ミッシングのレビュー・感想・評価
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長い苦しみを経て差した一筋の僅かな光
改めて感想を残すのがすごく難しい作品。
娯楽を求めて行くと火傷するだろうし、これを観て得たものはあまりないように思うんだけど、それでもとても心に残る作品でした。
演者さんの演技力の凄さはもちろんの事なのですが、これは監督が「人間」をよく理解出来てないと作れない作品だとも思う。
人によっては起承転結の結が弱いと思うかもしれませんが、長い苦しみの中もがいてもそう上手くは行かない中で、ほんの僅かな光が差し込むことでただの胸糞系で終わらずに済んでいると思いますし、僕としてはすごく完成度が高くて満足のいく作品でした。
狂った世界で生きる私たちの物語
ニュースで悲惨な事件ばかり、報道される、しかし私たちは、1週間、一ヶ月もたてば忘れてしまう。そこには悲しんでいる被害者がいるというのも、徐々に忘れていってしまう。
身近な人や大事な人なら勿論、別だが、人間は他人の大きな事件は忘れていく。しかし、人間はそんな悲しい事ばかり抱えて生きて行けないのも事実。
私達はこの狂った世界で生きていれば、いつ、その身近なひとが当事者になるかもわからない。もっと想像力、優しさを持って生きなくては行けないといけない。
しかし、狂ったこの世界でも人間はその喜びや小さな光で勇気や喜びをもらい、生きていけるのかもしれない。
姿の見えない悪意はやはり怖い
どこかの町でたまに起こる幼児失踪事件。事故で亡くなって遺体が見つからなかったり、誰かが連れ去ったり、誰かに殺されて遺体が見つからなかったりするのかもしれない。昔と違って今の失踪事件は、なぜ目を離したとか、管理ができていない等、被害者である幼児の親に批判の目が向けられるときがある。さらに親が殺したんじゃないかという誹謗中傷さえ起こることがある。SNSの弊害ともいうべき状況だ。
この映画で描かれるのは、なぜ娘がいなくなったのか、誰が犯人なのかではなく、あくまで娘がいなくなって苦悩し奔走する夫婦の姿だった。情報提供を呼びかけ、マスコミに働きかけ、まったく手がかりがつかめず、誹謗中傷も受けたりしながら、徐々に精神的に追い詰められていく。娘が見つからない苛立ちを周りにぶつける母親を演じた石原さとみの演技が迫真すぎて観ているこちらがほんの少しイラッとしてしまった。でもこの状況ではイラッとする感情が許されない気がしてしまう。観ているこちらが試されているかのような感覚に陥ってしまった。
本作では、登場する人たちに総じて悪い人はいない(ように見える)。彼ら夫婦を支えようとする人たちも多い。悪い側に立ちがちなマスコミの対応にしても、その立場を考えてみると仕方ないよなと思える部分もある。そう、悪意をまき散らすのは、いつも姿が見えない人たちだ。わかってはいるが、そのことを強く意識させる映画だった。
娘を探すあの夫婦の活動には終わりがない。活動を終えることで娘のことを諦める=娘に愛情がないと(自分たちで)判断してしまうから。もしかしたらそんな批判をする、姿が見えない他人もいるかもしれない。それでも映画のラストのように日々を過ごせるのであればあの夫婦はまだマシなのかもしれない。実際に起こった失踪事件ではもっと過酷な状況置かれている人もいるんじゃないかと推測してしまう。
いろいろと心を揺さぶられる映画だった。オリジナル脚本でここまで揺さぶられるなんて素晴らしい。誰もにすごくいい映画だと強く勧めることはできないかもしれない。それでもわかってくれそうな人にはいい映画だったと強く勧めようと思う。
スターサンズ…⭐︎
スターサンズの企画ということを見逃してしまっての鑑賞。
久しぶりに骨太な味わえる作品だった。
行方不明になった娘を探す石原さとみと青木崇高の夫婦を中心に静岡テレビ勤務という設定の中村倫也と
弟役の森優作が絡み物語は進んで行く。
テレビ局の取材がわざとらしく、おきまりのSNSの炎上と続いていくのだか役者さんの演技が迫力が
あり、結構夢中で見ることが出来る。
石原さとみは、こんなに演技が出来たっけ⁇と思うくらい狂ったような母親を見事に演じ、
