劇場公開日 2024年12月6日

クラブゼロのレビュー・感想・評価

全42件中、1~20件目を表示

3.5地獄への道は善意で舗装されている

2024年12月7日
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鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

ジェシカ・ハウスナー監督の前作「リトル・ジョー」は、女性科学者が開発した幸福感をもたらす香りを放つ植物によって、周囲の人々に奇妙な変化が広がっていく話。今作「クラブゼロ」も、熱心な栄養学の教師ノヴァク(ミア・ワシコウスカ)が説く極端な食事法に、疑うことを知らない純粋な生徒たちがのめり込んでいく。どちらの主人公も人を幸せにする目的のため真摯に取り組む理想家だが、彼女らの善意がかえって人々を悪い状況に導いていく皮肉は、「地獄への道は善意で舗装されている」という欧州の古い格言そのものだ。

ハウスナー監督は同じオーストリア出身のミヒャエル・ハネケ監督に師事し、登場人物らが不条理な状況にじわじわと追い込まれるさまをブラックユーモアも交えつつ冷ややかに観察するように描く作風は、確かに師匠の影響を感じさせる。

一方で、「リトル・ジョー」での香り(嗅覚)や本作でのダイエット(味覚)という題材の選択、特徴的な建築を背景にした巧みな構図と服装などの印象的な色使い(視覚)、前作での雅楽のBGMや本作のマントラのような唱和(聴覚)といった五感の鋭さと繊細さからは、独自の作家性を確立しようとする意志がうかがえる。

ただし前作と比較するなら、非現実的な話を観客が受け入れやすくなるような“フィクション=嘘”の提示が弱いのが難点。「リトル・ジョー」では、脳に影響を及ぼす花粉を放出する新種の花を、視覚効果を用いてリアルに描いていた。だが「クラブゼロ」では、絶食が多幸感や高揚感をもたらすと説かれるものの、実践した生徒たちはまったく痩せないし(若い俳優たちの健康に配慮し、メイクだけで表現した)、スポーツやピアノ演奏などでパフォーマンスが落ちることもない。身体と脳の日常的な活動でもカロリーを消費していることが一般常識な昨今、「食べずに健康を維持できる」という大嘘をもっともらしく見せるようなSF的な設定や超自然的な力の存在を描いていたら、納得感が高まった気がする。

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高森 郁哉

3.5思春期の少年少女の危うさ

2025年1月9日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

舞台が広大で美しい私立学校で、子どもたちの家庭も裕福。
レモンイエローを基調とした色彩設計もポップでスタイリッシュなため全く怖さを感じさせないのだが、テーマはとても恐ろしい映画。
舞台は音楽やバレエ、スポーツなど様々な特技を持った子供が通う名門私立学校。
そこに栄養学を学ばせたいという父母会の要望で選ばれたノヴァク(ミア・ワシコウスカ)が赴任してくる。
ノヴァクは環境や社会のため、自分の健康のためにも「意識的な食事」が必要と解く。
それは食事量を減らす事で体の自浄作用が働くという物で、その思想はだんだんとエスカレートしていき、何も食べない人たちの団体「クラブゼロ」の存在を明かし、自分もその構成員だという。
現代人の飽食による環境破壊なども言説に散りばめ、もっともらしいセッションで子供たちはこの思想にのめり込んでしまう。
なんといってもワシコウスカの容姿と話し方、雰囲気に引き込まれてしまうのだ。
苦しさで離脱しそうになる学生には寄り添い優しい言葉をかける。
何も食べないというのは客観的に見れば異常なのは確かなのだが、思春期の学生たちはその思想に飲み込まれていく。
これがまさにカルトだ。
しかしこの映画で最も恐ろしく描かれるのはこの子供達の家庭だ。
大金を払い、優秀な教師に任せておけば何も問題ないと信じている。
その結果、子供たちが深刻な状態になっている事に気がつかない。
そういう環境にカルトは忍び込んでくるのだ。

