ミッシングのレビュー・感想・評価
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テーマは重いけど観て良かった作品
配信(NetFlix)で視聴。
幼女の失踪事件が作品のテーマだが、報道・SNSでの誹謗中傷もこの作品の見どころ。
もし、貴方が沙織里だったらどうしますか?と観客へ向けて問いかけられた気がした。
テーマは重いけど、観て良かったと思わせてくれた作品。石原さとみ、青木崇高の演技が素晴らしかった。特に石原さとみは◎。
素晴らしい作品でした。色々考えさせられた。
マスコミにすがる母親に疑問
Netflixで鑑賞
映画のストーリーはとても作為的ですが
石原さとみさんをはじめとした
監督から役に追い込まれた役者陣の芝居で
なんとか映画として成立していると感じました
原作なしの吉田監督のオリジナル脚本らしく
マスコミ報道の問題やらSNS上の誹謗中傷など
現実の日本社会の闇をリアリティをもって
描いてはいるのですが
いかんせん、自分の幼い子供がいなくなった
母親、沙織里(石原さとみ)が必死にすがる
相手が静岡ローカルテレビ局の記者
砂田(中村倫也)だという設定に疑問符がつく
通常だったら母親は警察を真っ先に頼るのでは
ないだろうか?
しかも、この手の映画であれば
マスコミは偏向報道をして被害者である
家族をも被疑者に仕立て上げる可能性があり
事件に巻き込まれた母親からすると
マスコミは「敵」のような扱いを受けるのが
常套手段として用いられる
だが、吉田監督は報道の裏の闇を描きたいがため
母親は「警察」ではなく「記者」にすがらせるよう
脚本の中に仕組んでいると見て取れる
マスコミとは対照的に「警察」はほぼ傍観している
だけという描き方は、事件性のない「失踪」では
警察は何もしてくれないという事なんだろう
ドキュメンタリー映画ではない以上
フィクション映画にどこまでリアリティを求めるかは
脚本家、監督次第ではあるが
なんとかして娘を探し出したいという
母親の執念が、唯一頼れるローカルテレビの
「記者」だという設定には少々呆れてしまった
おそらく、これが実話なら
マスコミが一番信用できないと私は思うからだ
そのあたりを砂田記者を演じる中村倫也の
芝居で「報道記者」としての葛藤を描いて
見せてはいるのだが、どうにも不自然な感じが
否めない
そして、私が2番目に疑問に感じたのが
父親である豊を演じる、 青木崇高の冷静さである
娘が失踪して一番取り乱すのは父親では
ないだろうかと私は考えるからだ
この映画では母親は錯乱状態とも言える
狂気なまでの絶望感を常に醸し出しているのだが
彼女とは対照的に、父親は常に冷静にいようと
している姿が逆に異様に感じてしまった
要所、要所で父親は必死に冷静さを
保とうとしている様子を見せてはいるが
冒頭から傍観者にしか見えないのは
演出的に失敗だと思う
(ラストちかくで男泣き姿はあるのだが)
あくまで個人的な感想だが
自分の娘がいなくなったら父親は
あんなに冷静でいられるはずがないと思っている
総合的な感想としては
登場人物たちのキャラクターや感情表現が
節々で不自然に感じさせられてしまい
リアルな作風の映画だったが故に
とても残念に感じてしまった
石原さとみの錯乱したお芝居が
ホラー映画を見ているような感じで
思わず涙よりも先にひいてしまったが
作為的なフィクションとリアリティある
設定がごちゃ混ぜになった
とても複雑な感情にさせる映画ではある
残念
痛みをもつ者への救いと必要な正しさを考えさせる
2024年劇場鑑賞34本目 傑作 77点
今作を語る前に3年前の同監督作品である空白は、その年の個人的劇場鑑賞本数約60本中の8位の作品で、亡き娘の等身大に向き合えていなかったことや謝ることしかできないやるせなさ、古田新太の周りの人に向ける鋭利な矢印や心が疲弊した松坂桃李がお弁当屋さんに向けた悲しい矢印、マスコミやメディア、それらを消化する我々と、すべての人の自覚なき小さくて大きな矢印の交錯で一番疲弊した当事者が、全部を救われるわけじゃないけど、呼吸を整えられるような、優しいそよ風を最後に浴びるささやかな救済を描いていて