青木崇高は昔 NHKで放映された中園ミホ脚本の「はつ恋」に出てくる何とも優しい夫を
思い出してしまうキャラクター。
中村倫也も森優作(こういうイメージの役が多いなぁ…)も印象的だった。
終盤、報道の現場が繰り返され「報道」の意味とか立場とか「新聞記者」をのイメージと
重なるのはスターサンズだからか。
物語もへんにお涙頂戴になっていないし、
ラストは自分には納得して、良かったと思う終わり方だった。
エンディングも大音響の歌ではなく、美しいソロピアノで終わってくれた。
良いなぁ…。
とにかく石原さとみだが青木崇高に泣く
よかった。面白かった。石原さとみの芝居が鼻につき過ぎたらどうしようと思ったけど、ギリギリうまく残った、みたいなことも含めて緊張感のある映画だった。冒頭口半開きの石原さとみの出足は悪くなかったが、いづれにせよ使う側のセンスに負うところは大きい。
同じ吉田恵輔監督の『空白』や春本監督の『由宇子の天秤』とか思い出しながら、だいたい悪意ある吉田恵輔の世界の割にはヒューマン寄りの作品でもあった。とにかく泣かせるのは青木崇高のロングショットの眼差し2発である。あんだけの悪意ある世界のラストでさもない配役から伝えられるソレによって、2時間の徒労の何かが報われる、そのリアクションの美しさ。
ああ、これは犯人はきっと…という決着の予想がついたところで、どちらかというとカサベテス『こわれゆく女』の系譜の映画なのだと理解した。なのでそのこわれっぷりのオーバーアクトは石原さとみからすればよくぞここまで、とは思いつつも、やっぱりこの題材この手法でいくと石原さとみの素の部分が人生を補完してくれない。その分が惜しい。極端な話、誘拐された女の子がやはりもう少し意味を持ってほしい。その意味で、面白くもある虎舞竜ネタの辺りでテーマ自体の空洞は見渡せた。
キャストみなさんの演技がすごい!
予告観て気になっておりいい映画だと聞き鑑賞!
とある街で起きた幼女の失踪事件
あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた
娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない
唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった
そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう
世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく
一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう
それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける
というのがあらすじ!
ドキュメンタリー映画みたいな感じ!
すごく重たい話だけどキャストみなさんの演技がすごい!
砂田さんの気持ちが揺れ動いてる姿になんとも言えない気持ちに…
砂田さん仕事向いてないないんじゃないかなって思ってます笑
そして石原さとみさんの演技すごすぎましたね
どんどん壊れていく姿がみててつらい気持ちになります😔
あのいたずら電話でのシーンはほんとに見てられなくてつらいし悲しい気持ちになりました…
1番衝撃的で印象に残ったシーンになりました…
あと弟さんが虚偽の目撃証言をした理由と昔の出来事を聞いたときだからこんなにも情緒不安定なのかと納得
弟さんと和解できた感じに見えて良かったと思えました😌
最後らへんになると夫婦が少しは前を向けてるように見て少しだけ安堵しましたね
SNSの誹謗中傷やいたずらなどいろいろ考えさせられる映画でした!
フィクションなんですがノンフィクションでテレビで失踪を扱ってる番組の裏側を見たような感じ…
キャストみなさんの演技が凄すぎて息をするのを忘れるぐらいに見入ってしまいました…
石原さとみの演技が今までとは違って迫力があり壊れていく姿がすごすぎました
重たい話ですが素晴らしい映画なのでぜひいろんな人に観てほしいです!
