テノール! 人生はハーモニーのレビュー・感想・評価
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絢爛豪華なガルニエ宮にも圧倒されます。これ本物なのです!撮影許可が困難なオペラ座ガルニエ宮内部が、これほど堪能できる映画も貴重です。しかもラストの歌唱は圧倒的!
パリ・オペラ座を舞台に、類まれな美声を持つラッパーと一流オペラ教師の運命的な出会いを描いたヒューマンドラマです。
舞台はパリ。“ケチなラッパー”と自分を軽く卑下するアントワーヌ(MB14)は、大学で経理の勉強をしながら、寿司の出前のアルバイトをしています。
ある日、オペラ座への出前を頼まれて行けば、恵まれた階層の若者たちがオペラの授業を受けており、高慢な青年マキシム(ルイ・ド・ラヴィニエール)に侮辱されてしまうのです。ラップの作詞で鍛えた話法で言い返し、仕上げにオペラの物まねをすると、周囲は唖然とし、偶然その場に居合わせたオペラ教師のマリー(ミシェル・ラロック)が目を輝かせます。
マリーはその美声にほれ込みに熱烈スカウトするのです。普通なら世界のオペラ座付ののオペラ教師からオファーがあれば、二つ返事で受けるもの。しかしアントワーヌは住む世界が違うと思い、拒絶します。けれどもマリーの熱意は激しく、寿司を毎日注文してアントワーヌを配達で呼び寄せたり、あげくの果てバイト先まで押しかけて猛スカウト!根負けしたアントワーヌは、マリーと2人で秘密のレッスンを始めるのでした。というのもアントワーヌにとってラップは個人の趣味を越えて、同じ団地に住む移民系住民の代表として、他地区の移民代表のラッパーとバトルしていたのでした。なので移民系住民のリーダになっている彼の兄ディディエ(ギョーム・デュエーム)の期待を裏切ることができなかったのです。まして兄の格闘技の賭け試合で学費を賄い生計を立てている現状。とてもオペラのレッスンをこっそりしているなんて兄や移民系の仲間に言えなかったのです。
そんな彼をマリーはオペラ座の舞台裏へ連れていき、世界的なテノール歌手ロベルト・アラーニャ(本人)の練習風景を見せます。オペラ座の舞台と壮麗な客席に立たされると、オペラに興味がなかったアントワーヌでも、ときめかないはずがありません。しかもロベルト・アラーニャはアントワーヌの才能を認めて、合唱までしてしまうのです。
『蝶蝶夫人』などオペラの名曲に触れるにつけて、アントワーヌは次第にオペラに熱中していきます。
オペラ座の伝統を破ってまで、自分のクラスの生徒にすると決めてしまうマリーの性急さには驚かせられますが、それにはもう一つ理由があることが、のちに明らかになるのです。
シンプルな物語ですが、恋愛や嫉妬、将来の夢や葛藤を盛り込んだ青春映画の趣です。ラップとクラシック、兄弟愛と師弟の絆、貧困と富裕など分かりやすい対比を見せつつ、迷いながらも自分の道を見つけていくアントワーヌにカメラが寄り添います。作品の背景には、移民系住民同士の対立というフランス社会の格差社会が色濃く描かれていたのです。
展開に意外性はありませんが、その分安心してみられることで高揚感を堪能。「トウーランドット」や「ドン・ジョヴァンニ」などオペラの名曲もあり、クラッシックをかじっている人なら感動の名演奏と歌唱が綴られます。
終盤、兄が事件に巻き込まれて動揺してしまい、アントワーヌは声が出せなくなります。不治の病に冒されていたマリーが、命の危険も顧みず、必死で声が出なくなったアントワーヌを指導する姿は感動的です。そしてラストの著名オペラ劇場プロデューサーが集まり行われるオーディションに向けた力ずくの終盤に、めでたしめでたし、といった展開でしょうか。
ラップとオペラや、パリ郊外と豪華なガルニエ宮(オペラ座)の違いを描きつつ、未知の世界へ飛び込むアントワーヌが両者をつなぐ役割を果たします。彼を導くマリーとの出会いなど都合が良すぎる面もありますが、プッチーニ作曲「誰も寝てはならぬ」の歌詞とアントワーヌの未来が重なるようなラストに思わず涙しました。MB14による素晴らしい歌唱でした。アントワーヌを演じるビートボクサーMB14は、劇中すべてのオペラ歌唱にも挑戦し劇中、アントワーヌさながらの天才的歌の才能を発揮させたのです。
そして、マリーを演じるミシェル・ラロックは、美しいものを愛でる喜び、自分が思う最高のものを手にする喜びを大事にする女性を、軽快さと厳格さの絶妙なバランスで見せてくれました。
青年は地元移民仲間の視線をふり切り、新たな冒険に乗り出せるのか。村社会に優し過ぎて、ホンネよりもつい村社会のために生きがちな日本人にこそ見てほしい勇気をくれる一本です。