ただ、映画の構成として「意識的な食事」にのめり込んでいく子供達の描写が終盤まで続いていくのは少し長いと感じる。
ジャンルとしてはスリラーではあるが、もっとホラー展開やスリラー展開があってもよかったのでは。2時間弱が長く感じる。
また、意図的ではあるがポップな画面設計はスリラー的要素やテーマの怖さを薄めている。
それがいいのか悪いのか。
中途半端な印象が残った。

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kozuka

3.0不気味すぎる…

2025年1月1日
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鑑賞方法:映画館

ポップな色目に、だいぶ誤魔化されているが、
かなり不快な後味の悪い作品だった。

不穏なBGMもこっちの不快感を煽ってくるんだけども、
ミア・ワシコウスカ演じる先生はもちろんだが、
よくもまぁ、こんなにもフンワリとした
ヤバいオーラの生徒を集めたな!のキャスティングに拍手だわ。

とにかく、不快なのよ、観終わって…。
でも、なんだか中毒性がある気がする…。

あと、食べ物はよく噛んで食べようとは、思った。

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hkr21

3.0誰かに認められたいという気持ちは誰にでもある。

2024年12月22日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

知的

観終わってから二、三日経っても頭の中で反芻している。
ハーメルンの笛吹き男みたいな話で、そういう童話的な要素が原因かもしれない。

オーストリア・イギリス・ドイツ・フランス・デンマーク・カタール合作という多国籍な作品だが、北欧の雰囲気がある。

名門校に招かれた新任教師ノヴァク先生が栄養学と称して生徒たちに食事法を教える。
生徒たちはそれぞれ自己肯定感に問題を抱えており、ノヴァク先生はそれらを解決するために熱心に取り組む。
先生のメソッドはかなり過激で、食事を徐々に減らしていき、やがて絶食するというものだった。

世の中にはいろいろな食事法やダイエットがあり、この映画のノヴァク先生のような人も多いことだろう。そして、そんな先生にのめりこむ生徒たち。カリスマに取り込まれていく若者という構図は現実にも珍しくない。
コンプレックスを抱えていると、そこから救い出してくれる人が欲しいし、信じ切ってしまう。それは精神的な弱さを利用されてしまっているのだが、本人は気づかない。そういうものだ。

極端な食事法を批判する内容ではあるが、根本的なテーマは承認欲求だと思う。

生徒たちが先生にのめり込んでいく姿は不気味だが、そういうものは世の中にたくさんある。周りから見ると異常だが本人たちは幸せだ。それならそれでいいじゃないか、というわけにはいかない。

シンプルな構成だけど、つながりは複雑で、簡単に結論が出ない物語はおもしろい。

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あふろざむらい

3.5この映画は不快とイライラで出来てる

2024年12月20日
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観て不快だったしイライラしたけど
この映画はそうさせる為の作品なんだと
思う

栄養学から始まりなんの理屈もない精神論と世界の終末論に帰結するイカれたカルト思想に洗脳された子供達の末路とは…

そんなモノに騙される子供達と子供の事を何も見てない親達にイライラ

子供が己のゲロ喰う所はテリファーなんか目じゃないくらいのグロさと不快感
こんなもん18禁だろ!!思わず目を背けたわ!
ちょっとコア向けの特殊なAVですら
そうそう己のゲロ喰ったりしないぞ!

地球環境がどうとか抜かす癖に
食わない物を必要な人に分けるでもなく棄てる身勝手さや
カルトや陰謀論者にありがちな
内に内に籠もって凝縮されるおかしな思想に終始イライラしてた

オチはもう少し絶望的でも良かったと思う

まぁ希望なんて微塵もないけどな!

結局は終末思想を掲げるカルトの暴走でしかないからな

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龍神

3.565~70点ぐらい。不思議なスリラー

2024年12月19日
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鑑賞方法:映画館

公開日初日から観たかったんだけど、やっと観れた。

“意識的な食事”を説く栄養学教師と彼女に心酔する生徒たちを描いたスリラー、って事で、

栄養学でスリラー?と、かなり半信半疑だったけど、最後まで観たらスリラーとして成立してた(笑)

評価が割れてるみたいだけど、僕は好きですよ。

和楽器で奏でられたような、すっとんきょうな音楽も味だと思う。

不思議な感じがするスリラーですね、不思議ちゃん(笑)

A24っぽい作品だと思った。

最後は…って事ですよね?

