「「さよならの向こう側」の歌声が胸に染み入る。」花腐し はるさんの映画レビュー(感想・評価)
「さよならの向こう側」の歌声が胸に染み入る。
原作は読んでいない。芥川賞を受賞した小説がベースになった映画だとも知らずに観た。
なぜと聞かれたら、暇だったとしか言いようがない。しかも3日間かけて分割鑑賞と言う、ズボラを絵に描いたような映画の見方。今風の時短鑑賞に抗っているわけでもない。ただ、だらだらとトドのようにして映画は観たくないだけだ。
ポルノ映画監督の話である。そして女優の話でもある。愛なしで男と女が生きて行けるか
?そんな青春まっただ中の設問に答えを出そうとしているかのような映画である。題名に拘るかのように現在進行形の映像は雨降りでモノトーン。回想映像はカラー。絶望と希望を反映しているかのような構成が野暮すぎるが哀れポサが滲み出て今落ち込んでいる人にとってはドンピシャの映画であろう。闇の底に墜ちていくのは辛い。しかし、人生は良いことばかりで埋め尽くされているのが普通ではない。足掻くよりは今がどん底、この映画で曰く腐る状態であればもっともっと悪臭を放つほどに腐り、底であればさらに掘ればいいのだ。何事も行き着かねば自分にとって何がベストなのかベターなのかは理解できない。
人生はいずれにしたって完結などしないものなのだから・・・・殆どが死に際で後悔するものだと思い知るわけで、さよならの向こう側を超えの限りに歌い込むのがいい。
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