首のレビュー・感想・評価
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戦国時代
武士の誉れ、武士の道理など、天下をとるためには、人を殺し、人を使い捨てる時代。
たけしさんのインタビュー記事で、「生死の問題はそれだけでものスゴいことだから、飾り立てない。」、「“死”をドラマにしたり、劇場型にしない」と語っていた。この記事を読んで、見てみたくなった。そして、言葉通り、映画の中には、死がそこら辺に、呆気なくある。
今の日本の倫理観からすらと、えげつない、目をつむりたくなる状況だけど、生死がもっと身近な状況だとああも呆気なく殺すのだろうか。
なんか儚い。なにやってんだろうって気になる。
で、見終わってから、空が青くて、なんか気持ちも晴れる。
”「出世」のための「首」である”
農民(難波 茂助:中村 獅童)が、成り上がることを夢見て「首」を手に入れようとするなかで、織田 信長・明智 光秀・羽柴 秀吉による天下を巡る動乱に巻き込まれていく。
茂助は、最後に最も価値のある「首」をその手に収めるが、夢は儚く散ってしまう。
皆が皆、自分がより良い「地位」につくことしか考えていない。
”信長”が”荒木村重”の「首」を求め。
”光秀”が”信長”の「首」を求め。
”秀吉”が”光秀”の「首」を求める。
”階級”の低い農民から”階級”の高い武将まで、全ての人間が「首」を求めて争い合う。
最初から最後まで求めていた「首」を、ラストで羽柴秀吉(北野 武)が放り出してしまうところが面白いのだ。
「地位」を手に入れたいがための「首」である。
本当は「首」なんてどうだっていい。光秀が死んだことが分かればよいのだ。と
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羽柴秀吉と羽柴秀長(大森南朋)、黒田官兵衛(浅野忠信)の会話シーンが非常に良かった。ズッコケ3人組のような、どこか抜けている3人に好感がわく。そんな3人が最終的に天下を取ることになるのだと思うと面白い。
北野武はやはり天才でいい人です
原作、脚本、編集、監督 、主演
北野武
武さん、もういい歳なのに大変だったろうね
自業自得の分も含め、障害が山積みだったのに見事です
日本人なら誰もが知っている本能寺の変を題材にしているので、人間関係がややこしくてもなんとかついていける
予備知識の無い外人には難しいだろうけど、
”座頭市”ほど海外を視野にいれた作品では無い(と思うけど、カンヌに持っていったかぁ)
30年来の構想をやっと実現したという方が大きいと思う
改めて天才未だ衰えずというか、編集までやってこの出来は凄いとしか言えない
円熟味さえ感じました
とはいえ、なれない作業のせいかな
伝令のフリして大将クビを狙う
信頼しあっているようで裏切る
などの同じパターンが複数回でてきたり
戦には女性は連れて行けないから、男色が常だったのも知識としてある
織田信長の小姓の森蘭丸とかね
だから、他の武将もそうだっただろうけど、イカつい遠藤憲一が人気なのはおかしかったけど、テクニシャンの設定かな
とりあえず、女性がほとんどいない
まともな出演が柴田理恵だけ
そんな男色も武の秀吉だけが歳とり過ぎてるかカヤの外なのも仕方ないとはいえ違和感がある
結局、主演は北野武の羽柴秀吉なんだから
もうちょっと早く作れればね
明智光秀役の西島秀俊が新鮮だった
”きのう何食べた”でみせるあの愛くるしい笑顔が場違いなようで、ある意味怖い
火縄銃の練習で簡単に人を殺しながら、あの笑顔ですよ
震えます
みんな狂っていたあの時代、今なら平和に同棲愛をしていただろあ人達が、眉ひとつ動かさず人を殺す
意味で見た事のない光秀でした
なんでも、渡辺謙にオファーしたところ、残酷なだけで面白く無いという理由で断られたそうな
彼の光秀ならだいだい予想のつく演技しか出来なかったろう
