白鍵と黒鍵の間にのレビュー・感想・評価
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バブルの銀座の夜の物語
昭和63年(1988年)の東京銀座のナイトクラブ。
時代はバブル真っ只中。
日本は元気に溢れ、金はじゃぶじゃぶ余っていた。
音大でクラシック・ピアノを勉強したが飽き足らず、
ナイトクラブへピアノの武者修行に行く南博(池松壮亮)だった。
銀座界隈には一つの掟があった。
ピアノ弾きに「ゴッドファーザー愛のテーマ」
この曲のリクエストを出来るのは、ヤクザの会長・熊野(松尾貴史)だけ。
この掟を破ったら不吉なことが大挙して起きるのだ。
その日新人の博に「あいつ」がゴッドファーザーをリクエストした。
「あいつ」とは、ヤクザで組のヒットマンとして10年の服役生活から
帰ってきた男(森田剛)
素敵なジャズを心ゆくまで聴こう・・・・
その私の思惑は、あっさり却下されました。
監督は冨永昌敬。
冨永監督の「素敵なダイナマイト・スキャンダル」は、
我が偏愛映画コレクションのひとつ。
愛でております。
現在するピアニスト・南博さんの
「白鍵と黒鍵の間_ジャズピアニスト・エレジー銀座編」
を基にしてはいますが、自由に改変・・・南博は池松壮亮の一人二役・・・
銀座のクラブのバンマス(高橋和也)や博と同じ音大出身の仲里依紗そして
ジャズシンガーのCrystal Kayが良いジャズを聞かせてくれます。
ラストのドサクサのカオスとなるシーン。
「あいつ」と、熊野会長が鉢合わせして博が遂に
「ゴッドファーザー愛のテーマ」を弾き始める。
【俺の曲だ】と言い張る熊野会長に何故か切れる
バンマスの三木(高橋和也)
ここからは血の雨が降ります。
死体が転がりビルから階下に投げ落とされる。
博がボストン・バークリー音楽院のデモテープを吹き込んだ
SONYのラジカセも放り投げられるけど、
壊れませんね、丈夫!!
そんなこんなで白日夢のような映画はフィナーレを迎え、
昔の銀座の夜はこんな喧騒、あんな馬鹿騒ぎが有ったんだろなぁ・・・
あんな人生・こんな人生の悲劇と喜劇がね!!
博役の池松壮亮さんは6ヶ月の練習で、
ピアノ演奏シーンを実際に弾いているとか!!
オクターブが窮屈そう、そして少しクサイ演奏(笑)
南博さんは元気でご活躍なので、武勇伝ですかね。
こんなジャンル分け出来ない珍品映画、かなり好きです。
追記
今、週刊Bの連載で原博さんがゲストで取材記事を読みました。
銀座時代のバブリーだった話し。
高級クラブのバンマスから、月に50万円で弾かないか?のと誘われる。
そのうちもう一軒のクラブと掛け持ちすることに。
ところが、二軒のクラブは別々の組が仕切り、どちらの親分も
「ゴッドファーザー愛のテーマ」が好きだった。
当時リクエストに5万円払う客も居て、6回ゴッドファーザーを弾いて
30万円貰ったこともある。
その2人の親分が喧嘩になったのは、創作らしい。
そのお金を貯めてボストンのバークリー音楽院の資金にしたそうです。
本当にバブルだったんですね。
この映画の聴きどころと観どころは、
ラスト!!
あのカオスな一夜。
(冨永監督が本領発揮、自由です)
森田剛の演技がよかった。
ストーリーに関しては叙述トリックのようなもので、少し、理解に時間はかかるが、
問題は、演技の方。 森田剛以外の演技が残念だった。
池松壮亮目当てで映画を見たけどうーん。って感じだった、
仲里依紗は、ポスト竹内結子にいけるなぁって印象だった。涙のシーンはよかった。
でも、よくわからないアメリカ風のリアクションって言っていいのか、
肩をすくめるみたいな...あれ、はお笑い芸人にネタにされそうだなぁ...って。
出だしの演技はよかったけど、中盤後半に進むにつれて、
不自然というか...クライマックスノ昭和のキャバレーでジャズを流したとして、
あんな音楽のノリ方するのかなぁ...。 仲里依紗のギロとか笑っちゃった。
言い回しも、昭和のキャバレーの取材不足感が否めなかった。
ヤクザも、昭和のヤクザ感なくて残念。 全体的に取材足らずというか、
小説を実写に置き換えた時の、文章にない部分の補完が残念だった。
いいシーンは、たばこを吸うシーンかな..
