こいびとのみつけかたのレビュー・感想・評価
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浮世床
最初はちょっと変わった二人のラブコメかと思って、楽しく見ていたのだが…。
どんな理由があろうと脚立で人を殴ってはあかんし、新聞記事を暗唱しながら歩くのはかなり不気味。夫と園子の家に付いていくのも理解に苦しむ行動だし、それでもさらに葉っぱトラップを仕掛けるのも鉄面皮すぎる。総じて共感しづらい主人公だ。
よくわからないことも多い。喧嘩の絶えなかった両親はどこに行ったのか?強風で飛ばされるようなテント生活を一体いつから続けていたのか?
床屋に集まってわいわいやっている連中は落語の「浮世床」みたいだが、あまりに微温的だ。主人公はまだ不安定な精神状態を脱したわけではないはずで、あのようなラストでいいのかどうか。落ちはついていないような気がする。
芋生悠ファンはご注意下さい
変わり者同士はかえってくっつきやすいかも知れませんね。
若いしね。
普通の大人は木の葉が並んでいても辿っていったりしない。紙幣が並んでいたら気が付いて拾いながら辿ってゆくでしょうけど。
オイラは気が付いたら新宿シネマカリテの階段を降りていました。
お札だと思ったら木の葉に変わってしまい、
タヌキに騙される童話を思い出しました。トワはブルーシートと段ボールで作った小屋に一人で住んでいる。タヌキの子かも。嵐が来て小屋は吹き飛ばされてしまう。三匹の子ブタか?
上尾園子(芋生悠)も工場の廃屋をアトリエ兼住まい(寝床)にして、ひとりで住んでいる。ミステリアス過ぎる。せめてセコム付きのアパートに住んで欲しい。
園子はヒロマルチェーンというコンビニでバイトをしている。近くに井口市民農園の看板があるので、井の頭公園がある東京の三鷹がロケ地。閑静な住宅地。植木屋さんにハーブティーを出すマダムが住む立派なおうち。トワは園子と結婚して庭付きのおうちで暮らす夢を見る。もちろんオイラも夢心地。園子は小学生の時からモデルをしていて、背が伸びなかったからファッションモデルをあきらめたと仲間のくちのわるい子が言ってた。トワにお昼の弁当を公園に届けに来た園子。ごはんだけ?変わってるけど、オイラは全然平気です。あんな若くてきれいな子たちと合コンして、川瀬陽太もカップルになってダブルデート。オジサンにも夢を見させてくれる懐がとても深い映画だけど、床屋に集まるオジサンたちはかなりキモい。ちょっと勘弁だわ。
トワと園子が手をつないで走るシーンとかはとても幸せ。
ソワレの時の逃亡シーンのつらさとは真逆。
芋生悠の歌最高!
ひらいてでのカラオケルームのシーンも至福だった。
それが・・・
えーっ。
既婚者?
しかも、浮気の意識も希薄でフラフラした役ばっかりやってる成田凌(🙏)の妻。
死産の経験アリ。
とてもじゃないが受け入れられません。
ショック!
天国から地獄へまっ逆さま
まともじゃないのはキミも一緒の監督と脚本家の再タッグ作品。
この映画ヘン。まともじゃない。
なんだかタヌキに化かされた感じ。
でも、そこがこの映画の味なんで仕方ないですな。
『これはメロドラマである』
冒頭のプロットでスクリーンに映されるインタータイトルである
とはいえ、所謂テレビの昼帯で流されるメロドラマ(最近は放映していないが)のドロドロの人間関係系ではない
自分は、『まともじゃないのは君も一緒』を観賞していないのだが、この作品のファンの方々はその雰囲気を期待して観賞するらしい
確かに独特の匂いが映像に醸し出されている作品である そしてその雰囲気に初めましての自分とすればどうしても先天性の疾患の匂いを嗅いでしまうのだけれど、どうもそういうテーマではなく、制作陣の世界観に則ったある種のファンタジーを描くという視点なのだろうと思い直したのである 世界線が微妙に異なる宇宙に於いて、こういう社会が成り立っているというメタバースをベースに、その愛情を忘れない温かい社会で、問題があっても信頼している周りの人達とのコミュニケーションを大事に人生を過ごすというプロットなのだろう
口の悪い人だって、実際はきちんと労っているし、そこには裏切りも嫌悪もない
こんな世界があるなら、真っ先にスクリーンの中に飛び込みたい、そんな衝動に駆られる作品であり、こういう描き方も嫌いではない、幸福感に包まれる作品である
疑問が残る
前半は「天才の技を見た」という感じで面白いの。よくこんなキャラクター設定とストーリーと台詞を思いつくなっていう。
そのまま押し切ったら「すげえ映画だな」で終わったと思ったんだけど、誕生パーティーの歌のプレゼントあたりで「少し二人にズレが出た?」ってなって、展開もそれに合わせるわけじゃないけど現実におりてくるんだよね。
それで一悶着あって、最後は男女の友情があってもいいじゃないみたいになるの。
男女が仲良くなったら恋愛関係にならなきゃいけないとか、肉体関係もたなきゃいけないとかおかしくて、そこから自由でいいじゃないかって感じなの。
それはそうなんだが。
この作品全体を通じて、この二人の関係が許されているのは、二人が肉体関係をもってないからなんだよね。
だから、自由な二人で許されてる。
でも、自由な人間が、男女で、仲良くなったとき、セックスするのとしないのと、どっちが自然なの?っていうと、セックスする方が自然で自由だと思うんだけど。
そこを忌避する制作側が、ぜんぜん自由じゃないんじゃないの?という疑問が残りました。
ここの甘さに関連すると思うんだけど、成田凌の家に行ったシーンと昼飯食いながら芋生悠の友達がキレるシーンがヌルいんだよね。その辺にいる普通の人達の反応になってる。「ここは描ききれんかったかあ」と思いながら観たの。演出を役者に投げたんじゃないかっていうぐらい。
