劇場公開日 2023年11月10日

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「モノクロに褪せるほど祥子がいない今」花腐し 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0モノクロに褪せるほど祥子がいない今

2024年5月8日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

知的

2024年5月4日(土)初鑑賞
U-NEXTで鑑賞

監督と脚本は『この国の空』『火口のふたり』の荒井晴彦
脚本は他に『さよなら歌舞伎町』『なん・なんだ』『レッドブリッジ ビギニング』『甲州街道から愛を込めて』『週末の探偵』の中野太

ポルノ映画

粗筋
浜辺で女優の桐岡祥子とピンク映画監督の桑山篤の水死体が発見された
ピンク映画監督の栩谷修一にとって祥子は同棲相手で桑山は仕事仲間であり友人だった
栩谷は滞納している家賃をちゃらにしてもらう代わりに取り壊し予定のアパートにたった1人住みついている男に立ち退かせようと伊関貴久に会いに行った
伊関にとって祥子は初めての女で祥子にとって伊関は初めての女だった

フォーラム系の映画館でポスターを見た時に綾野と柄本と背後の女の三角関係なんだろうな
さとうほなみという女性俳優がバンバン裸になるんだろうな
なんか見透かしてしまった感じで映画館では鑑賞しなかった
137分も気になった
90分前後の内容だろうと

冒頭からしばらくモノクロが続く
モノクロ映画かなと思ったら20分くらい経つとやっとカラーになるがそれも一瞬だけでまたモノクロになる
その後たびたびカラーになる
後半はカラーの方がが多い印象
現在がモノクロで過去がカラー

モノクロで再登場は蛇足かな

なぜか吉岡睦雄演じる桑山の遺影を見たら吹き出してしまった
特におかしい写真ではないのに不謹慎だね

日本の平凡な男性に朗報
さとうほなみが惜しみなく裸になる
一方でMINAMOとNiaは現代だからモノクロ
なぜヌードはモノクロになるとアートに昇華するのか
わからない

この作品でふと疑問に思ったことがある
ピンク映画とポルノ映画に違いがあるのか
なぜポルノ映画じゃなくてこの作品ではピンク映画なのか
日本映画ではポルノ映画とピンク映画に明確な違いがある
ポルノ映画は日活のような大手制作会社が制作した成人映画でありピンク映画はそれ以外の制作会社が制作した成人映画らしい
後者には新東宝も属するようだ
それにしても日本ではなぜピンクといえば卑猥なイメージが植え付けられているのだろうか
シャア専用ザクからエッチだなあと感じることはないけど
わからない

こういう内容では映画館で鑑賞するのはしんどい
たった1人で鑑賞するのならまだいいがなかなかそうはいかない
近くに野郎が座っているのも嫌だし女なら尚更嫌だ
そういうこともあってストリップ劇場にも行ったことがない

配役
ピンク映画の監督に栩谷修一に綾野剛
売れない脚本家の伊関貴久に柄本佑
女優の桐岡祥子にさとうほなみ
ピンク映画の監督の桑山篤に吉岡睦雄
ピンク映画の寺本龍彦に川瀬陽太
祥子の父に下元史朗
祥子の母に阿部朋子
中国人留学生のリンリンにMINAMO
韓国人留学生のハン・ユジョンにNia
ビルのオーナーの金昌勇にマキタスポーツ
大久保にある韓国スナックのママに山崎ハコ
ピンク映画制作会社社長の小倉多喜子に赤座美代子
ピンク映画のベテラン脚本家の沢井誠二に奥田瑛二

野川新栄