今作は、制作に着手する時から前作の兄弟作として構想していたそうで、構造や擬似点は多く感じるのは満場一致で、その中でもあえて違う点を挙げるとするなら、事件の種類が異なることからできる要因である
というのも、前作は交通事故で今作は誘拐事件だからで、前者だと被害者が死亡か怪我を負ったが生きているかがすぐにわかり、加害者やそれに関わったであろう人物が逃走や死亡、行方をくらまさない限り早期に浮き彫りになるのに対し、後者だと行方不明の人物の生存も事件の犯人もわからないまま進行していくので、言ったらまだ希望があるふうにも取れる
だが、それゆえ翻弄されていく被害家族の希望の芽を潰される様な数々の出来事は、前者の特大アッパーよりも連続ジャブの方が疲弊し壊れていくのかもしれない
だからこそ前作との終わり方も差別化が図れていて、勿論前述したように両作とも最後に救済があるが、その描きの濃度と、その救いが当事者が迎えにいくか、些細に感じるかで分けられている
今作も登場人物の行動心理の原理原則が忠実で、どのジャンルを撮らせても傑作を産む吉田恵輔監督の取材力と想像力がうかがえる
最後、子供達の登校時間に信号の旗持ちのバイトを始めて、少年に「このおばさん知らない」の一言に対して、「お姉さんね」と言葉を交わすのが、娘が帰ってこなくなった日から時が止まり、あの頃に取り残されている故自身の感覚と心身衰えた格好に自覚がないのと同時に、少しずつ自身を歩み始め、心無い矢印にも無気にならずに返せる様になった、余裕が生まれてた瞬間である
是非
すぐれた俳優、凡庸すぎる物語
これは俳優陣の熱演・怪演だけで成り立っている作品で、その筆頭はもちろん石原さとみ。すごいですねえ。こんなことができる人だとは、正直思っていなかった。そして不器用な弟役の森優作、報道記者役の中村倫也が、鮮烈な印象を残します。
が、映画は演技用カメラテストではないのでそれだけでは成立しない。この作品についていえば脚本の感覚が凡庸・通俗にすぎて、ちょっと耐えられない。ネット批評も薄っぺらいし、テレビ局描写も、世のマスコミ批判を真に受けて自分であんまり考えてないのが丸わかりです。
そりゃ子供の行方不明事件もネットの誹謗中傷もつらい社会問題でしょうが、それはそれ、これはこれ。映画の完成度とはまったく別の話ですね。そういう話を知りたいときは、私は映画なんか見ないできちんと取材したリポート記事や公的調査にあたります。
フィクションでなければならない理由、フィクションだからこそが現実だけでは描けない真実にこの映画が届いているかというと、まるっきり程遠いと思います。
カメラは、だいたい適正。というよりも石原さとみや森優作のすばらしい演技が、すくなくとも邪魔されていない。だけど編集が、やっぱり凡庸なんですよね。オープニングの子供の笑顔連発とか、終盤のズームバックの連続とか…。ラストショットは、ちょっと印象に残りました。
中村倫也さんって、、、
虎舞竜…
世界を変える
素晴らしかったと言うより凄まじかった。
石原さとみさんってこんなスゴい女優だったのか!
と驚いた。
と言うのも、私の妻は沼津出身で、
まさにこの同じ状況になったら
同じように正しく壊れて行くような気がしました。
口調や態度なんかホントにこのまま。
娘を失う前の彼女の生活も容易に想像出来る、
それくらい深みのあるリアリティーある演技でした。
石原さとみさんだけでなく青木崇高さんの少し冷静でいる
けど内心はそうではない、一つ一つの言葉や
表面張力のようにあと一滴で感情が溢れそうになる
演技も、
弟役の俳優さんや
中村倫也さんの正義とはなんなのか揺れ動く記者も
素晴らしかった。
邦画の力を感じましたし、
この映画を観てこの家族に少しでも寄り添えたなら
世界は変わるんじゃないかな?
