「【”世界に一つの、愛の讃歌”今作は、生きて居るなら誰もが迎える死をテーマにしながらも、前半はコミカルに、後半は幾つになっても夢みる事の大切さを描く、心に沁みるシーン溢れる作品なのである。】」お終活 再春!人生ラプソディ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”世界に一つの、愛の讃歌”今作は、生きて居るなら誰もが迎える死をテーマにしながらも、前半はコミカルに、後半は幾つになっても夢みる事の大切さを描く、心に沁みるシーン溢れる作品なのである。】
ー 今作は、2021年公開の「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」のマサカの(スイマセン。)第二弾である。ー
◆感想
・序盤は、大原家の娘、亜矢(剛力彩芽)とボーイフレンドの涼太(水野勝)のお見合いの準備シーンから始まるのだが、洋服の青山のイメージキャラクターである三浦友和さんが颯爽と登場する中、若き二人と、亜矢の両親であり前作に続きW主演の高畑淳子さん演じる大原千賀子さんと、橋爪功さん演じる真一が、ばったり試着室で遭遇するシーンから始まる。
・そして、今作は製作スポンサーである一柳装具總本店がバッチリアピールしている。今作内でも千賀子がシャンソンを習っている英恵(鳳稀かなめ:鑑賞中、”この綺麗で品がある方は誰だ?瀧内公美さんに似ているが・・、ボケたか・・。”と気になって仕方がなかったが、宝塚のトップスターでした。)が苦労して、スポンサー獲得に回るシーンがあるが、作品テーマと合っているのだから、ドンドン、アピールすれば良いと思う。
・今作でも、橋爪功さん演じる真一と悪友(石橋蓮司)が、大原家及び行きつけのバー”カオリ”のママ(藤原紀香)の前で、バンバンNGワードを連発する。
1.”酒と女は二合(二号)まで。ガハハ。”
2.”おい、飯どうすんだ!”千賀子がシャンソンを習うと言った時に真一の口から出た台詞。
3.妻の美味しい食事への来客の褒め言葉に、真一の”そうか~?” で、娘に”お父さん、それいい加減に止めたら?”と注意されるが、意に介さない。
4.真一が妻の名は呼ばずに、”オイ、新聞‼”などと、矢鱈にオイオイと指示する姿。
ホント、昭和の高度経済成長期を担って来たお父さんは、口が悪いのである。
だが、真一のこの憎たらしい台詞の数々が、再後半、逆に効いてくるのである。
■今作で、涙腺が緩んだシーン。
1.千賀子にシャンソンを教えている英恵が、亡き母と若い時に離婚した、亜矢が働く介護施設に入居したパリから戻って来た画家の父(長塚京三)と、千賀子の計らいで出会い、二人でバー”カオリ”で、ナント度数70%の通称”緑の悪魔”と呼ばれるアブサンで亡くなった妻であり母を偲んで献杯するシーン。(アブサンはホント、飲み過ぎ危険なのです・・。酒に強いと思っている私が、過去にやらかした数々の出来事。シミジミ涙・・。)
案の定、英恵は酔っ払い”オイ、親父!パリで画家として成功した時に何で帰って来なかったんだよ!お母さんは、ずっと待っていたんだぞ!”と涙を流して言うのである。
その前のシーンで英恵が、母の部屋に飾ってあった夫人の肖像画の裏から出て来た英恵が幼い時の両親に囲まれた幸せそうな家族写真と、父がパリで画家として認められた古い新聞記事が入った封筒を見つける姿を見ているので、父が”私は、妻に食わせて貰っていたし・・。”と交わす40年振りの父娘の会話が、沁みたのである。
2.このシーンは、多くの方が涙したと思われるが、千賀子が念願叶って聴衆の前で”愛の讃歌”を独唱するシーンである。高畑淳子さんが、見事に歌い上げる姿と歌い終わって万雷の拍手を贈られるシーンは矢張り涙腺が緩んだのである。
更に、真一が二人で”青春の約束”をした100本の真紅の薔薇の花束を用意し、渡されるシーンも、前半、真一の千賀子に対する憎たらしい言葉を散々観て来たので、女性の方は憤慨されるかもしれないが、私は沁みたのである。
男って勝手な生き物なのであるが、あれが真一の精一杯の妻への感謝なのであろう。
<今作は、生きて居るなら誰もが迎える死という重いテーマを描きながらも、前半はコミカルに、後半は心に沁みるシーン溢れる、且つ年老いた両親を持つ男には沁みた作品なのである。>
体調気をつけて下さい!
ちなみに私も先日会社の健康診断で引っかかり、近いうちに検査を受けなければならない事象が2つ…少々ビビってますw
ペルノも飲みやすくて美味しいですよね。
そういえばペルノリカール社ののアブサンは最近見てないな…。