「最高と物足りなさ」首 Yuhideさんの映画レビュー(感想・評価)
最高と物足りなさ
グロバイオレンス。いやぁたのしかった。
時代劇の常識を覆しながら、バイオレンスしている。
ただ物足りなさがあった。
秀吉パートのコメディ感がちょっと引っ張りすぎか。
キレ味があることを期待していたので、ちょっと蛇足さがあった。
ただトータル、エンタメ感がありながらの時代劇。
たけしっぽさとエンタメさがつまった作品。
・戦国の実態
残酷でなんでもあり。茂助(中村獅童)が襲われたときに敵の首をとったと、兄貴分的な農民が言ったところを、グサッと刺す。襲われたら凄惨になることを見せてくれる。
秀吉の中国大返しもたいへんさが伝わる。歩き続けるのはしんどいよね。秀吉は吐き続けている。
・影武者ネタ
家康の影武者ネタ好きだなぁ。1人死んだら次だと、どんどん入れ替わる。4、5人目くらいまで影武者出てくるけど、まったく似てなくなる…。
・信長
尾張言葉でなに言っているかギリギリなところ。ちょっと頭おかしいくらいぶっ飛んでる。はじめは怖さあったけど、テンションが同じだから、途中から怖さ半減。
本能寺で能を見ながら、全員殺して自分も死ねばスッキリするというのはこれが本音なのか。目に涙を浮かべている。このあたりもっと早めに出してもよかったかもしれない。
・男色
信長と森蘭丸、弥助。はげしく絡み合う場面が見れたのは、本作ならではか。
光秀と荒木村重は、どちらもイケメンでもよかった?エンケンだとおじさんすぎて…。もっと惚れている感じがあってもよかったけど、そこまで伝わらなかった。
そして信長は光秀に感情があったのではないか?という展開はおもしろい。愛憎というのはいい。
・暴力シーン
信長が荒木村重へ刀を刺したまんじゅうを食べさせる。グリグリねぐりこんで、村重の口のなかが血だらけになる。トラウマ描写出ましたね。
・人種感覚
弥助が虐げられていてちょっと馬鹿にされている。そして信長に止めを刺すのは、弥助。弥助が黄色人種として信長を差別的に見ていたことがわかる。首をもっていった弥助。
・切腹シーン
清水宗治(荒木良々)が切腹する。かなり長い。それを突っ込む。まだやってるの?
・キム兄
カッコよかった。新左衛門という役。信長を撃ったといわれる息子。なにが得意か?というと、噺家。おもしろい噺をするというのもいい。サバイバル力があるのもいい。影の主人公。
利休のもとの大竹まことと、差し違いも見せずに、相打ち。