当の本人、”クリエイター”なんて、つまらん映画に出演してましたね
ざまぁない
いい役を貰ったのは清水宗治の荒川良々
ビートたけしとして、最後ちょっとだけ荒川良々らしい笑いをはさみました
”あさイチ”火曜日の顔、副島淳も美味しいとこを持っていきましたね
おばさん方、真っ青でしょう
縁深い、ホーキング青山を出してあげたり北野武はいい男です
まともなやつ皆無、全員クレイジー
歴史で必ず習うであろう、誰もが聞いたことがある本能寺の変。
その4、5年前に起こった、荒木村重という信長配下の武将の謀反から幕開け、
明智光秀が本能寺の変を起こし、羽柴秀吉の中国大返し、山崎の合戦までを
北野武独特のシナリオで描かれた本作品。
一応、一般的な史実に沿った展開はされているし、最大の謎である、
光秀の謀反の理由や真相はそうだったのか、とよく練られた話になっていて、
かなり面白い。
しかしまあ、戦国時代の武将たちをよくもここまで「ひどく」描いたものだ笑
どいつもこいつも己の欲ばかりで狂っている。。。
織田信長(加瀬亮)は、今まで見た信長史上、最低・最悪・最恐でした。
おまけに唯一方言(尾張訛り?)でまくしたてるし笑
豊臣秀吉(北野武)は、弟秀長(大森南朋)、軍師官兵衛(浅野忠信)に頼りまくりの
強欲、でもなぜだか勘がよい、切れ者。
体形があってないし、活舌の悪いしゃべり、声があっていない。
徳川家康(小林薫)は、まさにタヌキ。めっちゃ温厚そうだが、何を考えているのか。
影武者が次々殺されても平然と。このころだと、まだ若いのになぁ。。
明智光秀(西島秀俊)は、くそまじめ、でも実はモテモテ。
信長の所業に耐えた裏では、最悪の憂さ晴らしを・・・。
荒木村重(遠藤憲一)は、あまり知られていないかと思うけど、
謀反を起こし、籠城。説得にきた黒田官兵衛を投獄、監禁。
落城後逃亡、家族が皆殺し後も実はひっそり茶人として生き延びたといわれている武将。
この人の謀反をトリガーに、このようにいろいろな人物関係を絡め合わせ、展開するとは。
他にも、千利休、服部半蔵、滝川一益、丹羽長秀、斎藤利三などそうそうたる顔ぶれ。
合戦シーンはスケールが大きく、リアリティある、すごい作品でした。
特に、備中高松城の水攻めはすごかった。
近頃の大河ドラマでは合戦シーンもさほど描かれず、クリーンなだけに、
これだけ首が飛びまくり、血が飛び散ると、受け入れられない人もいるかもな。
ただ、当時ならオッサンズラブも無くは無いか、と思うけど、
個人的にはあまり見たくない。
あと、タケシのギャグが全然笑えず、邪魔でした笑
史実では「信長の首」も「光秀の首」も見つかっていない!
日本で一番有名な時代の出来事ですね。
小説でも大河ドラマでも、何度も扱われています。
でも史実として「信長の首」も「光秀の首」も見つかっていないのです。だから光秀が家康の参謀・天海になったなんて話も出てくる訳です。
北野武監督はどう考えたのか?というのが、この映画です。
映画を見た人は「それもアリかな」と思うでしょう。私もそれで良いんじゃね?と思いました。130分の長い映画ですが退屈せず、長さを感じませんでした。要所要所の映像も綺麗でした。名作だと思います。
登場人物のキャラクターも明確でした。
・信長・・・・・狂気。
・秀吉・・・・・北野武ではなく、ビートたけしのキャラそのままでした。家康の草履を懐に入れさせるあたり、まさにコントでしたね。
・家康・・・・・タヌキおやじキャラ。影武者を何人も使うことで現わしていました。
また秀吉には黒田官兵衛と言う参謀がいた。家康には本田忠勝という参謀がいた。でも信長には優秀な参謀はいなかった。・・・
信長があのキャラでは、優秀な人材は信長より別の人を選ぶでしょう。
現在にも生きる「歴史の教訓」ですね。
生首情痴戦国絵巻
キャスティング(采配)が映画版たけし軍団の相関勢力図に見える妙。