もう1回観たい♪

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RAIN DOG

2.0メシ喰うな!

2024年12月17日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

妙にお洒落でテンポの悪い寓話。
支配と服従を語る上で、ノヴァクの威を借る思春期連中の描写はわかりやすく丁度良いのだが、いかんせん映画としての驚きに欠ける。
ハイセンス画角にこだわり過ぎて狂気が無い様に思えた。

信仰や依存は、今までの自分を捨てて何者かになれたかの様な高揚感を生む。人間は多幸感の前では余りにも無力。
俺の存在を頭から否定してくれ!

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や

5.0良薬?口に苦し

2024年12月17日
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鑑賞方法:映画館

怖い

周囲の無理解への怒り、
批判されると反発してさらに信じ込み、
最後は憐みの優しい眼差しになる、
という洗脳の過程が完璧に辿られます。

また、インテリアや服装など統一された配色、
旋律の希薄な単調なリズムだけの原始的な音楽など、
人間らしさの一部でもある雑然とした感じやムダを排除しつつ、
皮肉な視点の画面構成、グロい食事風景、
もう気持ち悪さ、不快感がすごかったです。

とはいえ、ここまで徹底した描写は、表現の境界を攻められる映画ならではで、
メンタル、生理的にネガティブな揺さぶりをかけられるのも
偶には貴重な鑑賞体験なのかもしれません。

過剰な正しさの追求の弊害、宗教的な幸福とは何か、
人間の生物としての存在意義、とか
いろいろと社会批判的なメッセージを考察したくなる暗示が
単なるブラックホラーに留まらず、映画を魅力的な印象深いものにしていると感じました。

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HK

2.0何か不完全な中途半端な作品

2024年12月15日
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BGMもコミカル調で観てて緊張感やカルトなシリアス感も物足りなさも

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ゆたぼー

4.5「オートファジー」

2024年12月15日
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鑑賞方法:映画館

知的

今年289本目。

新宿武蔵野館で。オートファジーの作品。空腹だと細胞が活性化する。2016年に大隅良典さんがノーベル生理学、医学賞を受賞した分野。本でよく16時間のプチ断食を推奨していますが普通の人には無理、10時間位ならブラックコーヒーだけで試した事があります。エンドロールどう撮っているんだろう、☆0.5プラスになりました。

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ヨッシー

3.0ディナーの前には観ないように

2024年12月15日
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本当にこんな先生が居たら、高校からなら洗脳されるだろうな。若いカップルはディナーの前には観ないのが無難。

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hanataro2

3.0ポップコーンは持ち込まない方が…

2024年12月15日
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鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

意識的な食事を指導し生徒達を心酔させて行く栄養学の教師を演じるミア・ワシコウスカ
シュールさ満開なハマり過ぎの表情と演技に意識が集中!

個人的には正直ヤマなしオチなし意味無しの
やっちまった系ジャンルか…な印象でしたし
一週間近く経ってもあの不気味な「むぅ〜むむぅ〜む🎶」が頭から離れないのでございます
ゲ◯シーンは不快感がマックスに押し寄せるわぁだし💧

子供達の不審な変化にすぐに気付かず
心も身体も健康でいられない子供達を育ててしまった親達も胸糞だし

ただ裕福な家庭の子供達の住む家は全てがキチンと整いカラフルな色彩の家具や何だかよく分からないけど😆興味をそそる手の込んだ食事…
肌にフィットする鮮色やパステルカラーのミアの装いや生徒達の制服のオシャレ偏差値は抜群にいい!男子のハイソックスがめちゃキュート!

途中退場されていた方もいらっしゃいましたが
奇妙な感情ががひと回りして蘇ってくる様な
クセ強で異色なスリラーでございました
…ただこんな作品の後でもしっかりお腹は空いてデッカいドーナツを美味しく頬張りました!

