劇場公開日 2023年7月7日

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「心を支える家族の歌」キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた) talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0心を支える家族の歌

2025年4月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
「ユダヤ人を匿(かくま)うと逮捕されるって。」
「見捨てるのか。」
「渡すものですか。ただ怖いだけ。」

いかに戦乱の真っ只中とはいえ、盟主が変わる度(たび)に庶民の生活は大きな変容を余儀なくされる―。
まったくを持って、胸が潰れるような想いを痛禁じ得ません。

そういう意味では「歴史の波に翻弄される」といってしまえば、それはそうなのかも知れませんけれども。

しかし、そんな世情ではあっても、民族の違いこそあれ、いずれ子供をもつ女性(母親)としての子を想う気持ちは変わらなかったということでしょうか。

そして、ともすれば心が折れてしまいそうな状況の中でも、何とか耐えて忍(しの)ぶことができたのは、家族たちの間に「歌」があったから、ということなのでしょう。
そしてそれは、家族を支える「心の歌」であったことにも、疑いはありません。

心底、心が洗われるような想いがあります。

本作は、評論子が入っている映画サークルの上映会で取り上げられることになったので、当日の解説トークを3倍理解するために、上映会当日に会場でも観るほか、「事前学習」として観ておこうと、レンタルしてきたものでした。

そういう準備にも値する、充分な佳作だったと、評論子は思います。

talkie