監督は明智光秀役の西島秀俊がものすごく嫌いなのか若しくはものすごく好きに見えた。当初、明智役は渡辺謙にオファーしたが、断られたとのこと。ハリウッド俳優にこの役はキツイねぇ。たけし君にマウント取られたくないよね。荒木村重というミステリアスな武将に対する想像を膨らませた作品。エンケンに演らせるなんてエグッ。監督という親方様は秀吉役をやりながら、加瀬亮に親方様役をやらせて、二重人格的情痴支配を企てているように映った。
加瀬亮、遠藤憲一(エンケン)、木村祐一、荒川良々はこの作品での見せ場が多くお得だった。
エンケンと西島秀俊のラブシーン、いやだよ~ やめて~ 内野聖陽との「きのう何食べた」も見てないも~ん。
しかし、渡辺謙と遠藤憲一が絡むのを想像すると、エンケンのプレッシャーは想像するに余りある。洒落にならない気がする。
一方、中村獅童、西島秀俊、浅野忠信らは損した感じ。寛一郎は微妙で、親子三代俳優のサラブレッドを人質に取ったような図式。
10年前だったら、加瀬亮と中村獅童の役は逆たったと思うのである。
小林薫の家康役はおかしかった。ナイスキャスティング。大森南朋も弟役ながらつねにコミカルで共犯的スタンス。どうする家康でも出てたし。
もしかして、たけし説本当かも。
というより、たけし君はハリウッド俳優の首を取りにいったのかも。
浅野忠信は黒田官兵衛役だからあんまり問題ない。
日本刀で首をスパッと落とすのは無理なんだけどね。盗賊と化した農民の竹槍の威力の描き方にもたけし監督のアウトロー的、義賊的な顔が出ていてスカッとした。
北野武は今村昌平を越えた?
柴田理恵💞
人の命はとても軽いことを描いた時代劇大作です。変に現代風でないのはいいのですが一般受けは悪そう。
物語の舞台は本能寺の変が発生するまでの数年間(1578年の荒木村重の謀反~1582年の本能寺の変)です。
歴史資料によると戦国時代は現代と価値観が全く違っています。
自らの繁栄のために他者から略奪することは正義。
奪ってナンボ、殺してナンボ、他者への思いやりなんて糞くらえ、だったとか。
最近の作品では現代風の価値観にとらわれがちですが本作では無視してます。
(人の命の価値は低いです。男女間の愛情とか女性の権利とか出てきません。逆に衆道が出ます。全体通してグロいです)
時代劇を作るのにはお金がかかり、大規模な屋外ロケがあると更にかかるとか。
本作の制作にもお金がかかっていそうですが、ペイできるんでしょうか?
グロいですし、今風の価値観ではないですし、主人公が魅力でないですし、動員期待できる若手俳優もいないようですし・・
時代劇ファンと北野監督ファン以外の動員はあまり見込めないのでは・・
エンドロールの出演者に英語表記が併記されていました。
海外向けを予定しているのでしょうが、ヒットすればいいですね。
バイオレンス・ラブ、略してBL
予告のせいでハードルが上がりすぎてしまい、残念ながら期待以上とはならなかったけど、北野武というよりもビートたけしらしさ満載で、終始ニヤニヤしてしまうほど楽しい作品でした。バイオレンス映画というか、コメディだな、これ。アウトレイジ〜本能寺の変バージョン〜として見たらイマイチだけど、ビートたけしによる時代劇コメディとして見たら最高に面白い。どちらにせよ、予告は罪だな、、、。
アウトレイジが大好きな自分にとっては、色々と物足りない部分はある。意外にもバイオレンス描写は控えめだし、笑いを意識しすぎてシリアスさはあまり無い。もっとどっしりと重くて、心がぐちゃぐちゃになるような映画を想像してしまっていた。もっともっとグロくて良かった。構想30年というのはどうやら全くもっての嘘らしく、本人が言うには30年前にほぼ出来上がっていた脚本を、今作った。実際は大体1週間位だと。かなりの制作費を掛けたKADOKAWAが、過剰な予告を作りあげた。いくら儲けようとしたって、嘘をでっちあげるなんてしたら信用失うぜ。何やってんだ、馬鹿野郎!
