「心を支える家族の歌」キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた) talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
心を支える家族の歌
<映画のことば>
「ユダヤ人を匿(かくま)うと逮捕されるって。」
「見捨てるのか。」
「渡すものですか。ただ怖いだけ。」
いかに戦乱の真っ只中とはいえ、盟主が変わる度(たび)に庶民の生活は大きな変容を余儀なくされる―。
まったくを持って、胸が潰れるような想いを痛禁じ得ません。
そういう意味では「歴史の波に翻弄される」といってしまえば、それはそうなのかも知れませんけれども。
しかし、そんな世情ではあっても、民族の違いこそあれ、いずれ子供をもつ女性(母親)としての子を想う気持ちは変わらなかったということでしょうか。
そして、ともすれば心が折れてしまいそうな状況の中でも、何とか耐えて忍(しの)ぶことができたのは、家族たちの間に「歌」があったから、ということなのでしょう。
そしてそれは、家族を支える「心の歌」であったことにも、疑いはありません。
心底、心が洗われるような想いがあります。
本作は、評論子が入っている映画サークルの上映会で取り上げられることになったので、当日の解説トークを3倍理解するために、上映会当日に会場でも観るほか、「事前学習」として観ておこうと、レンタルしてきたものでした。
そういう準備にも値する、充分な佳作だったと、評論子は思います。
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