劇場公開日 2023年11月10日

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「「火口のふたり」とは比較にならないほどに進化した荒井晴彦監督の最新作!」花腐し 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「火口のふたり」とは比較にならないほどに進化した荒井晴彦監督の最新作!

2023年11月16日
PCから投稿

「火口のふたり」という「R18+映画」が2019年に公開され、映画業界の一部で話題となりました。
私は正直なところ「火口のふたり」の良さを理解できず、という感じでした。
その「火口のふたり」で脚本と監督を務めた荒井晴彦監督が前作の柄本佑に加えて、綾野剛を主演に迎えるというスケール感が増した本作。
そして原作は2000年に芥川賞を受賞した「花腐し」で、それに“ピンク映画へのレクイエム”という大胆なスパイスを配合し作られたのです。
ヒロインはバンド「ゲスの極み乙女」のメンバーの「さとうほなみ」で、このところ映画業界での活躍が目覚ましい旬な人選です。
しかも、宣伝サイドもいつになく力が入っていたので、見てみました。
いわゆる「ピンク映画」というのはいろんな種類があるのでしょうが、私の評価軸は「映画としてキチンと成立しているのかどうか」です。
その意味では本作は十分に「映画」として成立していたと思います。
まず、白黒とカラーのシーンに分かれていますが、これは観客が時間軸の把握に役立ち効果的です。
また、終盤の展開も原作の良さが反映されたのか、とても「映画」らしく深みを増しています。
私は137分の間、集中力が途切れず鑑賞できました。
とは言え「R18+映画」なので、向き不向きがあるのでしょう。
特に偏見を持たずに、「映画」であれば何でも見てみたいというスタンスの人にはお勧めできる作品です。

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細野真宏