素晴らしい映画をありがとうございました☺️
通過点としてのマイルストーン(里程標)A milestone as a waypoint
感じ方はそれぞれかもしれないけれど、
ここ最近の価値観の変化は激しい。
この映画は、
数年後に観ると、
「あぁ、こんな時代だったんだ」
と、言われるものになるかもしれない。
主演の石原さとみさんのおかげで、
映画にもかかわらず、
今という時代を生々しく切り取ったものになった。
それは娘を失った夫婦、その身内にとどまらず、
それを取り巻く環境も、
象徴的に描いていると思うからだ。
失踪したことを広く知らしめるためのネットが、
被害者である人に向けての刃になり、
それは別の人間にとっては、出世の道具になる。
人として踏みとどまろうとすれば、
見方を変えれば損をし、
企業では、評価されない。
でも映画を見る僕らは、その踏みとどまる態度が
正しいと理解している。
PCやスマホの前にいる、
何のとりえもない人間が、
それを使うことにより、残酷なことを行える。
フィクションなのに、
僕は殺意を覚えた。
そして、自分たちと同じような
隣にいるような人間が、
優しく弱く、真面目がゆえに、
開き直ることも、弁明することもできず、
語らないゆえに誤解される。
どこかで見た光景にあふれている。
出口のないトンネルのような映画だったが、
森優作さんの演じる主人公の弟が、
次へ進めてくれ、映画館を後にすることができた。
たぶん、まだ世の中は変わっていく。
この映画は【今】を切り取って永久保存した。
Everyone may have different feelings about it, but the recent changes in values have been drastic.
This movie might be something that, when watched a few years from now, people will say, "Ah, this was what the times were like."
Thanks to the lead actress, Satomi Ishihara, despite being a film, it vividly captures the essence of the present era.
It not only portrays the couple who lost their daughter and their relatives but also symbolically depicts the surrounding environment.
The internet, used to widely publicize the disappearance, turns into a weapon against the victim and becomes a tool for others' advancement.
If one tries to remain human, from another perspective, they suffer losses and are not valued in the corporate world.
But we, the viewers, understand that this steadfast attitude is the right one.
People with no particular merit, sitting in front of their PCs or smartphones, can commit cruel acts using them.
Even though it's fiction, I felt a sense of murderous rage.
And people just like us, the ones next to us, who are kind, weak, and earnest, end up being misunderstood because they can't brazen it out or explain themselves.
The movie is filled with scenes we've seen somewhere before.
It was like a tunnel with no exit, but the protagonist's brother, played by Yusaku Mori, helped us move forward and leave the theater.
