ミッシングのレビュー・感想・評価
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人間のあるあるなイヤな部分を突いてくる
娘の失踪事件により炙り出させる人間のあるあるな部分を突いてくる居心地の悪い映画でした(それだけ映画の出来が良い証拠)。
自分は結婚1年目の男なので、青木崇高が石原さとみから「熱量が違うんだね」とか「なんでそんな態度なの」とか責められてるシーンがほんとに苦しかった。
娘の失踪のような大事件でなくとも、日々の生活のやり取りで類似することはあって、どう返答するか困る場面を多々想像した。場面場面で青木崇高は悩みながらベストだと思う対応しようとしてる姿がリアル。
中村倫也は仕事の倫理観の悩みにぶち当たる役柄で、最後までその悩みに答えは出ない。そこで人間は一生悩んでクソな人生送るのかなぁ、的な描写がリアル。
あと、要所要所に街の人たちが諍い起こしたり、逆に気を遣ってくれる人がいたり、人間ってものがほんとに業の深い難解な生き物だとイヤでも見せられて、上手いと思いました。
何回も見たい映画では無いけど、リアルさが凄いつらくなる傑作でした。
最後の旦那さんが泣くところ
子どもの居なくなった悲しみを知る母親…という気持ちがわかる味方が奥さんに出来たのが嬉しかったのかな…と思いました。
無事に見つかった子供に嫉妬ではなく、心から良かったと言っているのが好印象でした。
大切な人がいなくなること
愛娘が突然何者かに誘拐され、手がかりが何もない中、僅かな希望に縋って懸命に生きていく母親の話。
最後まで希望はない。
辛く、悲しく、苦しい映画だった。
ただ、この話のように、行方の分からない家族の無事を信じて、ずっと待ち続けている人や、事件や事故等で家族を失った苦しみから、どれだけ経っても脱け出せない人が、この世の中には沢山いるのだろうと気づかされた。
そういう悲しみを抱えた人に出来ることは限られているのかもしれない。
“あなたの悲しみは分かる”そんな言葉にも限界があるのかもしれない。
それでも他人の悲しみに少しでも寄り添える人でありたい、苦しい思いをしている人を攻撃や嘲笑の的にするのではなく、優しく見守れるような社会になるといい、そんなことを強く思った。
後味は決して良くはないが、この映画に出逢えて良かった。
結末が出ないまま
これまで観てきた作品は最後ハッピーエンドや悲しい結末と言った結論が出て終わる印象でしたが、この作品は続編にも繋げられるかのように答えが出ないまま終了する
結論は観た人がそれぞれ作るという意図なのか、それとも続編を考えてるのかわからないけど、最近はこうゆう終わり方も増えてますね
“映像の見せ方”に困惑
人間のリアルな心情を描くヒューマンドラマ映画が好きなので見に行ったが正直、期待はずれ。
終わりのない不安、自己嫌悪、周囲への怒り、いたずら行為の実態が描かれていたが、正直それらを全て含ませて何を伝えたいのかが分からなかった。
さおり(石原さとみ)が前へと進む結末をゴールとするならば、“2年後”みたいに変化の起こる期間をすっ飛ばして良いはずがないと思うのだが。執拗に弟に焦点をあてる必要もなかったのでは?
この監督の作品が初というのもあるかもしれないが、演出や設定、設定に対する脚本がどうも受け入れられなかった。
商店街の喧嘩話やスーパーでの顧客対応、ホテル従業員の言葉遣い、誹謗中傷しかない書き込み、警察からと勘違いしたいたずら電話、砂田さん(中村倫也)の愚痴をこぼすシーン、景色をただズームアウトするだけのカット、逆光を利用するためだけのヌルッとしたカメラの動き。
気になりすぎて内容が全然入ってこなかった。
序盤から手ブレが酷い時点で、嫌な予感はしていたが…。
行方不明事件から何ヶ月経っていて、警察とのやりとりや事件の成り行きなどが不明瞭な点と、怪しさ全開の弟の素振りは、見る側を困惑させる要素でしかなく、モヤモヤした。
さおりの心が崩壊していく様子はよく描かれていて、体験し得ない話であるだけに心が痛かった
実際に起こりうる
実際に起きてもおかしくない内容。またSNSでのバッシングやイタズラ電話などが人を傷つける行為を強く表現されてました。主演の母親役の石原さとみの泣きの演技はとてもリアルで良かったです。
子供が失踪した家族の焦燥感、喪失感や愛情を 垣間見えて 自分がその...
