「もしもの世界」ジュリア(s) toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
もしもの世界
運命はあらかじめ決まっているのか、それとも自分の
選択や偶然の重なりによって変わっていくものなのか?
答えは誰にも分からないけれど、もしもあの時こうしていたら
とか、こんな出会いがなかったら今の自分は・・・?とか
誰しも考えたことがあるだろう空想をジュリアの人生で
具体化した、いかにも映画らしい題材。
今の自分とは違う複数のジュリアが描かれているから
題名もJulia(s)となっていて映画の特徴を良く表している。
登場人物は基本的に善人ばかりだった。若気の至りとか
一時の過ちみたいなことは誰にでもある。それでもここには
根性の曲がった嫌な奴はいなくて、映画はそれぞれの
登場人物に寄り添うような優しい雰囲気があった。
ジュリアだけでなく周りの人物の心情も丁寧に描かれている。
親子関係、恋人、仕事、健康のことなど観る人なりに
自分自身の人生と比べてみたり振り返る良いきっかけになりそう。
そういった意味では若い人よりもある程度年齢を重ねた
層ほど響くものがあるのではないか。
映像も音楽も良かったし、4通りの人生を描いていても編集が
良かったせいか、とっ散らかった印象はなかった。
最後はジュリアの長い人生を讃えるような、何か満ち足りた
感覚を与えてくれる終わり方だった。
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