「賞を獲らなければならない作品。」関心領域 大粒 まろんさんの映画レビュー(感想・評価)
賞を獲らなければならない作品。
賞を取ったことに意味のある作品。賞を獲ってなければ、日本公開は無かったんじゃないかと思う。
これは作ったこと自体に意味があって、これを観た審査員が賞を挙げなければならなかった作品でしょう。
演出が際立っていて、抑揚を抑えた中に狂気を含ませる事は、さぞかし大変だったろう。
子供達が弄ぶ歯や、二度とやるなよと呟く次男、馬への愛情を見せるルドルフ、そっと逃げ出す母親、過剰に幸せを演出するイライラした妻、塀の横でキスをする者たち、自由に駆け回る犬。
幾つものホラーに見える日常は、私たちの今を嘲笑ってるようでもあり、戒めてるようでもある。
今でも、世界中で理不尽な思いに泣き叫ぶ人はいて、私たちはそれを尻目に平和を唱え、生活している。では、どーすれば良いのか。
それを各が考えて、自分の幸せだけでは無い、先ずは、関心を寄せて、領域を広げることから始める心がけをして欲しいと。そして、差し伸べられる手があるなら、差し出して欲しいと、この映画は願ってるように感じた。
無関心の中でやる非常な行為は、必ず我が身に降りかかる。心を蝕んでいく。
養老孟司さんのバカの壁をまた、読む事から。発心いまここから。
エンタメとしての映画なら星は付かない、付けれない。
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