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ねもちゃん

1.0今年のワースト

2024年12月13日
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いやあ、酷かった。訴えたい中身も、表現の意図も、リアリティも何もない映画。2024年のワースト映画。

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shohei1484

3.0悪くないけど、そんなでも無かった 予告が一番ドキドキしたかな 期待...

2024年12月13日
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悪くないけど、そんなでも無かった

予告が一番ドキドキしたかな

期待しすぎたか

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jung

3.5BRAINWASHER‼️

2024年12月13日
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鑑賞方法:映画館

キモキモグログロ🤮キモキモゲロゲロ🤮🤮🤮
(初めて観るタイプのグロに目を背けるほかなかった……)
映画鑑賞直後の印象は、★3.4。

自分もEXTREMEな食生活に走った経験があるから気持ちはわかる。でも今の学生たちはあたしの頃と比べて情報過多というかフェイクも含まれる過剰情報の世の中で何が正しく、何が誤りで 、また何が自分に合うのか合わないのかを判別するのが難しくなってると思うから生きるのが大変だと思う。

結局この映画があれこれ考える触媒となってるからただの気持ち悪いスリラーではない問題提起作だったんだなー、と考え改め、★3.8に。

『食べ方の異常』を大人たちがアレコレ言うけど、ベンのお母さんが外出する時は黄色を身にまとう『謎のこだわり』とか先生と生徒が一緒にいるところをみたという事実が一人歩きして『風評被害の温床』となっていたり、世の中にはよくわからないけど何かおかしいが溢れてるのに自分に都合の悪いことには蓋をする。

表向きはconsious eatingの必要性を謳ったヤバいクラブの話。
でもよくよく考えると、クラブの内部と取り巻く外部環境は一般的な政治/社会の縮図のようなものに思える。
いずれにせよ気持ち悪っ😅

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らまんば

3.0分かるけどねえ

2024年12月12日
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鑑賞方法:映画館

ストーリーはわかるんだけどねえ、といった感じ。
初期設定で生徒の皆さん痩せてるし、先生はがりがりじゃないし。
絶食って、リアルにきついしぼっとするしで、そこは表現してもらわないとね。
それでも、これ日本のホラーでとったらすごく面白くなったんだろうなあとか思った。

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khapphom

4.5後味の悪さが堪らない魅力

2024年12月11日
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鑑賞方法:映画館

持続可能な社会を目指し、健康的な生活をするためにも、食生活を変えなければいけないというのはある意味で事実。しかし、それも突き詰めすぎれば、健康的な生活を阻害するし、生きていくことの喜びもおかしな方向に行ってしまう。

寮で暮らす子供たちに、「意識的に食べる」ことを推奨し、やがて「食べないこと」にエスカレートさせ、社会や家族から引きはがし、現代社会や親こそが間違っていると刷り込むことで、生徒から信者に変えていきます。

この物語に明確な解決はありません。正しいことと正しくないことのグラデーションの中で生きていく人間にとって、どこで立ち止まるべきか判断することはなかなか難しい。
本作でノヴァク先生が主張する内容を嘲笑することも可能でしょう。しかし、その態度がまた地球や子供たちの将来をより悲惨なことに繋げかねないわけで、我々は決して目をそらしてはいけない作品の一つだと思います。

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よして

3.5ハネケより意思は明快

2024年12月11日
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ノヴァク先生は、
生徒たちを巧妙に統率し、
洗脳的な手法でその心を操る。