Probably, the world will keep changing.
This movie has permanently preserved the essence of [now].
人間、石原さとみを感じて震えました。
最初から、ずっと激しい怒り、悲しみを一身に演じる石原さとみさんに、感動を有難うと言いたいです。3人の子を持つ親として、涙無くしては、観れません。共演者の素晴らしい愛を感じます。娘と観にいきましたが、最初から、ずっと泣きっぱなしでした。生命をかけて演技してる事が伝わってきました。DVDになれば、必ず買いたいと思います。
女優・石原さとみ様‼️
石原さとみさんは実力のある女優さんだと思う‼️ただこれまで作品に恵まれず、その演技力を発揮する機会に恵まれなかったんじゃないでしょうか⁉️「シン・ゴジラ」でも一人だけ浮いてたし・・・‼️そしてついに今回、その演技力を遺憾なく発揮している作品が、この「ミッシング」です‼️行方不明になった娘を捜す母親役で、泣いて、叫んで、ビラ配って、憔悴しきって、おまけに失禁まで‼️その熱演ぶりは凄まじい‼️母の娘への愛情、娘を失った悲しみ、これからも娘を捜し続ける覚悟が映画全編にみなぎってる‼️もちろん吉田恵輔監督の確かな演出力あってこそとは思うのですが、石原さとみさんの存在なしには成立しなかった映画ですね‼️お見事‼️また、ネットにおける誹謗中傷の問題も印象的に描写されてますが、中村倫也の報道の問題が中途半端に終わってしまったのがザンネン‼️
演技が凄かった。
石原さとみさんのキュルン港区女子のイメージから一転し、日々の生活に自分を後回しにしがちな忙しいママ。そんな彼女が地獄に堕ちてもがいてもがいている姿を見ていて辛さと虚しさと可哀想さ…。なんともやるせない悲しみの感情に押し潰されました。
夫の優しさに気づいた時や周りの親切さに微かな光を感じました。
石原さとみさんの演技力のなせる技でしょう。
お芝居や、情景など作る側の気持ちなど考えると、素晴らしい作品ではありましたが、題材がリアルなだけに…もしも現実的に身近で起きたらと思うと辛くてやるせなくて鬱々とした悲しみや辛さをしばらく引きずってしまいます。
見終わってからのしんどさで★3です。
後悔、微妙な映画。
見て後悔もあるも、見て良かったかな。
スカットはしません。
石原さんの演技、上手い、でもイラつきます。
作り手の言いたいこと、主張、理解はできる。
でも現実の世の中、そんなものか。
あのような終わり方、しょうがないが消化不良。
映画を楽しむために見る方には、お勧めしません。
吉田恵輔 監督の凄さは良く分かった。それだけにラストで・・・。
吉田恵輔 監督による2024年製作(119分/G)の日本映画。
配給:ワーナー・ブラザース映画、劇場公開日:2024年5月17日
吉田恵輔の脚本監督作品だから、人間の心の動きの描写が中心で、失踪した娘は戻らないことは予想した。その通りというか、予想以上に何も起こらない映画で、それでも大丈夫、映画として十分に成立するという吉田監督の自信に基づく挑戦、そこに凄みの様なものは感じた。
実際、周りに当たり散らしすっかり壊れていた母親石原さとみが、同様の行方不明事件で娘が見つかったことに本当に良かったと唱えるシーンに、壊れた心もここまで回復出来るのだとの感慨を覚えた。そして、街頭でビラを配る彼女に、娘が見つかった母親から、活動に協力させて下さいと声をかけられるシーンでは、母なる者の気持ちの美しさ・強さを見せつけられたせいか、強くウルッときた。この街頭シーンでの石原さとみの表情の凛々しさも、素晴らしかった。
ただ、自分はシン・ゴジラの石原さとみの演技を下馬評と異なり高く評価するものだが、期待が高すぎたせいもあるかもしれないが、主演の彼女の演技は全体的には少々期待ハズレであった。特に、娘が保護されたと警察に駆けつけ、それがイタズラと分かった時の彼女の吠える様な叫び声。意外性により壊れた彼女の印象付けを狙った監督の演出と思えるが、人間は本当にガックリときたとき大きな声を出せるだろうか?重要なシーンだと思うが、自分にはリアリティが感じられず、彼女に共感をすることが出来なくなってしまい、残念な演技に思えた。
一方、彼女の夫役青木崇高の演技には感心させられた。ネットの中傷に怒りまくる妻に呆れながら、或いは誕生日でないのにTV撮影様に娘不在の誕生日パーティーを行う妻に疑問を感じながら、ずっと彼女を支え続ける包容力がある夫を、実にナチュラルに演じていた。
