劇場公開日 2023年11月3日

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「福井県のPR活動と森崎ウィンが熱すぎる」おしょりん 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5福井県のPR活動と森崎ウィンが熱すぎる

2023年11月22日
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鑑賞方法:映画館

単純

知的

2023年映画館観賞67作品目
11月19日(日)イオンシネマ新利府
ポップコーン&ドリンク付き1400円

児玉宜久監督作品初鑑賞
脚本は『自虐の詩』の関えり香

実話モノ
舞台は明治時代の福井県麻生津村
眼鏡作りに挑戦した村人たちの物語
そんな折に大阪で眼鏡の卸問屋で働いていた増永幸八は実家に戻り兄を説得し麻生津村をあげて眼鏡作りを始めることになった
眼鏡作りは素人の集まりで試行錯誤の連続
経営難で倒産寸前だったが

日本の眼鏡の殆どが福井県で作られていることを知ったのはつい最近数年前
昔は福井といっても宮城と岩手の県境付近に住む無学の田舎者からすればピンとこなかった
北陸で新潟と言えばコシヒカリだし富山といえばホタルイカだし石川といえば輪島塗りだけど福井といえばなに?って感じだった
しかし中学生の頃から眼鏡男子の自分からすれば福井県のおかげでなに不自由なく生きることができた
福井県ありがとう
『ごっつええ感じ』で松本人志が「アーノルド・シュワルツネッガー出身地」って言っていたのを大笑いしていたあの頃の自分が恥ずかしい

映画は冒頭いきなりこれでもかと福井県PR活動がエグすぎる
ご当地映画は数多くあれどここまでやる作品は他に知らない
よっぽど切羽詰まっているのだろうか逆に心配したくもなる

森崎ウィンの芝居も熱すぎる
小泉孝太郎があんな感じだし対照的
エンディングテーマも森崎ウィン

小泉孝太郎はミスキャストのような気がする
ハズキルーペ繋がりかと思いきやあれは福井県ではなく千葉県印西市の工場で製造されているもので眼鏡とは別物
変態仮面の人の方が良かったと思うがあまりにも忙しかったのだろう

末吉の娘は近眼で眼鏡をかけた途端に視力が良くなり父の顔を見るなりディスり始めた
1番の笑いどころだと思うが観客は誰も笑わなかった
いまさら鶴瓶の息子の顔をいじらなくてもいいと思う
母は反面ベタ褒めされていた
元アイドル高橋愛が演じているから当然といえば当然

津田寛治は福井市出身で福井市観光大使
東京の眼鏡職人豊島松太郎を演じているがあの前髪はどういう演技プランの末の代物なのか意味不明

佐々木八郎演じる酒井大地は福井県越前市出身
この子が一期生の落ちこぼれでなかなか仕事がうまくいかない
突然行方不明になるが村人が山を捜索し発見される
村に必要がない人はいないというニュアンスの発言をする場面がむめ演じる北乃きい1番の見せ場

兄貴の嫁さんにいつまでも恋心を抱いているわけだがハッキリ言って気持ち悪い
日活ロマンポルノの設定でありそう
心の妻だからとか歌っている場合ではない
その嫁さんは娘を2人産んでとっくの昔に切り替えているというのに
さっさと大阪の女と結婚しろよとイライラしてくる

近代の町おこしをテーマにした映画といえば『フラガール』は傑作
それに比べると感動とユーモアがかなり足りない
あっちはクライマックスが派手にフラダンスだがこっちは眼鏡の全国博覧会とまあ地味もいいところ

福井県の熱意は伝わってくる
だが何事も熱意だけではダメなんだ
眼鏡男子としては高く評価してあげたいところだが色眼鏡で大甘評価はできない
星2.5がいっぱいいっぱいかな
『ネクタイを締めた百姓一揆』よりはだいぶマシだけど
文部科学省推奨だろうとそんなもんは関係ない

配役
五左衛門の妻の増永むめに北乃きい
麻生津村の豪農の長男の増永五左衛門に小泉孝太郎
大阪の眼鏡の卸問屋で働く五左衛門の弟の増永幸八に森崎ウィン
村一番の宮大工から眼鏡枠職人になった増永末吉に駿河太郎
末吉の妻の増永小春に高橋愛
増永一期生では最年少の眼鏡枠職人の佐々木八郎に酒井大地
幸八に恋する清三郎の娘の橋本千代に秋田汐梨
大阪から眼鏡枠づくりの指導にやってきた眼鏡職人の米田与八の妻の米田ミツノに磯野貴理子
東京から麻生津村に眼鏡づくりの指導にやってきた眼鏡職人の豊島松太郎に津田寛治
むめの実家の父の久々津五郎右衛門に榎木孝明
むめの実家の母の久々津きりに東てる美
大阪で眼鏡の卸問屋を営む橋本清三郎に佐野史郎
五左衛門と幸八の母でむめの姑の増永せのにかたせ梨乃

野川新栄