絢爛豪華なガルニエ宮にも圧倒されます。これ本物なのです!撮影許可が困難なオペラ座ガルニエ宮内部が、これほど堪能できる映画も貴重です。それだけにスタッフは、何年もかけてオペラ座を説得し撮影に成功したそうです。細部まで本物にこだわるのは単独初監督作品となる新鋭クロード・ジディ・ジュニア監督。監督の才気を垣間見る楽しみも。 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか上映中。
スシを食べるのは日本だけなの
好き。とにかく先生がキュートだし、主人公は王道詰め合わせみたいな造形だし。こういうのはストレートが一番よね。本物を知る事。ひたすら基本を繰り返す事。其れ等の大事さをエスプリ効かせて語る、フランス映画のお手本の様な映画でした。
「パリの調香師」「最強のふたり」辺りが好きならばどーぞ♪
定型化された話でもいいものを作る
才能ある人が発掘されるって話は物語にしやすい。しかもそれが意外なところであればなおさら。そういう意味では寿司のデリバリーをしている青年がオペラと出会うって設定はなかなかいい。しかもラッパー。
移民系の居住地区同士で対立してたり、その地域の代表がフリースタイルラップでバトってたり、兄貴が違法格闘技で稼いでいたりと、なんとなく現代のフランス社会を映し出している感じがする。そんな貧困層のアントワーヌがオペラの才能を見出されるってことは一種の夢物語のはずだが、そのことを黙ってしまう環境もなんとなくわかる。
基本的な話の流れは従来の発掘ものと驚くほど変わりはない。まぁ、そうなるでしょうねとしか思わなかった。でも、それなりにいい話だったし、感動できるシーンもある。なかなかよかった。フランス映画って、こういう定型化された話を毎回うまーく作ってくるよな。
オペラで得るカタルシス
久しぶりにフランス映画を観ました。
まず視覚的に、歴史ある建造物を惜しげもなく映してくれるだけで星1つあげたい。
オペラの知識など全くないのですが、序盤の主人公突然のイイ声はもう笑っちゃうくらい〝イイ声〟でギュッと心掴まれました。ほか、主人公が通うことになるクラスの仲間たちの歌声、本人役でご出演のアラーニャ氏のプロの歌声、どれも素敵でした。
オペラの歌唱の、キモの部分がバッチリ決まった時のガッツポーズしたくなるような高揚感は何というのだろう?と考えていて、カタルシス?解放感?魂の解放かな、と。
今より娯楽の少なかった時代に、こんな最上級の娯楽があったのだと思うと、そりゃあハマっちゃいますね。
ストーリーは正直、悪い意味で日本にもありそうなレベルというか、所々に日本文化がのぞくのと相まって妙に親近感を覚えました。
ただやはり、「俺の歌声を聞け!」と言わんばかりの歌唱が素晴らしかったです。
楽しい1時間41分!
登場人物たちがとっても良かったよーーー!
映画を見てる間に彼らのことがどんどん好きになった。
脳筋兄貴、好きにならずにいられんし、
その兄貴から自立していく主人公も、すごくよかった。
金持ちの子達の描写も良かったな。
フレンドリーだけどちょっとパリピすぎるガールとか、マルフォイな感じのライバルかと思ったら育ち良すぎてどんどんいいやつとか。
あと、なぜか日本がかなりフューチャーされていたので、嬉しかった。(なんでかな?あとで調べる)
この映画面白かったな…
ほんっとーに観に行ってよかった。
ちょっと観ててわかんなかった部分が、オペラのことバラしたのって仲間のナンパ男?なんで?アホだからってことかな。。
また配信されたら、家で友達とやいのやいの言いながら観たい映画だった。楽しみだっ
ラッパーである意味は?
クラシックが好き。オペラも好き。
洋楽が好き。R&B、ヒップホップ、が好き。
だからこの映画に興味を持つ。
ラップとオペラが出る以上予想外のケミストリーが生まれる。なんて事を想像しながら鑑賞。
でもラッパーは落ちこぼれの代表?確かに落ちこぼれて、社会に対する不満をぶちまけるなんて事も有ったでしょう。でもそれ、今ではステレオタイプ。ラッパーで有る必要性が全く感じられない。
自分のしたい事を見つけ、変わろうとしているの主人公の弟に対する兄。
嫌味を言う上流階級っぽい人たち。
どうしてソウルに行くのかよくわからない先生。
あれだけ文句を言っていた兄が何故か最後に弟に大絶賛。
よくわからない映画だった。
でも最後の「ネッスン・ドルマ〜」は良かった。
それとエンドクレジットの曲、これこそ主人公アントワーヌの本当の叫び!
