「自分の関心領域」関心領域 みみみさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の関心領域
自分は直接手を下していないから当事者では無いと思ってしまうが、この映画はそれを否定する。
映画内では収容所の隣に住む家族は、発砲音や人々の悲鳴、怒号をまるでBGMかのように聞き流している。
聞き流しながらも、1番下の男の子が収容所から聞こえてくるセリフを発する辺り、頭の中では流し聞きしていたBGMが記憶されてしまい、教育に問題が生じているとも考えられる。
まるでそれらを当たり前のようにしているのが洗脳の結果であり、1度当たり前を脱したルドルフはその異常さに気づいて吐いたのでは無いのだろうか。
収容所を保存した現代の博物館が映し出され、その後ルドルフと私たちが目が合った時、ルドルフと私たちが壁を越えて繋がってしまった瞬間なのではないだろうか。
ルドルフが私たちを見つめた時、この映画を見ている私達もまた当事者であるということを示唆しているように見える。過去だからと見逃すことは出来ない。
これは子孫に責任を転換しているのではなく、また同じような事象が現れた時のための映画なのではないだろうか。
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