「生き続ける歌」キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた) MARさんの映画レビュー(感想・評価)
生き続ける歌
第二次世界大戦中、軍事大国に代るがわる占領されるウクライナにて、戦禍に苦しめられる3つの家族と、歌の幸せを信じるその子どもたちの物語。
それぞれ立場の違いから最初はギクシャクな3家族。それを無邪気な子どもたちが繋いでいき、楽しく幸せにやっていけるかと思った所で戦禍の足音が近づいて来…。
ソ連、ナチス、そしてまたソ連…。
いつの時代も軍事大国に蹂躙される国の哀しさときたらやりきれないですね。戦争中は言わずもがな、戦争の終わり=その土地の人々の闘いの終わり…ではないということも改めて感じさせられる。
音楽を生業とするソフィア夫婦の姿が眩しい。
教え子とは言え、言ってみれば他人の子どもたちを我が子同然に守り、命の危機とくれば自らの危険も顧みず。しかしそれでも…。
子どもたちも子どもたちなりに状況や大人の心情を察しており、悲しむソフィアに寄り添う姿にはジンと来ますね。
今更ながらですが、本当にこんな事は二度と起きてほしくない…と思った側から現在の状況ですからね。
でもソフィアの魂は歌われ続けるのだろうと、わずかでも救いがあって良かった。
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