でも全体通じて技のキレはすごいし、何かを描きたかったんだという想いは伝わってくるし、良い映画だと思ったよ。
白米弁当、改めカレー曜日
風変わりなふたりのかわいらしい話だと思っていたので、後半は反動もあってか乗りきれず…
そもそも世界が杜和に優しすぎる。
他者に自分を縛る権利はないというのは分かるが、聞きたくない話を聞かされ続ける相手の自由はないのか。
脇坂が一度キッパリ言うが、杜和は反発し、逆に殺意すら抱く。
そこから無断欠勤を経て、謝罪の描写もなく脇坂側が受け入れてしまうのはどうなのか。
園子も、結局は自分のために杜和を弄んだにすぎない。
旦那が待っていたからには連絡してたのだろうが、急に帰る気になった理由も分からず。
その後は“いいお友達”で、旦那も(第一印象があれなのに)受け入れてくれる。
友人の証言から、杜和に合わせてたわけでもなく変わり者のハズだが、旦那とは会話が成立するのだろうか。
まさかの『くだらない世界』『おかえりただいま』2曲のフルコーラスもにこやかに清聴。
主役ふたりは天然記念物かというレベルで保護されていました。
設定上観客がふたりを理解できてはいけない反面、置いてけぼり過ぎても成り立たない。
ここに僅かながら公約数を残した塩梅は上手かった。
倉悠貴の長台詞も凄まじかった。
変に悲劇だ秘密だ入れ込まずに、前半の雰囲気で通してくれたらまだ良かったのに。
まさかの住環境でしたが、風呂はどうしてたんだろう…
Oblate
「まともじゃないのは君も一緒」の世界観がたまらなく大好きで、その監督・脚本家が再びタッグを組んで新作を作るなんて言われたらそりゃ観に行かなきゃなって感じで鑑賞。
序盤からあれ?って感じで進んでいき、確かに感じた違和感が本物になった瞬間から全てキツかったです。自分が苦手なものが盛りに盛り込まれており、全体的に痛い話に仕上がっていました。
まず主人公の杜和が受け入れられませんでした。予告をあまり見てなかったので、世間に馴染めないってのは思ったように言葉が発せないとか考えがうまく伝えられないといった人見知りレベルかと思っていたんですが、その逆で思ったことはバンバン口に出すし、自分の思想はバンバン人に押し付けるし、妄想癖が酷いってレベルじゃないし、常に被害者面してふんぞり返っていたのでずっとイライラさせられました。
劇中では明言されていませんでしたが、杜和は発達障害持ちで思った事をパッと口に出すくらいには我慢ができないというのは納得いくんですが、ブルーシート小屋で生活しているとか園子の小屋の窓を割っての不法侵入と普通に犯罪をしているところはもうそういうラインを超えてしまっているのでなぁなぁで済ませてはいけないだろうと思いました。
園子もかなーり問題があって、杜和を受け入れれるほどちょっと変という感じならまだしも友人達(こちらサイドも口は悪い)に対して攻撃性はかなりありますし、何より旦那を置いて1人物置小屋で生活し、杜和とはそういう関係ではないと言いつつも、側から見れば不倫同然ですから何も言い逃れはできないなと思いました。
もちろん死産という辛い経験で悲しんでる姿を旦那に見せたくなくて少し離れた場所にいたというのはまだ理解できるんですが、その要素が物語に必要かと聞かれると全く必要無いと思います。
それを見守る人たちも基本的には笑ってニコニコしているだけなので、たまに喝を入れる人も出てくるけれど、それに対しては反抗して杜和は自分の非を認めようとしませんし、なんなら妄想の中で殺したり、実際に殺すかもしれないといった狂気的な考えに移行しているのに、周りはなぜか認めなくちゃいけない、杜和の自由を阻害してはいけないみたいな雰囲気になっているのがもうありえないよと思いました。
歌のパートも無駄に長いし、伝えたいメッセージも非常に自己中な内容だし、それが伝わらない奴は全て悪みたいなのが非常に腹が立ちました。
芋生さんはまだしも、倉さんの歌が絶望的に下手すぎて…。もちろん不慣れ&歌が上手ではないんだと思いますし、数ヶ月でどうにかなるもんではないので致し方ないにしても5分近く聞かされるとほんと頭がおかしくなります。抑揚の付け方だったらビブラートだったりを気持ち悪いタイミングで盛り込んでくるのでその度に鳥肌が立ちました。
こういう歌が下手な人の事も下手と言ってはいけない風潮みたいなもんでもあるんですかね。全員笑って拍手してたのはもうファンタジーですし、誰か1人くらい茶々入れてもよかったのにそれも無し。下手なもんは下手です。
キャラクターに個性が無いのも致命的で、全体的に主人公2人以外は少し色が付いたくらいの印象でしかなく、しかもそれは2人を肯定するための要員としてしか役立っていないのもなんだかなぁってなりました。
全体的なロケ地の変化の無さも気になって、予算がないならそれなりに作品を練ったものに仕上げれたんじゃないかと思いましたがそうではなく優しい世界の構築に全部持っていったのかと勿体無いなと思いました。
序盤から怪しい雰囲気を感じ、どこかで挽回があると思いきやズルズル悪い方向へ…。今年観た中でもかなり下の方に位置付けてしまいました。監督の息抜きになればという考えはとても良いなと思いましたが、この後もう一本見ようと考えてたのにそれを断念するくらいには頭が疲れたので息抜きはできませんでした。
鑑賞日 10/28
鑑賞時間 18:40〜20:25
座席 C-1
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