「”「出世」のための「首」である”」首 szmushiさんの映画レビュー(感想・評価)
”「出世」のための「首」である”
農民(難波 茂助:中村 獅童)が、成り上がることを夢見て「首」を手に入れようとするなかで、織田 信長・明智 光秀・羽柴 秀吉による天下を巡る動乱に巻き込まれていく。
茂助は、最後に最も価値のある「首」をその手に収めるが、夢は儚く散ってしまう。
皆が皆、自分がより良い「地位」につくことしか考えていない。
”信長”が”荒木村重”の「首」を求め。
”光秀”が”信長”の「首」を求め。
”秀吉”が”光秀”の「首」を求める。
”階級”の低い農民から”階級”の高い武将まで、全ての人間が「首」を求めて争い合う。
最初から最後まで求めていた「首」を、ラストで羽柴秀吉(北野 武)が放り出してしまうところが面白いのだ。
「地位」を手に入れたいがための「首」である。
本当は「首」なんてどうだっていい。光秀が死んだことが分かればよいのだ。と
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羽柴秀吉と羽柴秀長(大森南朋)、黒田官兵衛(浅野忠信)の会話シーンが非常に良かった。ズッコケ3人組のような、どこか抜けている3人に好感がわく。そんな3人が最終的に天下を取ることになるのだと思うと面白い。