娘失踪事件の取材を続けているのが、地元TV局の記者中村倫也。彼は「事実を報じる」をモットーとしセンセーショナリズムからは遠ざかっていようという人間。しかし、上司からの圧力もありネット上であいつが怪しいと言われてもいる石原さとみの弟森優作の取材を敢行。口下手な彼は、その映像により、世間から犯人扱いされてしまう。後輩は政治家スキャンダルのスクープに成功し、キーTV局に転職。記者として何をどう取材するべきか?理想と現実の狭間の中で、葛藤し続ける中村倫也の姿が印象に残た。心情を細やかに表現していて、とても良い俳優とも思った。ただ、抑えた演技ばかりで目立たず、俳優としては少々勿体無さも感じた。
そして、描写の比重の大きさもあり、答えを模索するTV記者の彼こそが、本映画の隠れ主人公にも思えた。そして彼は多分、表現したいものと、周りからの要求に過去悩んできただろう吉田監督の分身なのだろう。ただ彼の物語が厚くなりすぎて、主軸のはずの石原さとみファミリーの物語とのバランスが危うくなっていた感は否めなかった。
前作と2作品しか視聴していないが、吉田恵輔監督が脚本も含めて、心情変化描写に特徴有する特異な作家性を有し、その要素だけで映画を成立させる稀有の力量を有することは良く分かった。それだけに、その作家性と愛する娘が母親の元に帰ってくる様なハッピーエンド的物語設定、その両者が上手く併さった様な映画を、世界に向けて是非創って欲しかったとも感じた。それが難しいとしたら、せめてエンドロールで3人が映った家族写真を出すとか。
監督吉田恵輔、脚本吉田恵輔、製作井原多美 、菅井敦 、小林敏之 、高橋雅美 、古賀奏一郎、企画河村光庸、プロデューサー大瀧亮 、長井龍 、古賀奏一郎、アソシエイトプロデューサー行実良 、小楠雄士、撮影志田貴之、照明疋田淳、録音田中博信、装飾吉村昌悟、衣装篠塚奈美、ヘアメイク有路涼子、音響効果松浦大樹、VFXスーパーバイザー白石哲也、編集下田悠、音楽世武裕子、助監督松倉大夏、スクリプター増子さおり、キャスティング田端利江、題字赤松陽構造、制作担当本田幸宏。
出演
森下沙織里石原さとみ、森下豊青木崇高、土居圭吾森優作、美羽有田麗未、三谷杏小野花梨
小松和重、不破伸一郎細川岳、カトウシンスケ、駒井山本直寛、村岡柳憂怜、美保純、砂田裕樹中村倫也。
娯楽作品感マイナス100点の超ヘヴィな人間ドラマ!
逆エンタメのウルトラ極め付けって感じの内容で実際に遭った行方不明事件のアレまんまだし SNSでの誹謗中傷やワイドショーの偏向報道や盛りだくさんで 気まづい空気感などの作り方が上手くて韓国映画の超ヘヴィな作品くらいのクソ重い内容で流石だなあと思いました!(ハリウッド娯楽作品以上にこういう作品やホラーが大好物なので笑)
あとこっち系の作品は暗くて重いので合わない人が多いと思うので低評価の人が一定数居るのも好みの問題なので仕方が無いですね(空白や市子が無理ならミッシングも無理ですね! あと解決しないし犯人とか出て来ないから消化不良って人も無理だと思います!)
前作の空白のあの重い空気感が好きだったので また同じ感覚を味わう事が出来たので凄く満足度が高くて最高にどんよりした気分でスッキリ劇場を後にする事ができました。
あとこの監督の独特のクセが強いコメディセンスというかユーモアが炸裂していてスーパーでヤクルト1000が無いのよ!誰かが買い占めしてるんでしょ!ってクレーム入れてるシーンやアーケードで揉めてる男女とか カメラ回してる時に何でも無いようが事が幸せだったと思うって言ってるシーンで虎舞竜かよって(頭ん中で虎舞竜かよって思った瞬間にカメラマンが突っ込み入れてくるし)シーンとかシリアスな場面に不意に笑わすシーンも入れてくるのが良いアクセントになってましたね。
あと石原さとみの演技で アレは大袈裟過ぎだし無いわって意見もあるみたいですが病んでイライラしてパニックになって挙動がおかしくなるのとか知り合いで実際に病んだ人が過去に何人か居て間近で見た事あるから分かるんだけどまじであの挙動は超リアルですよ、ヒステリーな感じとか どうしていいか分からなくて早送りみたいな動きになったり奇声発したりとか!!!!!!
あと旦那役の人がめちゃくちゃ良くて最後の泣くシーンとかもらい泣きしちまったです!
最後結論はでないけど希望のある終わり方で良かったと思います。
見ていて思ったのがこの監督と さがすやガンニバルの片山監督は本当に日本の作品とは思えないような独特の空気感を作るのが本当に上手くて信用出来る監督なのが良くわかりますね。
あと 空白で謝りまくるだけの 松坂桃李と同じ立ち位置の中村倫也の抑えた演技で謝りまくるのも良くて 演技が上手い人の存在感を消す演技を見ると改めて演技力があるってのが再確認出来て素晴らしいと思いましたよ!