滑り出しは良かった
リアリティーに欠ける
そうだね、あ、やはり、
全く響かなかった
ちょっと眠く。。
原作読み終わって映画館へGO。
でも、さすがに近場での上映が終わってしまい、やや遠い初めての映画館へ。
(上映時間より片道移動時間の方が長かったか苦笑)でもとっても素敵な映画館だった。
南博氏の事は全然知らなかった。
音楽高校、音大へ通っていた経歴で、ジャズをやりたい志があった若かりし頃の葛藤を描いた話。
そっか、夜の世界は裏の世界の方々とのしがらみができるのだね。
未来の夢、叶えるまでもがくのはどこで生きてても同じなんだな、なんて思いながらも、ちょっと退屈だったです。
二役の池松君が重なるところとか、んー?って感じで普通に時系列に描かれた方が良かったのでは、と思ったりした。
クリスタル・ケイはさすがプロの歌手。気持ちよく聞けた。ゴッドファーザー愛のテーマが聞けてよかったな。
そうそう、You Tubeでオススメに出てきて見てた「ザ・ラストヒロイン」の中山来未ちゃんが出てたのも、見に行こうと思った一つだった。なかなかいい感じだった。
博と南のノンシャラント
odessaで鑑賞(odessa EDITION)。
原作は未読です。
池松壮亮演じるふたりの登場人物(あるいはひとり?)の一夜の人生が交錯する。虚実入り乱れているのか、時系列がごちゃまぜになっているのか判然としない不思議な映画でした。
あらすじを読み、博が「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を演奏したことで血まみれ必至の目に遭うのだと思っていましたがそう云うわけでは無く、勝手に肩透かしを喰らいました。
どちらかと云うとそう云う目に遭ったのは逆に大丈夫そうな南の方で、これは意外性があって良かったです。その後の展開はファンタジーみたいで幻惑され、少々面食らいましたが。
ノンシャラント。劇中で日本語にするのは難しい言葉だと言っていましたが、要は自由奔放に、想いのままに奏でよ、と云うことかと…。本作の物語もジャンル分けの難しい奔放さがあって、これこそまさにノンシャラント。逆に言えば散漫であると云う印象にならざるを得ず、すっきりしない後味でした。
[余談]
音響を特別に調整したバージョンと云うことで、ピアノの旋律やクリスタル・ケイの歌声など、音質が良く素晴らしかったです。聴いていて心地良い気分に浸りました。
大ボスと小ボスの間にゴッドファーザー。
映画館で観られなくなる前に…。
一寸お恥ずかしい。この作品のタイトルの読み方を鑑賞チケットを買う時に,定員さんに笑われながら知る羽目に…。
私は観る直前まで「ハッケンとコッケンのアイダに」を「シロカギとクロカギのハザマに」と…。
どうでもいい話をした。 言葉が悪いかもしれない。私から観る限り始まりは良く知らないが,かなり色んな作品の要(カナメ)である主要キャストを急に務(ツト)め出し、大分(ダイブ)大御所(オオゴショ)?風になってきている池松壮亮が自らの努力の末に,ピアノは自分で弾くのを練習した!と云うのも観たい!と思ったのも理由の1つである!し…。
途中,コメディタッチに為(ナ)った所もあったが…⁈
※何かの間違え?かと眼を疑ってしまっちゃったが、佐野史郎が滅茶苦茶素晴らしい手捌(テサバ)きでピアノを弾いて居(イ)なかったかい?, ソイツは今現在の技術を駆使(クシ)して魅(ミ)せていたのならば、私自身はまんまと嵌(ハ)まって騙(ダマ)されたと云う事ならばソレはソレで素晴らしい👍と思えたが…。
渡米するのには母子手帳のワクチン接種記録が必要?