このクラシック風ラップ味付け曲は、対訳を見ながらしっかり聴くべし。
評価は実質この2点に対するものです。
ありきたり。かもしれない。 でもこういうのが観たい気分だったので、...
ありきたり。かもしれない。
でもこういうのが観たい気分だったので、楽しく鑑賞。
オペラがそんな簡単に歌えるようになるのか、など、細かな点も気にしないで観る、そういう気分の時にうってつけ。
オペラ座は美しいし、オペラには疎いけれど、音楽はやはり美しくよいものだな、と思わせてくれる。
そして、オペラをヘッドホン聴くときだけ、周りの音が消えて、オペラのことを話せていない仲間たちが登場すると、途端に日常が戻ってくる描き方がおもしろいなと感じた。
もったいないなあ…オペラシーンもっと観たかった…
主演の俳優さん
歌唱力抜群でした
しかしながら
その歌唱力を存分に見せてくれたのは
ラストシーンくらい…
オペラを主題とした映画なので
もっともっと
歌唱シーンを観たかったです
本当にもったいない
脚本的にも
本当にオペラをやりたいなら
じゃんじゃん周りのみんなに
アピールをすれば良かったのに…
オペラ好きであることを隠す理由が
イマイチ伝わって来なかったのも
とても残念…
エンドール
かなり曲が早く終わってしまってました
かつて観た中映画の中でも
1.2を争うくらい😅
見つけだされた才能。
昼は学生&デリバリー寿司で働き、夜はラッパーのアントワーヌの話。
デリバリーで向かった先がオペラ座ガニエル宮、そこで歌ってたジョセフィーヌの歌声に見惚れてしまってたところ、その場にいたオペラ歌手の卵の一員の男に配達終わったなら「帰れ!」と言われ、ラップでその怒りを返し、最後に見様見真似でやったオペラが、オペラ歌手一員の教師マリーの目に止まった事で、ラッパーからオペラ歌手へ転向するアントワーヌのストーリー。
どんな感じの作品何だろ?と動画サイトで予告を観たところ、ラッパーがオペラ?(笑)何か面白そう!で観にいったんですが個人的には大当たり!これがあるから映画を観る旅はやめられない。
オペラに出会う前のアントワーヌ、私も一時期そっち側の世界にもいたからビートボックスにラップ、ラップバトルと凄く観てて楽しめた!
ラッパー仲間達には隠してたオペラ。
バレた時は白い目で見られたけど、ラストのオーディション会場に駆けつけてくれた兄、仲間で感動、アントワーヌの歌声で涙しました。
オペラ・ガルニエの内景をみるだけでも!
パリ郊外の低所得者用住宅に住むアントワーヌは、昼の仕事であるデリバリーでスシを届けたオペラ座で出会った一流のオペラ教師、マリーの導きにより、オペラの道に進もうとする。
何と言っても素晴らしいのは、荒川さんにトリノで金メダルをもたらしたプッチーニのオペラ、トゥーランドットのアリアNessun dorma(誰も寝てはならぬ)をアントワーヌがオペラ座の舞台で歌うところ。感激で涙を抑えることができなかった。
プッチーニやヴェルディの定番ばかりでなくフランスを代表するビゼーやドビュッシーのオペラ・アリアなど、出演者たちが実際に歌うところが一つの見どころ。本物のオペラ歌手であるロベルト・アラーニャは、それに花を添える。
一番心に残ったのは、マグレブらしい移民層のアントワーヌが、兄ディディエの地下格闘技により資金を保証され、夜学で会計学を勉強し、ラップに喜びを見出していたものの、ヨーロッパ伝統の市民層(セレブを含む)のものであるオペラにひかれて行き、アイデンティティ(自分とは何か)の喪失に悩むところ。
アントワーヌが郊外の住宅の屋上に出て、はるか北側のエッフェル塔を見ながら、アリアの練習をするところも良かった。
それにしても、ストーリー自体は定型的なので、あやふやなところが満載。
マリーは病気みたいだけれど、本当にしたいことは何?