子供が失踪した家族の焦燥感、喪失感や愛情を
垣間見えて
自分がその立場になったらと考えされられました
〔どこまでいっても客観的なのかもしれませんが)
父親と母親の愛情の形の違いが
行動と言葉に如実に出て
石原さとみとあおきさんの演技に
感嘆しました
お気持ちは分かるって、どのくらい分かる気持ちで言ってます?
行方不明になった娘を探し日々憔悴していく母親を、石原さとみが演じる。ネットの書き込みを見て、世間の辛辣なる暴言と冷たさに削られていく精神状態が痛々しい。というか、役作りが真に迫りすぎていて、言葉を失うほどスクリーンに見入った。髪はボサボサ、服装にさえ気を配れず、目は血走っている。口の端が荒れるほど役に没頭する石原さとみの凄み。
子探しの母と父の温度差が伝わってくるが、それは見た目。父親がけして無関心なわけではなく、母親の暴走を冷静に見極めようとして、むしろ落ち着かざるを得ない。たいてい、こういう経過をたどった夫婦は離婚しがちだけど、しなくよかった。それだけでも父親青木崇高が母親石原さとみに寄り添ってあげていた証左だ。
その夫婦の熱量に、どの立ち位置で接していいのか悩むテレビマン。夫婦に寄り添うか、視聴率を取れる"面白い"番組にするか。人は概して、その出来事がわが身のことにならないと本当の痛みはわからないものだ。だからたとえ小さなことでもわが身のことになればすぐに痛みを感じてしまう。それが世の中なのに、他人であるテレビマン中村倫也に折れない良心があったことが救いだった。
そして数年経ち、なんの希望も見いだせない母親は、緑のオバサンを始める。子供たちに寄り添うことで自分の気持ちを癒すのではなくて、少しでも子供たちを守る側に立ちたいって気持ちからだろうか。その姿を見た時、ああこれはこのまま未解決となるのだな、と察した。そしてその通りだった。その終わり方は辛いのだけど、むやみにハッピーに終わらせるよりもリアリティがあっていいと思った。
先日、映画『正義の行方』を見た。こちらはドキュメンタリで、女児二人殺人容疑で死刑確定し執行された死刑囚が冤罪ではないかとして再審請求をいまだ弁護側は続けているのだが、もし冤罪が晴れたとして、じゃあ本当は誰が犯人なのかモヤモヤは晴れない。そんな事件をはじめとして、世間では、失踪や誘拐を含めて子供が絡んだ未解決の様々な事件がたくさんあるのだろうな。そして、当事者のほかはそんなニュースを聞いても、また新しいニュースに流されて忘れていくのだろうな。
生き地獄
子供を持ったことがあるヒトは多分見ていられない。キツすぎる。
子持ちにとって考えうる最悪の事態で、観たくないと思いながら映画ファンの性で観てしまった。
モデルになったのは、山梨のあの事件だろうと容易に想像がつく
顔を知っている個人的に関わりのある人達は概ね、夫婦に同情的で協力的だが、ネット上ではバッシングの嵐。プライバシーは暴かれ、根拠ない憶測からとんでもない決めつけと、誹謗中傷が横行する。ネット上の顔の見えない相手はただのアイコンでしかなく、送信する側も匿名なのでお手軽お気楽に蜜の味の他人の不幸を楽しむことができる。うさばらしや、正義の押しつけ、顔を知っている人達にはとてもできないことができてしまうのだ
ネットを見ないのが一番と思うが、そうできないのが人間だ
報道は、影響の大きさからあくまでも公平であるべきで、憶測や根拠の少ない決めつけにそった編集をしてはいけないのは「正論」だが、所詮視聴率あってのものなので、良心的報道を心がける記者にはジレンマを生む。砂田のような良心的記者がどれくらいいるのだろう。
石原さとみが圧巻。
娘を取り戻したい一心しかない、取り戻すためなら何でもする
時に愚かですぐに取り乱す、キレて暴言を吐き、当たり散らす。かと思えばすがれる相手には土下座せんばかりに行動を謝罪して身も蓋もなく協力を要請する。