とりあえず主演女優賞くらいはあげないと。
この監督、人の嫌な部分を撮るのが本当にうまくて。
嫌な部分、というかそれが人同士のやりとりの中に表れる場面というか。
この映画でも、石原さとみ演じる母親がもう頭から嫌な感じ全開で。
ただそれが、ほんとにそれを狙ってズバリ描いてるのが伝わってくるので、思わず居住まいを正して、そういうものを受け取る気構えを持って見なければ、と思わされました。
見る前はもう少し普通めというか、美人の優しい母親が、突然娘が消えて悲しみに引き裂かれて、みたいな感じを想像してたのですが、全然違いましたね。
そんな、悲しみをおいしく頂く、みたいな上品なものじゃありませんでした。
なので、正直見てる間結構不快です。
それがずっと続きます。
ずっと質の高さがキープされているので、つまり嫌なとこを延々えぐってるので笑、見てる方はもうたまらないです。
ところが、その向こう側に、ごくたまに真に迫った本当の悲しみが映し出される。
これがもうすごくて。
あの、石原さとみの・・・、なんと形容すればいいのだろう、あの声は。
見ているこっちの心まで壊れてしまいそうな。
これから先こんな絶望を映画の中で目にすることがあるだろうか、とまで思えるような場面でした。
日本アカデミー賞なんて、余裕で取るんじゃないですかね?
まあ実際に取るにしろ取らないにしろ、そのくらいの価値があることは誰もが認めるであろう、素晴らしい演技でした。
映画のテーマとしては、形の上ではSNSや報道番組により個人の悲劇がどのように消費されるか、という類のものかと思いますが、自分が感じたのは、逆説的ですが、人を信じる、ないし人の世を信じる、それしか答はないんじゃないか、そして実際それは可能なんじゃないか、ということでした。
百万のNoに、1つのYesで勝てることもある。
そういう種類の話でもあると思うので。
鑑賞動機:予告3割、監督3割、評判4話
予告を見て非常に重そうで、でも石原さとみがとても気合い入れてそうで、でも『ヒメアノ〜ル』と『空白』はちょっと怖気付いてしまって観ないまま来てるし、とはいえ『犬猿』はよかったしなあ…とぐだぐだうだうだ迷っていたが。
どうやって終わらせるのだろうと観ながらずっと考えていた。ミステリ的な意外な犯人とか。弟きっかけで見つかるとか。最悪の結果になるとか。
「希望」や「救い」というには本当にささやかなことかもしれないが、失ったものばかりではなかったし、意味のないことではなかった。
私たち…いや私は何をなくしてきたのだろうか。
普段は見ないジャンルでしたが
いつもはホラーやパニック映画か好きな女優が出てる映画くらいしか見ない自分ですが、内容が何故か気になって観てきました。
とても観て良かったと思いました。
今もどこかで我が子を探してる人がいる。
自分は子供がいませんが、甥や姪がいるので弟さんの気持ちに少しなりました。
ビラ配りに遭遇することは滅多にありませんが、遭遇したら受け取ろうと思いました。
喪失と回復
娘を失った母親の強い喪失感、そこからの回復があり、さらにマスメディアの相反性、人の弱さが重奏的に描かれる。
理不尽な喪失は誰にも起こり得ることだが、夫などにあたらずある程度は自分で消化すべきではないか。
痛々しい表現だけでなく、喪失がゆえに得るものもあったことが示唆され、クライマックスを構成する。
喪失感からの回復を表現したシーンが秀逸だと感じた。
ひたすら辛いが、見るべき作品と思います。
ほんと、テレビってなんなんだろう。
ネット社会ってなんなんだろう。
色々な作品で、投げかけられてきましたが、評判通りの石原さとみの演技で、見てる間、ずっと殴られているかのような痛さ、辛さを感じます。
最後、少し光が見える終わり方で救われました。夫の涙で、感涙。
可もなく不可もなく
映画の出来としては、小手先のテクニックてんこ盛りで誤魔化している印象を受けました。
主演の女優さんの演技も、やや狂気に振りすぎている気がします。
半年後に配信で見るのがちょうど良い感じかと思います。
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