幼馴染のサミアは、軍隊に入隊したはずなのに、どうしていつもいるの?など。
パリには移民映画というジャンルが前からあるので、この映画の方向が、近年頻発しているテロや暴動の抑制につながるとは、とても思えない。やはり両者の融和を考える勢力が背景にあるのだろう。オリンピックも来年に控えているし。
それにしても、アリアを聴きパリ・オペラ座ガルニエの映像を見るだけでも十分楽しめる映画だ。ぜひ、劇場で。
オペラの本場、フランスでしか描けない良き映画
ラップ好きのアントワークヌは、寿司のデリバリーで訪れたオペラ座での出会いによって人生を一変させる。オペラ一流教師・マリーからもらったオペラのCDに衝撃を受けて、マリーの門を叩く。
兄からのプレッシャーや仲間を捨てても、夢を掴もうとする姿には見ているこっちも夢中になるし、マリーとアントワーヌの師弟の絆にもグッとくる。
ある程度予想がつく王道のシンデレラボーイストーリーではあるが、泣いて、笑って、オペラの名曲に酔いしれる。
MB14の「誰も寝てはならぬ」には痺れるし、壮麗なオペラ座をスクリーン越しでも見れるのは楽しい。感動のラストは涙すること間違いなし。
それにしても、今作は日本へのオマージュが凄すぎる!
オペラとラップを融合したエンディング曲もなかなか良かった。
ヒゲの下の顔に興味津々
お願いです、ヒゲを剃ってくれい!!!
ヒゲ剃った顔に興味ありすぎて、
「いつ剃るんだ?」「最後には剃るか?」と、
そこに気がいって気がいって…。
最後まで剃らんのか―い!!!
いや~、どんな顔か見たかったな~。
よくあるストーリーなので、ストーリーのことはどうも言えませんし、
主人公の男優でひっぱるほど、そこまで魅力的ではなかったなあ。
フランスの低所得者地域のことが知れて、
へえ~と思いました。
ピカソって名前の地域があるの?
将来の為に会計を勉強している学生のアントワーヌは、生活の為に寿司屋のデリバリーをしている。これは趣味だと思うがラップバトルも頑張ってる。ある日、配達でオペラ座の教室に行ったら、生徒の1人に文句を言われ、言い返すのに歌った。何だそれ?と思ったら先生に才能を見込まれ、生徒として通う様に説得される。
は?それで通うとこにするなんて、元々オペラ歌手が好きだったのかなぁ。ストーリーとしては、予想を裏切らないオーソドックスな展開だけど、突然衣装を変えて歌ったり、ラップバトルの歌詞だったり、警察に捕まった兄が親に話す日本の事とか、チョコチョコ笑えた。寿司屋も日本人いなかったなぁ。そしてラストのオーディション、アントワーヌを応援する事にした兄弟や仲間達、イェーイ!ん?オーディション会場に第三者が入れるの?と思っているとアントワーヌが歌い始める、これがめっちゃ上手い。それに先生の事が絡んで泣けた〜。とても楽しめました。
もっと丁寧に描いてほしい
副題に人生を冠するのであればエピローグはほしかったなと思います。主要人物の過去や家庭環境においてもそこに舞台装置として置かれただけのような印象があり、それを改善していく様やそこから主人公が学び取った事という描写が希薄だったような見え方になってしまってもったいなく感じました。オペラやラップのパートは臨場感もあり丁寧な作りで(というかそこに予備知識があればもっと画面から読み取れる事が多いのかもしれません。)見て後悔するような作品ではないので一度見ていただきたい映画であるとは思います。
予告で内容はほぼわかるのに、それでも面白い。
予告でまあそういう話なんだろうなとある程度あらすじは予測がつくが、それでも観ればやっぱり面白い。安定のギャガらしい良作。
主人公を始め、登場人物の殆どは実際に歌っており、ほとんど吹替えがないのも素晴らしい。
「情熱のムリダンガム」と同じく音楽を巡る師弟関係はやはり良いものだ。
関係ないが、ギャガはロゴ表示のときの「どどどど~ん♪」で始まるくそダサいBGMをなんとかしてくれ。本編鑑賞前に萎える。
寿司の出前が起こした運命の出逢い! 星に触れた歌声に輝きを見出した作品
寿司のデリバリーをしたことがキッカケで
歌の先生、マリーに才能を見出された青年
アントワーヌがオペラの世界の扉を
開いて、如何にして才能を開花させていくかが
ブリリアント、輝く星のように描かれていました。
最初は畑違いのオペラなんてと思っていたけど
歌のレッスンを受けるうちに、無我夢中になっている青年、テノールの歌声に心が揺れる思いで見ました。
マリー先生の指導、何枚もの楽譜、
ピアノ曲と響き渡る声
寿司と共に飲むワイン🍷
フランスから見た日本を知ることが出来ました。
オペラ座の舞台に立ったアントワーヌは
兄や幼なじみの仲間たちから見ても
堂々としていました。
オペラッパー
オペラとラップ、セレブとスラム。決して相容れないもの。自分を縛り付ける劣等感だったり迷いだったりする壁を乗り越えようとする主人公や、それを見守る周りの人々の温かいエールがじんわり来た。そう言えば、「エール」もフランス発でしたね。あまりにも良すぎてアメリカ版をついぞ見に行ってないですが。
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