「何もかもが優しい映画」お終活 再春!人生ラプソディ プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
何もかもが優しい映画
................................................................................
功と淳子夫妻の娘・彩芽が結婚することになる。
その縁で淳子は「再春」を知る。再・青春という意味。
老後は若い頃の夢にリトライするいい機会である。
淳子は昔諦めた、シャンソン歌手になる夢を思い出す。
当時通った音楽教室を久々に訪れてみたところ、
恩師は死んでたが、その娘・かなめが教室を継いでた。
かなめの助力により、舞台に立つ方向で話が進む。
かなめの行き別れた父がパリから日本に帰って来てた。
おせっかいな淳子が仲を取り持って、2人は会うことに。
かなめは母を捨てた怒りを本音でぶつけ、和解できた。
功はかつて野球少年だった。娘婿の父が草野球監督で、
その厚意で一試合だけ指揮を取らせてもらう。
試合が進むごとに没頭し、少年の心に戻れて幸せだった。
そして紆余曲折ありつつ、淳子のシャンソンの舞台の日。
自作の歌詞での「愛の讃歌」を披露する。
夢がかなって大満足の淳子のもとに100本のバラが届く。
若き日、淳子が舞台に立てばそれを贈ると功は約束した。
淳子の懸命さに打たれ、その口約束を遂行したのだった。
................................................................................
見に来てた8割以上は老人だった。そらそうよなw
両親も高齢やし、普段から老人との関わりも多いので、
こういった作品は大体見に行くようにしてる。
行って良かった。いやー、ホントいい映画やったな。
夢や目標に一歩踏み出す勇気は人生に最も必要なこと。
踏み出せる人が好きやし、心から応援したくなる。
功と淳子はさすがベテラン俳優。いい夫婦やったわ。
功がいつも一言多いから淳子はモヤモヤしまくってるが、
掛け合いがどうにもコミカルで、何か憎めない。
歌い終わった時の淳子、野球の熱戦に勝利した時の功、
どちらもホンマに嬉しそうで、最高の笑顔やったな。
老後は余命を細々と過ごす時間ではない。
全力で楽しむための時間にしなくちゃな。
自分にもいずれ来るその時間が楽しみになって来た。
あと懐かしい面々を久々に見られたのも良かったな。
大村崑さんが、物忘れに必死で抗おうとする役柄で登場。
これがまたコミカルで最高。崑さん、92歳現役!
長塚京三さんも久しぶりに見たなあ。
当然かなり老けてたが、何かすっごいダンディな感じ。
単身パリに渡って成功した画家って役柄が似合ってた。
そういえば彩芽も久々に見たなあ。
飾らず自然体な感じは相変わらずで、この人らしいな。
人生に前向きで、何もかもが優しい映画やった。
エンディングで俳優陣やスタッフが躍る感じもいい。
人生っていいなあ、って改めて思わせてくれる作品。
いや~、映画って本当にいいもんですね~w