ミッシングのレビュー・感想・評価
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見ごたえ抜群
映画の内容の切り取り方としてはかなり面白い。誘拐失踪事件のこの時間をシーンとしてすべて切り取るのはなかなか至難の技。絶対に行き詰まると思ったが今作はちゃんと切り抜いている。
キャストの演技が素晴らしい。特に石原さとみは素晴らしい。主人公の演技を見るだけでも足を運ぶべき。
子を持つ親も観ると感情移入出来る
少し違った観点からの観方で。
今年188本目(合計1,280本目/今月(2024年5月度)22本目)。
(前の作品 「ハピネス」→この作品「ミッシング」→次の作品「猿の惑星」)
静岡県を舞台にする(この点後述)、女児行方不明事件に対する、親の態度や、マスコミの過熱ともいえる報道体制、警察のやる気なしっぽい対応ほかが論点の映画です。
この監督の方の過去の作品のレビューでは、前々から「そういう事件性のあるものは当事者が動かず弁護士に相談したほうが良い」ということは前々から書いていますが(事件性のあるものを、弁護士以外が行うとアウトなので注意。行政書士もできません)、その点はもう三番煎じなのでもうすっ飛ばします。
言いたいこと自体はかなり理解がしやすいし、途中で起きるできごと(いたずら電話、ネット炎上ほか)も現在(令和5~6)にあるような話題で、ここについて触れられていたのは良かったなといったところです。また、マスコミの過剰報道ほかについても明確に触れられていたのはこれもまた良かったところです。
マスコミの過剰報道や「警察のやる気なし」については、なかなか一市民(一県民)がどうこうできるわけではないですが、ネットの炎上に加担しない、いたずら電話などをかけないといった当たり前の話は誰にでも通用することであり、この点について問題提起があったのは良かったところです。
エンディングに近くなると動きが出ますが、結末がどうなるかは見てのお楽しみといったところでしょう。
採点に関しては以下を考慮しています。
なお、「静岡県が舞台である」という点については後述します。
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(減点0.2/「刑事告訴し」…)
・ 意味を理解しなくもないですが、前後の関係から「起訴し」が正しいです。
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(減点なし/参考/静岡県において何が起きたか)
以下は、実際の映画監督さんやいわゆる「××映画プロジェクト」(いわゆる製作委員会形式)の類が想定しているかどうかは予測外です(そうかどうかは区別がつかない)。
日本の刑事事件の最高刑は死刑ですが、戦後まもない事件においては、戦後の混乱期もあり、まともな調査も行われないまま死刑が確定し、そのあとの粘り強い再審請求で無罪を勝ち取った事案があります。代表的なものが4つあります。
静岡については、今の(当時も)島田市で起きた幼女誘拐事件に関し、何ら証拠もないのに被疑者を逮捕して最高裁で死刑が確定するも粘り強い再審請求で無罪が確定した事情があります(「島田事件」)。
このことはまだネットもなければテレビ局も1つあるかないか、下手すればまだラジオや新聞のほうが影響が強く(まだ、インターネットなるものは存在しない)、新聞にせよラジオにせよ根拠があろうがなかろうが「黒と書けば黒」というような風潮があり、また、静岡県警もこの事案についてはまともな調査をしていない(よって、真犯人が誰かもいまだにわからず、もはや追えない状況)ことも再審請求から明らかになっています。こうした事案は何も都市部(東京大阪)に限らず、地域特性(地域によっては、警察が好き放題したり、マスコミが好き放題したりといったところがある)によるところが大きいです。
翻ってこの映画を見ると、一部において重複している点があり(小さい女の子が絡んでいる点、マスコミの暴走、警察のやる気なしほか)、個人的にはこの事件をある程度意識したのではなかろうか…といった見方です。
※ こういった事案で日本では大きな事件に限っても4つあり、そのうちの一つが島田事件(静岡)であり、実際に無罪を勝ち取れた一つの事案です。戦後間もない時期であるという特殊事情はありましょうが、昭和末期から平成一桁くらいまではこうした状況は程度の差はあっても変わっておらず、法律系資格持ちとしても思想の一つとして「死刑を積極的に推進する立場に立たない」のはこうした事情があるからです(令和6年時点においても、合理的に疑義が残る事件はいくつか存在します)。
