック、庭にはプールや家庭菜園を楽しんでいる家族。違和感があるのは壁の向こう。擬音や怒号、叫び声が響き渡っています。しかし、この家族は一切気にしていません。そしてこの家族の冷徹さが垣間見えるのが、ユダヤ人から取り上げた服や宝石の品定めをしては気にいった物を手にして満足しています。主の仕事はユダヤ人を効率よく扱うことで評価されるものでした。使える者は仕事をさせ不必要は処分する冷酷な仕事です。この作品が画期的と評価されるのは、このユダヤ人に対する残虐シーンを出さず、壁一枚を挟み天国と地獄という縮図を表していることです。淡々とこんな能天気な家族の生活を映し出しています。しかし、余りにも薄味過ぎます。ホロコースト劇といえば濃い展開や衝撃的なシーン、映像となるので、目新しさはありますが、余ほどの想像力を働かさなければこの許しがたい残虐を感じ、理解するのは無理があると思います。
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