音楽大学に通うジャズピアニスト志望の男・博(池松壮亮)が恩師からキャバレーで修行することを勧められ、1988年から銀座の「みずうみ」という大衆キャバレーの青い安っぽいはっぴを着てお面を被って演奏するヘンテコリンな専属バンドマンになる。宮沢りえと2018年に結婚した元V6の森田剛扮するヤクザからリクエストされたゴッドファーザー愛のテーマを弾いたために、会長と呼ばれる銀座を仕切る大物ヤクザの逆鱗に触れてしまい、トラブルとなったことを期に、高級クラブスウィニーに出演する男闘呼組の高橋和也がバンマスのバンドの一員に入れてもらう。
池松壮亮がひとり2役。博が南という幻のピアニストを追うのか?よくわかんなかった。
暴対法以前の銀座をノスタルジックに描いたファンタジー映画。
リサという名前の本場から来日してきた女性ジャズヴォーカリスト役の Crystal Kay は歌をちっとも聴いていない客におかんむりで、客を張り倒すシーンなどがあり、ちょっと楽しい。バブル期のクラブ内ではホステスたちが大なわ飛びしてた。
ソニーのカセットデッキ。
高橋和也はエレキギターでちょっとだけペンタトニックフレーズを披露。
意外だったのは川瀬陽太がエレキギターの弾きがたりでスタンダードナンバーを歌っていた。
テアトル新宿の odessa上映で、200円の追加料金が必要だった。野暮だなぁ。
ウッドベースやドラムのハイハットにシビれました。
森田剛と高橋和也がカッコ良かったので、★半個オマケ。
何なんだよ!ノンシャランって⁉
私が若い頃、「ノンシャラ〜ンと生きてる」という言い回しを耳にすることがあった。オジサンたち(今の後期高齢者層以上)が使っていた言葉だと思う。
さて、本作はジャズピアニスト南博氏の「回想録」が原作だとのことで、その本が面白いらしい。が、残念ながら未読。
主人公をミナミとヒロシの二人の人格にしたのは、なかなかのアイディアだと思うのだが、奇をてらい過ぎて物語の純粋な面白さが隠れてしまっている気がする。
3年という時間がキーワードなのかと思い、ヒロシの3年後がミナミで、同時進行させているのだろうなと観ていると、そうではなかった。両方ともに関わる人々は同じ時間にいるから、ミナミとヒロシは同じ時間に別人格として存在しているのだ。イヤ、ならサックス奏者の若者も二人いたのか?
…この次元の錯綜が、アイディア倒れになってしまった感がある。
理想を追い求めるヒロシと理想を見失ったミナミ、という対比構造の着想は良い。たが、映画ではそれが合せ鏡の関係になっていない。なっていたのかもしれないが、空騒ぎと混沌が勝っていて見えにくいのだ。
ヒロシが「あの曲」を演奏したことで一体どんな禍に見舞われたのか…キャバレーを辞めたのは自分の意志だし、すぐに次の仕事にありつけている。結局、銀座の夜の人々が騒ぐだけ騒いで、何もないという…。
高橋和也演じるバンマスにはその事件の後始末をする責任があったようだが、偶然出合ったヒロシ(池松壮亮)にあの曲を注文していい人と演奏していい人が決まっていると告げただけだ。
謎のヤクザ森田剛と会長と呼ばれる親分松尾貴史の関係を説明する必要はないが、森田があの曲にこだわる理由が松尾との対面で分かるのかと思うと、それも分からない。
舞台となる夜の銀座は描かれる範囲が狭いので、銀座のほんの一角の騒ぎのようだった。
終盤に至っては、もう観客の意表を突くことしか考えていないような描写が続く。
ゴミタメに捨てられてからはファンタジーの域を超えて意味不明の混迷ぶり。ミナミがそこで遭遇したのは更に3年後の自分か?
テーマを忘れていたことに気づいて、慌てて主人公に語らせたような締めくくりには呆れるしかない。
池松壮亮、仲里依紗、森田剛、高橋和也の4人のキャストはとても良かったが。
ジャズとファンタジー
自分が住む地域では公開が遅く、やっとの事で見に行けた作品でした!
主人公はいつの時代の彼なのか?片方がタイムスリップしていて、同じ世界に今いるの?等、何故2人が今一緒にいるのかずっと考えながら見ていました。(結局は別々の時代で同じ世界のように見えていただけ)
分からないなぁと思いつつも、昭和の当時の世界観には憧れもありとても楽しかったし、ゴッドファーザーを弾いてはダメというのも面白かったです。(ヤクザが関わると言えば……という有名な曲なので分かりやすかった)
皆とのジャズセッションは、今までの分からないが吹っ飛ぶくらい心地よい気持ちになり、少しでも当時に浸ることが出来た気がしてウルっときました。
最後あたりのシーンは演劇チックっぽくてある意味面白かったなぁと
キャラも個性的で面白かったです。昭和の時代だからこその、人との関係性の大事さが凄く伝わりました。
「あいつ」の存在が半端なかったです。奥深さまで染みる怖さでした。
最初は難しく感じましたが、ジャズと昭和の世界観とファンタジーって凄く合うんだなと思いました!
時間があっという間でとても楽しかったです!
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