鑑賞後、本当に小刻みな震えが止まらなかった
「石原さとみがすごい」という感想で終わらせたくなくて上手く言葉を探してみたけど、見つからない。
観ている時もその後も、心の体力が必要なので鑑賞後に心を休ませる時間を作っておくといいかもしれません。
とあるシーンの石原さとみさんの演技に没入しすぎてしまい吐き気と震えが止まらず、途中何度か「もう観るのやめたい」と思ってしまった。
でも作中の両親達は絶望の中でもやめるなんて選択肢はなく、生き地獄のような毎日を過ごして娘を探し続けている。
感動や悲しみとはまた違う、自分自身でもよく分からない涙を何度も流しました。
主要キャストの方々があまりに素晴らしかったので、台詞が一言くらいの ほんの少ししか出てこないような役者さん達の演技でスンと冷めてしまう部分がいくつかあり、そこだけがとても残念。
もう一度挑める心の体力が無いので二度と観ることはできないけど、それでも高評価をつけたい、心にズシンと残る映画でした。
他人事
物事って自分のテリトリーに問題が起こらないと他人事。
これは綺麗事でも何でもない。
殺人、戦争、イジメ、それを情報操作、金、視聴率を目的にいじりまくりテレビで流す、それが仕事なので仕方がないが、まあ観てる方も寝転びながらや、飯食いながら片手間で観てるくらいで、大谷選手の活躍の方がよっぽど気になる。
SNSなんて自分の内容にはかなり力をいれてるのに、反面他人素人のSNSの内容なんてどうでもよい、そのどうでもいい事に適当に誹謗コメントするから、受け取る自分との温度差が違う事にショックを受けるんでしょうね。
私はおっさんなんでSNS世代の事は良くわからないが、考えると学生の頃のカラオケボックスと似てるかな、友人の歌なんてどうでも良いし聴いてるフリ、長い曲入れたらイライラ、歌い終わったらアウトロ切れよって。
早く俺の上手い歌を聴かせたいなぁ! 友人からしたら全く同じ考えでしょうね、今は聴くのが大好きですがw
まあ映画とそれてしまったけど、この作品に感想や良い答えなんてでてこないでしょうね。
石原さとみさんから監督にアプローチされたそうで、石原さんもこれからの女優像を見据えてたんでしょうね、迫真の演技が伝わりました。
虎舞竜のロードはたしかに気付きましたねw
大きい絶望、ごく小さな希望、良い作品でした。
進化した石原さとみ作品
全体的に予告観ていた通り、イメージ、想像通りの映画で、面白かった。今作品は石原さとみ自らが自分を壊したいと、吉田監督に懇願した。でも吉田監督には石原さとみは有名過ぎるって一回は断られる。大分時間が経ち、石原さとみの為の脚本がやっと出来上がり、オファーで、この映画。
ん?相変わらず演技は上手いが、いつも通りだぞ?何か変わったか?脱皮したのか?
中盤になって、やっと分かった。イカれた石原さとみを観て、なるほど、そーいう事か。事前に知らなければ流す程度だが、知って観ると違いに気づく。
監督にドキュメンタリーにみたいな演技を求められたっていうのも頷ける、
作品云々より、違う視点で観ていた自分。
本題
ストーリーは普通に面白いが、前半イライラ。石原さとみ役の勝手さ、都合の良さに。また弟のあの態度に。あと先輩デスク!!あいつ嫌い。後半にはやっと同情できた。いつの間にか、イライラも消えていた、不思議。
脱線
笑うシーンではないが、①公園で石原さとみが弟にちゃんとやれよ!って罵倒するシーン。あれは超ウケた🤣🤣🤣 ②小野さんの泣いて鼻水シーンで、中村倫也がよく出るね。(笑)あれもオモロかった🤣🤣 そりゃ泣けばそんくらい出るよ。でも叱られてあんなに泣くのか?(笑)
久しぶりに長くなったが、事件モノと言うより事件を通しての人間模様を観る映画でした。テイストは病気モノのような雰囲気。ラストの映像と音楽はなんかステキで好きだった。
つらいなー。
重いと言うかしんどいと言うか観ていて辛い作品だった。作中の善意と悪意のバランスが偏ってんだよ。映画的な分かりやすい悪者が出てくる訳でもないのに不安感しか無い。観ている客の気持ちの落ち着きどころが無い。滅茶苦茶元気な時に観ても一気に疲れる映画。
うーむ。 石原さとみの演技得意じゃない、、 オリジナル脚本とはある...
