劇場公開日 2024年5月24日

「地続き。」関心領域 Noriさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0地続き。

2024年5月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

寝られる

疲労感を抱えたまま鑑賞したのもあり、少し眠ってしまった。

アウシュビッツを支えた職員(所長?)とその家族の日常。我々の日常生活が、日々大きな波もなく過ぎ去り、繰り返されるのと同じく。彼らの日常もまた、明日も明後日も同じように繰り返され積み重なっていく。

与えられた職責を全うし、その仕事ぶりは讃えられ、羨望の的ですらある。その対価たる報酬で支えられている家族や使用人たちの暮らし。
我々の多くも彼と同じく勤め人であり、その組織や社会の求めていること、需要に応じて、日々職務をこなしている訳だけれど。振り返ったときに、実は倫理的、職責的に許されないものとして、後年批判の対象となることもあるのだ。2024年の今年だと小林製薬の赤麹とか、正月の海上保安庁航空機の事故とか。職務をただただ真面目にこなしているだけなのに、批判されうる可能性は誰にでもある。ミスも含めて。

自分が常に正しい道を歩けているとは限らない。そもそも正しさなんて、時や所が変われば基準も変わる。仮に今中国が台湾を飲み込んだとして、我々にできることはあるのか。本当のところなす術もなく時が流れていくだけなのでは、等思うのだ。

ラストは今のアウシュビッツ。今現在の物事の審判は、歴史が下してくれるし、時間のみが全ての人に公平なものとして存在している。そういうことなのか?

Nori