ハムハム

彼女の「教育」とは、単なる指導に留まらず、
心理的な操作を含んだ支配的な側面を持っている。

ハウスナー監督は、
映像によって観客の視覚と感情を巧みに操作し、
その心を徐々に統率していく。

圧倒的に多用されるズームアップ、ズームバック、
今までのハウスナー作品で,
多用されていたドリーアップ、バックのカメラワークは、
本作では数カットのみである。

その技術的な選択に強い意図を感じさせる。

ハムハム

登場人物たちの心情を神のように俯瞰し、
また悪魔的に一瞬でヨリ、ヒキ、
切り替えることで、観客を不安定な状態に追いやる。

ズームによるヨリ、ヒキの使い方は、
特に大きなスクリーンで観ると映像がチープに感じられる。

スクリーンが大きければ大きいほど、
ズームアップ、ズームバックはその効果が過度に目立つ、
映画では多用されない理由のひとつだ。
(アルトマンは逆手に取る、効果的に使う事に長けている。
マネをする監督、カメラマンもたまにお見掛けするが・・・)

しかし、ハウスナーはあえてその手法を選んだ。

この選択は、ハネケやオストルンドとは違い、
観客を不安にさせ、
感情的に揺さぶることだけを狙っているのではなく、

その映像的意図を明確に伝えようとしているように思える。

ハムハム

また、本作における色彩の使い方は、
特に前作『リトル・ジョー』から一層明確に表れている。

学校や家庭の壁、床に至るまで、
さらには登場人物の衣装にも一貫した配色が施されており、
その色調は単なる視覚的な装飾にとどまらない。

ウェス・アンダーソン作品に見られるような、
色彩の単なる遊び心とは異なり、

ここではそれぞれの色が物語や登場人物の心情、
さらには社会的なメッセージを強調するために用いられている。

一方で、音楽もまたこの映画の重要な要素だ。

奇抜な弦楽器の音や、不意に鳴り響く打楽器の音が、
物語の進行に合わせて奇妙に響く。

その音の使い方には、
まるで観客の神経を逆撫でするかのような不穏さと、
変な心地よさが漂い、
観客はそのリズムに引き寄せられていく。

ハムハム

音楽と映像、色彩が一体となり、
子供たちがエクストリームな異物に引き込まれていく様子が描かれる。

これこそが、
ハウスナー監督なりの観客に現実を突きつける方法なんだろう。

映画全体を通して、統制と調整が繰り返し行われ、
その中で登場人物たちと観客自身が少しずつ「洗脳」されていく。

しかし、それが単なる精神的な支配を意味するだけではなく、
むしろ現代社会のさまざまな問題に対する洞察を提示している。

最後の晩餐のようなラストカット、
静止画のような動画では、

そのすべてが集約され、
観客は自らが「ゼロだったクラブ」のメンバーに入信する、

あるいは、
拒否する、
または、
家族が入るとどうなるんだろう・・・

そこから何を思い、
どう感じるかは、観客一人ひとりの問題として残されるのだ。

ハムハムハム

『クラブゼロ』は、ただのサスペンス映画ではない。

それは、視覚的、音響的、そして色彩的に観客を巧みに誘導し、
心理的に揺さぶりをかけることで、
現代社会の深層(or浅層)に迫る作品となっている。

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蛇足軒妖瀬布

2.5モヤモヤ映画

2024年12月11日
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コンセプトは分かるし、洗脳怖いなーって感じるんだが、そこに説得力ない。食べる欲求がもっとあった方が良いし、禁を破って仲間からの仕打ち、侮辱、諦め等のキャラクターいないのはおかしいし。みんないい子に直ぐに洗脳されすぎ。
撮り方も前半はズームアウト、インを多用して面白かったがけっこう何回も出てきて飽きてしまう。
ファーストカットのグルっと回るカメラは期待を持たせた感じ。
ラストカットもエンディングの長回しも最後の晩餐的な感じなのか?
もう少し面白く出来たのではないかって惜しい作品。

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るい

3.0風味はA24

2024年12月10日
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色々説明してるのだけど眠くなる、眠くなる。私がこの講義に参加しても洗脳される前に寝落ちして、あっという間に落ちこぼれになる自信があります。皆んな消えて事件?!落ちこぼれたおかげ助かる自分😅
優秀なのにリッチな家庭なのになんで?この人がってカルトにハマってハメられてい様がよくわかりました。

全体的に薄味、スパイスがなかったなぁー

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Oyster Boy