うーむ。
石原さとみの演技得意じゃない、、
オリジナル脚本とはあるものの某事件が思い出される
見守りボランティアをするようになる結末が全てな気がした。なんでデマを言いふらす人とかってそうゆうことするんだろ。ストレスは人に当てて発散するんじゃなく自分としてや社会的に昇華できるといいよなぁ。だとしても我が子いなくなったらおかしくなるよなぁ。
夫役のあのなんというか夫感がすごくリアルだった!
オープニングの題字までとエンディングの虹の光がやけに綺麗だった
チンピラ集団と口論二人組の演技が、、
・完成披露試写会
石原さとみの本気を見た!
Filmarks大阪プレミアム試写会にて。
大好きな吉田恵輔監督の映画に「心揺れる」なんてあまりにも安直な…とハードルを上げて臨んだが。心揺れた。突き抜けた傑作。忖度なしです。
愛娘の失踪からの家族の葛藤や温度差、SNSの嫌な切り取り方や悪意のある書き込み、メディアの印象操作。ここだけ観ると映画で取り上げられがちなテーマのように思えるけど、多層に渡って観客を試すかのように揺さぶった結果のまさかの着地点。こういう映画では珍しい『決着してないのに決着した』結末。お見事。
石原さとみが吉田恵輔監督の作品に出たいと直談判した意味が、上映前に「こういう作品に出たかった」と「一人でも多くの人に届いて欲しい」と言い切った意味がはっきりと分かる。舞台挨拶中の石原さとみは、作品内には出てこない。『ボディーソープで髪を洗う』など、徹底した役作りでオーラを微塵も感じない。あるシーンでの泣き方は、ただ単に「叫ばせとけばいい」というお涙頂戴系で片付けられない、演技力の賜物だと思いました。良くぞこの作品に巡り合ってくれた。
青木崇高との夫婦関係の会話があまりにもリアルで。『温度差』と言うけれど、「夫は冷静」とこっちが勝手にジャッジするのも違う気がするし、かと言って妻の地雷ワードや振る舞いに飛び込んでる気もするし、でも夫は間違ったと思ったらちゃんと謝るし…ぶつかり合っても奥底では繋がってる、けど考え方は違う、このせめぎあいというかピリピリ感が画面越しからも伝わり没入してしまう。
そして、夫が唯一と言って良い泣き崩れるシーンが、対峙する相手も悪意はないのは重々承知で、どれもあなたの立場でそれを言われると厳しいよ…っていうね。この設定はダメだよ…😭妻を「強いね」って言ってから数日後の出来事だもんね…。
この『悪意はない、善意のつもりだけど…』っていうのと『悪意丸出しの悪意』が作品内に共存していて、それを別物として受け取る当事者と、同じ物として受け取る当事者が共存しているのが作品の奥深さだなと思う。「こいつムカつくわ〜」っていうオバちゃんが3人くらい出てくるんだけど、最低で最高なシーン。どこから見つけてきたんだっていうベストキャスティング。
弟役の方も目の奥から狂気が伝わってきて。でもこれを「狂気」と思って決めつけることですらね…という監督の掌の上。
悪質なネットの書き込みを見て、悪質なネットの書き込みのような言葉を弟にぶつける。この表裏一体さ。
メディアとしての矜持に揺れる中村倫也の役。「悲劇の家族」としての演出をつけるシーンのキツさ。求められてる映像と、自分が撮りたい映像、保つべき中立の報道姿勢のせめぎあい。出世する人間は下世話じゃないといけないのか。失敗ばかりの新人もそうやって擦れていくのか。
見逃してるところもたくさんあると思うけど、どのシーンも何かを暗喩しているように思えるけど、はっきりとは説明しないのもこの監督の好きなところ。何かを言ってるけど聞き取れず曇る窓。買い占められたヤクルト1000。バンドTシャツ。見つからないアザラシ。自分も見てて『虎舞竜じゃん』って思っちゃったもん…発言するかは別として、ダメだよ…😭
石原さとみが後半に選んだボランティアがあまりにも不穏で、『頼むから石原さとみも子どもも犠牲にならないでくれ…』と思ったけど、そこは安易に事故に振り切らなかったのも信頼できる作り手。
