劇場公開日 2024年5月31日

「高畑淳子の息子にももう一度くらいチャンスがあっても?駄目かな」お終活 再春!人生ラプソディ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5高畑淳子の息子にももう一度くらいチャンスがあっても?駄目かな

2024年6月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

2024年映画館鑑賞51作品目
6月15日(土)イオンシネマ北上
dポイント−300円→1500円

監督と脚本は『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』の香月秀之

ためになるほのぼの終活ヒューマンコメディーの続編
千賀子のシャンソン歌手挑戦に加えシャンソン講師の英恵とフランス帰りの父との40年ぶりの再会と和解を絡めてくる

主婦をやりながらも娘を育てながらもシャンソンくらい歌えそうなものだがまあいいだろう
あんただって役者やりながら2人の子供を育てだろう
離婚したし息子はあれだけど

敬一が監督を務める草野球チームの代理監督を任され大いに張り切る真一
試合後の野球場で幼い頃の自分に野球を熱心に教える父の面影を見た真一
それはそれでいい話だが珍プレーの数々を表現するにあたってポヨーン系の擬音が多すぎてくどかった

冒頭で某紳士服販売店に本人役で三浦友和が登場したが使い方があまりにも下手くそだった
説明が多くかえってそれが興醒め
あの場面はちょっと出て高畑淳子が「ん?」程度のリアクションだけで充分
北野武監督ならあんなことは絶対にしない
お笑い芸人出身とそうではない人の違いか
山田洋次監督ならどうだろうか
わからない

アデランスの社長もなぜか本人役で登場
この作品でもウィッグとしてアデランスの商品が活用されている

松下由樹の謎の貫禄と訴求力と説得力
こんな大人になりたかったがなれそうもない
日本の国会議員には与野党共にこういう人材がいないのが残念でならない

窪塚洋介の弟の役作りが素晴らしい
いい味を出していた
僕はああいう芝居好きだな

タクシードライバーの勝俣州和が忘れ物を届けるシーンでタクシーが停めている場所に戻るところで屏風に当たってしまうのだがそれがいかにもわざとらしい
さすが欽ちゃんファミリー
小さくともしっかり爪痕を残そうという心意気は見上げたものだがどう贔屓目に見てもややウケだった

兄の一周忌で実家の熊本に戻る大原夫婦
真一の実家は熊本で眼鏡屋を営んでいる
老いた未亡人が2人の相手をする
ついでに熊本城を眺める大原夫婦
出張鑑定のコーナーで土地の1番の売りが城の場合に鑑定士が冒頭でよくやる光景
熊本城はこの作品の数多い見どころの一つ

五島が娘を連れてカオリのスナックを訪れて注文したのはなんと度数70%のキツイお酒アブサン
プロ野球選手景浦安武を主人公とする水島新司原作の漫画『あぶさん』の由来にもなった酒で見事なまでに南海カラーの緑
アブサンという酒の存在はだいぶ前から知ってはいたが色までは知らなかった

クライマックスが歌の場合は歌い手の歌唱力がある程度は求められる
その点でいうと高畑淳子は本業俳優で歌手のイメージはあまりないがその割になかなかうまい
オリジナル歌詞の『愛の讃歌』を披露

エンドロールはSAM振付の誰でもできる体操
グループ2人の女性とこんなことを始めたことを知った時はその迷走ぶりに可笑しかったがその経緯を知ると印象がガラッと変わった
「バカバカバカわしのバカ」
自分もまだまだ若いな青いな浅いなと反省した

それにしても『ウマ娘』と『お終活』
映画館で両方鑑賞した人は稀かもしれない
自分でも多趣味な男だと呆れてしまう

この作品には直接関係無いがセクシーなコーディネートじゃなくてもなぜか色っぽい橋本マナミは山形県出身
NHKのバラエティーだったと思うが同じく山形出身の若手男性俳優に対し自分の地元は山形市の中心部だから私の方が上だと言い張る姿はさすがに醜かった

配役
若い頃に諦めたシャンソン歌手としてステージで歌う事を夢見る金婚式を迎えた専業主婦の大原千賀子に高畑淳子
千賀子の夫で定年退職後しばらく経ち暇を持て余し認知症気味の大原真一の橋爪功
キッチンカーから介護施設の栄養士に転職した大原亜矢に剛力彩芽
亜矢の恋人で葬儀会社で働く菅野涼太に水野勝
涼太の職場の上司の桃井梓に松下由樹
涼太の父で職場の同僚と再婚することになった菅野敬一に西村まさ彦
真一の職場時代からの旧友で営業トークで活用した様々な偉人の格言を今でも披露したがる山田一夫に石橋蓮司
千賀子のコーラス仲間の咲江に藤吉久美子
千賀子のコーラス仲間の信子に増子倭文江
父の介護をしていたが本人の希望で介護施設に移り住んでもらったことを千賀子に話したのちにコーラスに誘われる理佳子にLiLiCo
認知症具合の調査業務を行うために真一の自宅を訪れた高橋に窪塚俊介
タクシードライバーの佐伯に勝俣州和
千賀子咲江信子に室内墓地の説明をする係員の美沙に橋本マナミ
真一や一夫が行きつけのスナックのママのカオリに藤原紀香
真一がデイサービスで知り合う関西弁で喋る90歳の木村に大村崑
シャンソンの講師をしていた母を2年前に亡くし母の遺志を継いだイベントプロデューサーの丸山英恵に凰稀かなめ
フランスから40年ぶりに帰国し介護施設に住み始めた画家でじつは英恵が幼い頃に別れた父の五島英樹に長塚京三

野川新栄
めぐさんのコメント
2024年7月3日

感性が若いのですね。私もウマ娘見ましたが私30代ですもん
あとぼっちざロック、九十歳何がめでたい、ルックバックも見ました。

めぐ