しかしながら、俳優の生き生きとした表情は健在。
北野武映画は役者の良さを最大限引き出されており、他では見れない心底楽しそうな様子が伺える。ベストアクターは間違いなく加瀬亮。これまでのキャラからは想像つかない、悪魔のような信長。マジで怖すぎる。周防正行映画の時とは180度違うのに、めちゃくちゃハマっている。描かれてこなかったサイコパス信長を作り上げたたけしも凄いけど、こんなクズを演じれる加瀬亮もヤバい。絶対に好きになれないキャラ。いや、一周まわって大好き。『皆殺しに決まっとるだろぉ!!!』。『石原、野球やろうか』に次ぐ名台詞。予告で散々みたのに、このシーンが作中で一番好きです。
絶対にアドリブだろ!と思うシーンはいくつかあって、もれなく全部笑えてしまう。「アウトレイジ 最終章」に引き続き、ビートたけしの右腕を担った大森南朋。培われた相棒のような関係性。2人の会話は安心して見ることが出来ます。「きのう何食べた?〜戦国時代編〜」を勝手にやっている西島秀俊には、可哀想だけど笑っちゃう。イケメンは中々大変だな...と他人事。エンケンが結構キツイんだよな笑 中村獅童と津田寛治のエピソードが個人的にはお気に入りで、本筋では無い話もちゃんと丁寧に描く細さに、世界のたけしと呼ばれるだけあるなと納得。本能寺の変というよりも、戦国時代の本当の姿って感じだもんね。めちゃくちゃ面白い。
予告からの振り幅でこの点数になってしまったけど、恐らくもう1回見たら評価爆上がりすると思う。レビューを書いていてまた見たくなってきたし、見ている最中はアドレナリンが出まくってとんでもなく楽しかったから、本作は唯一無二で最高の時代劇であることは間違いない。万人受けするとは思えないけど、映画好き、北野武映画好きには是非とも見て頂きたい代物。ビートたけしの芸人魂が遺憾無く発揮された、スケールのデカすぎるコメディ映画。「翔んで埼玉」といい勝負してますぞ。
中身は可もなく不可もなく、でもこのスペクタクル史劇が今作られ、それを劇場で観ることに価値があると思います
これまで星の数ほど映画やドラマ、舞台になってきた”本能寺の変”、ストーリーや顛末は既知のことで新しさは無いだろうな、という予想通り、そのままの作品、目新しさは何も無く、可もなく不可もなく、というのが総じての感想です
良かったのは、この重厚感溢れる映像・演出でおくる、ダイナミックスケールの本格時代劇が今でも誕生し劇場で観られること
今年初めに公開された「レジェンド&バタフライ」と同じ後味で、とても大満足でした
元来 北野武 監督作品はそのバイオレンス描写が好きになれず、初期作以外は全く見てきませんでしたが、今回 好きな時代劇ということで観たところ、なかなか楽しめました
えげつないバイオレンス描写は多いですが、この時代 人の命は現代よりも軽く、本作の様に簡単に人を斬り殺し、首もはねられたので、民衆も人が殺されるところや生首を見るのも珍しい事では無かっただろうし、自分達もトラブルに巻き込まれる事が多かったのではないかという現代世間一般の認識なので、ヤクザ映画のバイオレンスとは全く違う次元で受け止める事ができ、全く苦にならず観ることができました
役者陣も重鎮達が揃い、とても豪華な中、
私のBest actorは曽呂利新左衛門を演じる木村 祐一さん、貫禄があってとてもカッコ良かったです
逆にWorst actorは織田信長を演じた加瀬亮さん、私にとっては完全に度を超して下品すぎる うるさい演技で不快で仕方なかったですね、そういう意味では”いい演技”していたという事になるんでしょうか
そして羽柴秀吉を演じた たけし監督、なかなか武将姿が似合ってました
そして羽柴秀長を演じた大森南朋さん、黒田官兵衛を演じた浅野忠信さん、この3人が終始シリアスな展開中に真面目におバカでコメディちっくな掛け合いをするのがツボにハマり楽しく観れました
なかなかの風格を備えたグローバルマーケットに出しても恥ずかしくない、本格時代劇作品だと思います
首とは?