ほぼラストシーンの虹と影の演出…涙なしでは見られなかった。無の時間があるエンドロールの入りも良かった。
この感想すら自分の見方の一部の切り取りだな…罪だな…と思わされるほど、胸にずしりと重たいパンチを撃たれました。もう一度観たいと諸手を上げて言えないけど、もう一度観ないとなと思わされました。
圧倒的な感情の塊を浴びて、こちら側にいることを再認識する
試写にて鑑賞。
口が裂けても「気持ちがわかる」なんてことは言えないけれど圧倒的な物量で感情が飛んできて、こちらの心も抉られる。
つらい、かなしい、ムカつく、イラつく、後悔、不快、どうしようもない。あらゆる負の感情にどうしようもなくただただ涙が溢れる。嗚咽すら漏れそうになる。
そんな中であるセリフに引っかかる。ふと冷静になる。そこを見越した次のセリフに愕然となる。どんなに感情を揺さぶられようとも、自分は単なる傍観者で、彼らの感情をただ悪戯にエンタメとしてみている現実を突きつけられる。あくまで私は当事者ではなく、こちら側。事実というものを面白がってみているだけのこの気持ち悪さや憤りを醸成する社会というものの一部だとわからされる。
そんなに突き放されるのに、最後にはやはりもう一度感情が引き込まれてぐちゃぐちゃになる。心を掻きむしりたくなる。
ただただ圧巻。
石原さんと青木さんの夫婦役が自然で泣ける!
胸に迫るとか、胸が張り裂けそうとか
表現は色々あるけれど、そんな形容詞が陳腐なほど、、
衝撃的なストーリーでした。
石原さんの演技、芝居、が
クレイジーなほど素晴らしくて
ちょっとびっくりしました。
後半の青木さんの涙はもらい泣き必至なんで
ハンカチかティッシュを!
snsのあり方、報道の裏など社会勉強にもなる
話で、一食抜いても是非です!
石原さとみの魂の演技に注目!
試写会当選@新宿ピカデリー🌟 Filmarksさんありがとう😊💕
やってしまった……
グサっと刺さる映画に出逢うと「この感動をどう伝えよう」「どんな風にレビューしよう」なんて素人のくせに書き方悩んでるうちに時間ばかりが過ぎていき……試写会のレビュー投稿期限過ぎていたという悪循環(Filmarksさんごめんなさい🙇♀️)。
試写会当選してから観賞までの間に、ひと足先にこの映画を観たという人からとにかく凄かった映画としてオススメされた。邦画で?石原さとみで?(←石原さんすみません💦)んなわけないやーん!と内心ツッコミ気味で挑んだ完成披露試写会当日。
登壇した監督とキャストの皆さんから伝わる仲の良さ。冒頭の挨拶で感極まる主演石原さとみ。その理由がこれまでの自分を壊してほしいと監督の映画に出演したい旨に直談判したのが7年前。一度は断られたけど、新作書きました、と監督が突如石原さんに連絡してきたのが3年前。直後に妊娠が発覚して、出産を終えるまで待ってくれたという監督の思いやり。そして今、公開まで残すところあとひと月のところまでたどり着いた、という石原さとみの想いの強さ。クランクアップ後の打ち上げでは『公開までなんとかみんな不祥事を起こさないで欲しい』と挨拶したとか。気持ちの詰まった作品なんだ〜と観る前からハードル爆上がりwww
でもね、凄かった。
そこに“石原さとみ”は居なかった。
そこに観たのは自分のことは二の次三の次、自分の時間は子供のためにほとんど使っているという世の中によく居る“お母さん”。
突如その子供が消えてしまったらそのお母さんはどうなってしまうのか。想像するは易し。でも想像以上の壮絶さが感じられた新しい石原さとみがそこには居た。
主演だけでなく、周縁キャストも凄い。
ある種モキュメンタリーを観ているような感覚にすら陥る。砂田の後輩が局長賞を獲り、みんなの前でひとこと話して金一封を受け取るシーン。あたしの後ろに座っていた人が「つい」一緒になって拍手してた。それほどリアルでみんな入り込んでたんだと思う。
時代の流れとともに「リアル」のあり方も変わる。そこに感じるべき違和感を切り出してくれた監督の社会への問題提起作。