と年甲斐もなく熱い気持ちになりました。
救わないリアル
石原さとみの演技は大したもんだと思う
人間の深層心理を掘り下げるようなストーリー展開
「空白」や「ヒメアノ~ル」と同様に、吉田監督ならではの人間の深層心理を掘り下げるようなストーリー展開に引き込まれました。「ミッシング」でも、観る者はその緻密な描写に圧倒されます。特に、石原さんが演じる母親が、娘の失踪という絶望的な状況の中で徐々に心を失っていく様子は、胸が締めつけられるほど切なく感じました。
母親としての感情が揺れ動き、時にはエゴや錯乱を見せる姿は、観ている私たちの心にも強く訴えかけ、感情移入せざるを得ませんでした。彼女の苦しみと葛藤は、痛々しいほどリアルで、観客もまたその心情に引き込まれていきます。しかし、最終的に彼女が平常心を取り戻していく様子は、決して安易な解決ではなく、深く考えさせられるものでした。
SNSで好き勝手に無責任に心をえぐるような書き込みに耐えられませんでした。SNSの匿名性を利用した誹謗中傷は、まるでナイフのように主人公の心を切り裂いていきます。ネット上の言葉は、一度発信されると簡単には消し去ることができず、その影響は長く尾を引きます。この作品の恐ろしいところは、そんなネットの闇が、現実世界に生きる人々の心を深く傷つけてしまうことを、生々しく描き出していました。
吉田監督の作品は、毎回観終わった後に、自分自身と向き合わせられるきっかけを与えてくれます。「ミッシング」もその一つであり、ただのドラマにとどまらず、私たちの心に問いかける作品だと感じました。
スターサンズの感動作をみた!
数多くの作品を世に出しているスターサンズですが、感動作が多く、藤井道人監督や吉田監督、石井監督等の有名な監督作品が並んでます。
今回の「ミッシング」も感動の一つ。「月」「パレード」「ヴィレッジ」等も素晴らしい。
これからも、スターサンズの作品を応援したいと思います。
演技家事??
石原さとみさん・・演技過剰な感じも・・。
普段自動車で仕事に通ってる人が・・仕事帰りに何故、チャリでコンビニへ???、コンビニのエピソード作りたくての演出???。商店街のアーケードでの諍いも、わざわざ作った感否めず・・すごく不自然・・。
石原さんの家族のイメージだと・・ワーゲン乗るかなぁ??。壁に残った娘ちゃんの落書き跡も・・不自然でわざとらしい感否めず・・。 石原さんの衣装も・・メーカーとのタイアップなのか?? 不自然に目立つし頻繁に変わる・・・。
お漏らしは必要ないだろうし、あんなときはしないだろ?
演出がひとりよがり過ぎな感じ。
演出家?監督は・・子育てしたこと、子供を持ったことがないのでは???と思ってしまう・・。
報道、メディア、テレビのあり方への問題提起には素直に頷きます。
待ち続ける家族の痛み
正視出来ない辛さがある
子どもの行方不明事件のたびに思う。
親の辛さや苦しみは描き切れるものではないと。
「どんな些細な事でも構いません、ご協力お願い致します」
冒頭のこの言葉が心から搾り出されるものである事は、人の親であれば、大抵の人間が共感する。
マスコミの非人道的な取材は言われて久しい。
ネットの書き込み誹謗中傷も 今でも日常茶飯事で、ただ、
開示請求が出来ることが知られて 少しは収まったのであろうか。
記憶にあるのはキャンプ場で行方不明になった女の子の事件。
ペットのトリマーのお店を経営していた母親に対する誹謗中傷は目に余る物があった。
この作品の中のミスリードは弟の存在で、アパートの出入り口での応酬は見応えある。
石原さとみの演技は申し分ない。
青木崇高の懐の大きい夫役も実際リアルなのである。
妻が荒れ狂う程に逆に冷静になれるのはある話で、妻の狂気を重いと感じてしまう反面、それでもそこに実はおのれが救われているのだ。自分で気づいているいないに関わらず。
自分の母親に対し 母親(美保純)のわかり切った質問にイラつき甘えも含めて当たり散らすのも まるでうちの2番目の娘を見てるようだわ。
夫婦で 「私と温度が違う」って言うところ
急に号泣するところ
精神がグチャグチャになっていくところ
中村倫也演じるマスコミの良心と 上司の命令との板挟み
彼の車を追いかけ涙まみれで窓を叩く石原さとみの演技はもはや演技を超えて胸を打つ。
非常に辛くて見続ける気持ちを維持するのは容易ではなかった。
そしてモブの存在を強調するところ
これは いくつもあったのは もうちょい少なくてもいいんじゃないかとは思う。
弟が職を失い それでも 姉に 吐露する場面は 痛い。
そして 周りの人間が当事者ではない事の対比。
小学生が一人で登下校する日本は もういつまでも続かないだろう。
うちの8歳は もう一人で遊びに行く事もないし送迎なしでの登下校もない。
目を離す時間はほぼないのだ。
そうでもしなくては 行方不明にならず死なず性被害を受けずに成長させることは難しいと感じるのである。
私は孫たちみんなに空手か合気道を習って欲しいとさえ思っているのである。
それが 考えすぎとかノイローゼとか言われる時代は過ぎてると思ってる!!!
(でも誰も習ってくれない)
想像できないほど 狂うほど
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