内容は想像の通り。首に対しての盛大なフリが最後に回収される映画なんですね。首にこだわり出世を目指すのも切腹後首を大事に飛び込むもの。首が無ければ武士の面目がたたないもの。
それが最後の一言で回収されるんですね。まんじゅうのシーンはアウトレイジ1作目を思い出しましたね。
よくよく考えると、西島秀俊が一番狂っているのかも
誰もが知っている戦国武将をヤクザに置き換えた発想がやや陳腐かなと思ったのが鑑賞後の第一印象でしたが、家に帰って吟味してみると、北野監督の戦略はなかなか練られていることに気が付きました。
この映画、とにかくまともな人間は一人も登場しません。その中で西島秀俊演じる明智光秀は、西島がこれまでさまざまなTVドラマや映画で演じてきた善人キャラとも相まって、一見理知的で思いやりのある人間に見えますが、それこそが北野監督の罠です。よくよく思い返すと甲賀の村を殲滅したシーンなど映画に登場する残虐行為の多くは明智軍の仕業です。さらに光秀自身、信長から受けた理不尽な仕打ちのストレス解消に、平気で人を切り殺したり撃ち殺したりしています。また、偽情報を流して家康を陥れることに何の躊躇もありません。さらに、あれだけ愛し合っていたはずの荒木村重も、天下取りを目前にすると平気で始末する冷酷さを見せます。逆に光秀の”愛”を信じた信長は、そのために滅びていくことになります。
映画評では信長を演じた加瀬亮の狂気を孕んだ演技に注目が集まっているようですが、常識人の皮を被った狂人である西島演じる光秀の方が数倍不気味な人間なのではないでしょうか。
物足りない
タイトルなし(ネタバレ)
信長殺害の黒幕は秀吉説に則ったストーリー。
解説通りの様々な職種の野心と謀略と思惑が行き交う。
時代背景から首を掻くところや落武者狩りなどの乱取りの描写がグロテスクといえばグロテスク。
おびだたしい出血はなんだか黒澤風。
キャストの年齢感が合っているのかどうかがどうかがずっと気になった。
信長と家康に比して秀吉が歳を食い過ぎている。
加瀬信長があんなに若いのにキャスティング的に失敗だったと思う。
芸人の演技が下手、特に木村祐一
ところどころで出てくる現代的な衆道の愛情表現
現代的な会話のようなバカヤローコノヤロー的な笑いの伴うセリフ
この3点で自分は何を見ているんだろうか?と思わされる。
なんだったらメイキング?とも。
はちゃめちゃにしたくとも史実的は決まっている手前、そこまでおかしくもできないので何か煮え切らないものを見た感じだった。
たけしの首vsアナログは個人的にはアナログに軍配が上がった。
「さすが」って言わせてと求めてしまう
役者たけしの滑舌と加瀬亮のだだくさなガナリが
聞き取りづらい(悪いとは違う)のはさておき、
西島秀俊がちょっと煮え切らない感じで、
エンケンとのあいだにある
もっとねっとりしたものが垣間見えれば、
もっと行動原理に共感できたのか。
ともかく全編衆道が大きな動機のわりには
誰も彼もエロスが足りない。
色気を出してくれそうな浅野忠信は
相変わらず一歩引いたズルい役どころ。
ほか寺島進やツダカン、六平直政など、北野組大集合。
たけしは大森南朋が好きなのか。
サリーはもはや妖怪。
ともあれ汚いおっさんたちが居並ぶのは最高のひと言で、
なかでもエンケンが西島秀俊をねぶるシーンは
オレは何を観せられてんだ感にシビれた。
同じ東宝の『ゴジラ-1.0』は、
吉岡秀隆とかでなく、もうちょっと目のイった滝藤賢一を
汚して出すなど見倣って欲しかった。
白眉は中村獅童。
頭の悪い役どころをカッチリ演じ、いちばん観入った。
『怪物の木こり』にも出るとのことで愉しみだ。
桐谷健太もよかった。
『ビヨンド』みたいに新井浩文にも傍にいて欲しかった。
2時間11分とのことだが、体感的には2時間半越え。
だからといってつまらないわけではないのだけど、
終盤に至るまで気持ちの置きどころが定まらず、
「あ、獅童でよかったのか。
というかこれたけしが天下取るまでやられたらヤバいな」
と思った矢先にストンと終わってひと安心。
なんというかエピソードの積み重ねの裏というか奥や
それを敢えて外してサプライズさせる部分を
歴史知識にある程度委ねているため、
表層的なシーンの羅列になっているのが
いまひとつ「最高!」と叫べない原因なのかもしれない。
淡々とした死の積み重ねの果てに
見えるはずの寂寥感が見えてこないのだ。
まあ首が飛び交い、血飛沫の舞う娯楽作品に何言ってんだ
という感じだが、
殿にはどうしても「さすが」って言わせてくれと求めてしまうんですよ。
あとホーキング青山の白塗りはよかった!