細かいところまで観たいから公開されたらもう一度行こ💕
いい映画でした♪
キャストの方々の演技が圧巻!オススメ作品。
完成披露試写会にて鑑賞。
重い内容ながらも、自ずと周りにオススメしたくなるし、また鑑賞したくなる素敵な作品。
キャストの方々の圧巻の演技や、スクリーン内のこととも思えないリアリティさがあり、かなり引き込まれました。
劇中に感じる気持ち悪さと違和感を体感してほしい
苦しい世界の中、光があたたかくて優しかったりサントラが美しくて希望のようで苦しい気持ちを癒してくれました。劇中に感じる気持ち悪さと違和感は今も起きてる現実なのがとても怖い。これが現状なんだと実感しました。今の時代を生きる全ての人に届いてほしい作品です。
自分より大事なものが消えてしまったら
どの言葉も正しく心に響き、一瞬足りとも油断できず、絶え間なくペンチでつねって捻るような痛みが続く。
痛みがわかるってどのくらいわかってますか、は恐ろしいほど真実。
物事を想像で語ってはならない理由がわかった気がする。
彼女が藁をも縋る気持ちで集めてる情報。誰かのいたずらな好奇心で出されるちょっかいにどこまでも引きずられて、更に自分を消耗して行く様はとてもとても心が痛かった。
報道する側も自分の仕事とのジレンマに苦しんでいる辛さが伝わる。
助けて欲しい人と助けたい人も、欲しい結果は同じなのに、それまでの道にどれほど自分も他人も傷付かねばならんのか。
楽しい思い出のかけらが突然ナイフになってザクザク降りかかってくる。
「あんなに怒らなきゃよかった。」は私も子育てをした中でほんとに後悔している事の一つ。
よくあんな可愛い生き物に感情的に怒ってたな自分、と過去の出来事を振り返るたびに反省するけど、一緒にいる今でさえそうなら、今姿が目の前にいない子に対してならどれほど辛く思い出すだろうと思う。
その場所から逃げようにも、いつ子どもが戻ってくるかもしれない希望で逃げられない、もうどうにも行き場がない生き地獄に観ている方も胸が締め付けられる。
この状況で、このどうしようもない気持ちとどう折り合いをつけろというのか。
石原さとみちゃんの熱演が凄かった。
あの慟哭は演技というより役の憑依!
自分より大事なものが消えてしまったら、自分を保てなくなって当たり前だよな。
しかし素晴らしかった。
可愛いだけじゃないのね!!
あと音が必要最低限なのもよかったな。
その分すごく音に敏感になれた。
そしてフライヤーにうっすら写ってたプリズム光が、とても印象的だった。
映画観たらわかるやつ。
現実は映画のようにはいかない
試写にて。
「空白」「神は見返りを求める」と来て、吉田恵輔監督の新作は子を失った母親の物語。上記2作品を1つにしたような、完全なる吉田アンサンブル。もう二度と見たくない。それくらい、キツくてキツくてどうしようもない。現代版「福田村事件」。人間の生臭さが、見る者の心をえぐりまくる。ある意味グロ注意。でもこれが、現実なんだよ。
石原さとみはこの映画が育休からの復帰作とのことなんだけど、、、いやいやヤバいだろ。なんちゅう役やらせてるんだ。「そしてバトンは渡された」の時は、まだ綺麗なお姉さんという印象で今回も正直期待していなかったんだけど、育休を経て変わったのか、すっかりお母さんだった。石原さとみと言えば、できる女って感じの役柄が多く、こんな絶望に立たされた人物を演じているイメージがなかったんだけど、上手すぎて驚愕。もう、怖いくらい。
みんな自分のことばっかりで、周りなんて見えてない。昇進のため、好感度のために。自己犠牲を図る、映画のようなヒーローは現実にはいない。当たり前だけど、誰だって自分が一番なんだよ。子も心も失った沙織里(石原さとみ)の、終わりの見えない絶望の世界で、ひたすら身体中が痛くなる。苦しいことばかりでも、微かに差す小さな光を目がけて。公開は5月17日です。万全の体調でご覧下さい。
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