劇場公開日 2023年9月1日

「どこまでいくの?」アステロイド・シティ 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0どこまでいくの?

2023年9月19日
iPhoneアプリから投稿

グランド・ブダペストホテルまでは、
ストーリーも含めて楽しめた。

今作は、楽しめなかった。

下記、
フレンチ・ディスパッチ、、、
の感想。

いつもの通り、
ピタゴラスイッチのような、
ドミノ倒し(本編中にあった)のような、
おとぎの部屋や、
ハロウィン・タウンのような、
ウェスの左手の法則のような、
数学的定義に落とし込むべく、
公式を反復させるような、
ギミック、世界観で、
カメラは、
世界地図の図法でいうと、
メルカトル図法のような、
正面が大事!
ビルの屋上から斜めのカットがひとつあったが、
基本は2D風正面!
モルワイデ図法的な正しい面積、方位は不要!
で楽しませてくれるのは今回も同じ。

たが!

いつもは、比較的小さな世界観なので、おもしろいギミックを追いかけていると、ストーリーも自然と腑に落ちていく仕掛けだったのだが、

今回は、
レア・セドゥの巻、
シャラメの巻、
誘拐の巻、
それぞれ世界観がデカイので、
仕掛けを楽しんでいるだけ(ウェス作品は本当はそれだけで構わない。)ではストーリーは腑に落ちてこない。

字幕を読んでストーリーを追うのか、ただただビジュアルを楽しむのか、二者択一を迫られた人も少なくないはず。

そういう人の為に、
後半、エンタメバリバリのシークェンスもやっておきます、と、
プロデューサーでもあるウェス。

作品のジャンルは?
と聞かれると、
ウェス・アンダーソンというジャンル、と答えるしかない。

ノーラン、パク・チャヌク、
タランティーノ、、、その人の存在が、スタイルが、作品が、そのままジャンルだと言える絶滅危惧種監督。

製作基準点、いわゆるK点(建設基準点)超えの高過ぎる絶品度は相変わらず。

蛇足軒妖瀬布