最高と物足りなさ
グロバイオレンス。いやぁたのしかった。
時代劇の常識を覆しながら、バイオレンスしている。
ただ物足りなさがあった。
秀吉パートのコメディ感がちょっと引っ張りすぎか。
キレ味があることを期待していたので、ちょっと蛇足さがあった。
ただトータル、エンタメ感がありながらの時代劇。
たけしっぽさとエンタメさがつまった作品。
・戦国の実態
残酷でなんでもあり。茂助(中村獅童)が襲われたときに敵の首をとったと、兄貴分的な農民が言ったところを、グサッと刺す。襲われたら凄惨になることを見せてくれる。
秀吉の中国大返しもたいへんさが伝わる。歩き続けるのはしんどいよね。秀吉は吐き続けている。
・影武者ネタ
家康の影武者ネタ好きだなぁ。1人死んだら次だと、どんどん入れ替わる。4、5人目くらいまで影武者出てくるけど、まったく似てなくなる…。
・信長
尾張言葉でなに言っているかギリギリなところ。ちょっと頭おかしいくらいぶっ飛んでる。はじめは怖さあったけど、テンションが同じだから、途中から怖さ半減。
本能寺で能を見ながら、全員殺して自分も死ねばスッキリするというのはこれが本音なのか。目に涙を浮かべている。このあたりもっと早めに出してもよかったかもしれない。
・男色
信長と森蘭丸、弥助。はげしく絡み合う場面が見れたのは、本作ならではか。
光秀と荒木村重は、どちらもイケメンでもよかった?エンケンだとおじさんすぎて…。もっと惚れている感じがあってもよかったけど、そこまで伝わらなかった。
そして信長は光秀に感情があったのではないか?という展開はおもしろい。愛憎というのはいい。
・暴力シーン
信長が荒木村重へ刀を刺したまんじゅうを食べさせる。グリグリねぐりこんで、村重の口のなかが血だらけになる。トラウマ描写出ましたね。
・人種感覚
弥助が虐げられていてちょっと馬鹿にされている。そして信長に止めを刺すのは、弥助。弥助が黄色人種として信長を差別的に見ていたことがわかる。首をもっていった弥助。
・切腹シーン
清水宗治(荒木良々)が切腹する。かなり長い。それを突っ込む。まだやってるの?
・キム兄
カッコよかった。新左衛門という役。信長を撃ったといわれる息子。なにが得意か?というと、噺家。おもしろい噺をするというのもいい。サバイバル力があるのもいい。影の主人公。
利休のもとの大竹まことと、差し違いも見せずに、相打ち。
まあR15ということで暴力的なシーンやグロいシーンがある反面よくそ...
最後に救われる
ネタバレしている人もいて、ラストが残念という口コミも読んでから見に行ったけど、私にとってはラスト、終わり方がよかった。あれがなかったら、見てよかったと思わなかったかも知れない。秀吉のお伽衆が出てくるが、落語の始まりと言われるように、この映画も落語のようで、ずぶの素人が落語を演じて、途中聞くに耐えないような下手であったとしても、下げを言うことで、観客は必ずすっきりし、「なるほどね」と溜飲するのと同じ構造になっている。
それにしても、あんなに汚れるとは、よほど皆で取り合ったということなんだろうか。
加瀬亮が好きで織田信長をやるというので、映画館まで見に行ったが、特別に感心するというレベルまでは行かないものの、逆に全然好きじゃない中村獅童の農民の得体の知れなさが良かった。得体の知れない男なのに、結局思った通りの結果になってしまうのが残念で、うんと出世したなら、もっと良かったろうに。
なお、くすぐろうとする箇所があるけど、特にキム兄の小噺は本当に何を言っているのかすらわからなかった。フランス人はいったい何を笑うのだろうか?
(๑>◡<๑) 首チョンパ全開
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