ちょっと地方のヤンキー入ってる、し◯むらのトレーナーやTシャツ着てそうな普通の若い母親を、演技とは思えないくらいリアルに演じる。キレイな可愛い子ちゃんなところが微塵もない
そして、夫・豊役の青木崇高が素晴らしい
黙って諸事万端切り回す。実は細かいところにも気を配っている
大抵の夫婦なら、この二人の夫婦喧嘩の様子にリアルを感じると思う。
胸が張り裂けて普通でいられない妻を支え続ける。暴言吐かれても一緒にキレることなく、控えめに宥めて妻を刺激しないように、落ち着かせようとする、そして、自分としては反対でも最終的には妻の意志に沿ってできる限り付き合う。彼は暴言吐かれても振り回されても妻を一切責めない。妻の辛さが十分分かっているからだろうと思うし、自分まで壊れたらおしまい、と、頑張って冷静に踏みとどまっているよう。
救いがないこの映画の中で、このふたりの夫婦愛だけが、若干の救いだった
沙織里の弟圭吾は、多分知的にボーダーか発達障害だと思う
騙されやすかったたり変人や怪しげに見えたり生きにくいタイプだと思う。
姪の失踪で一番傷つけられ救われないのは彼だ。
テレビ局は明らかに視聴率狙いで彼のインタビューを撮ったのは明白、事実反響は大きく。
そもそも番組作成側に彼が犯人というバイアスがかかっていなかったか。
決めつけは冤罪を生むことに繋がると分かっていながら。
娘が保護されたという電話に、私も眼の前が明るくなった。ドキドキして嬉しかった。
希望の絶頂からどん底へ。そんなイタ電するか、それ、面白いのか
ヒトの悪意の底知れなさに胸が詰まった。
新たに行方不明になった女児が無事保護されたとき、沙織里は本当に「よかった」と思ったのか。なんでうちの娘じゃないのか、とか、うちと同様に見つからなければよかったのに、と思わなかったか
この失踪女児の母親が、駅前でビラ配りをする夫婦のもとに現れて、できることをさせてくれ、というところ、彼女も犯人が元彼で、相当バッシングされたと思う。それでも申し出る。そこで今まで堪えていた豊が堰を切ったように嗚咽する。
心が抉られるようでもらい泣きしてしまった。
こういう繋がり方ができるのが、本来のヒトではないのか
幼い娘が失踪した夫婦に起きうる事態を網羅したようで、エピソードが多く、尺が長いが、省略しても良いと思われるものが一つもなく、始終重たい心で最後まで観ました。
誹謗中傷に豊が立ち上がり、弁護士に相談、泣き寝入りしない行動を起こしたことで投稿者が検挙される。やりたい放題は許されず法も無力ではないことを示したのは良かったと思う
見終えて、重苦しく苦い思いで胸が塞がる。
夫婦の苦しみには終りが見えない
延々と、いつまで続くのか
生き地獄だと思う
石原さとみ百面相
丸の内ピカデリーで鑑賞
いつ行っても空いてて快適
メディアの在り方、関心領域
誰もが被害者になりえること、
そこは安全か?まざまざと考えさせる作品
石原さとみはいわずもがな、
役者が全員いい
中村倫也、そして森優作という男!
いやいや森優作すごいよまじで
あと柳ユーレイもよかったねです
結局他人事だよね
作品を見終わった時、何を伝えたかったのかわからなかった。ただ、石原さとみの発狂寸前の演技に圧倒されるだけで。
犯人探しでもなく、娘がみつかるわけではなく、母娘の愛情にお涙頂戴でもなく。起きた事実に対して家族の周辺が描かれていて周りの反応を通してただただ不幸なこの出来事を監督は冷めた目線で見つめている。
支援者、マスコミ、警察、SNSどれをとってもどこかで冷ややかである。
1番印象に残った場面は石原さとみの独白の部分。
心からの母親の告白の中で「何でもないようなことが幸せだったと思う」のところ。「虎舞竜?」ってカメラマンが気づいちゃう。そりゃあ観ている観客だって気付いてますよ。だけど言っちゃいけないでしょう、お母さんの心からの声ですよと反射的に思った。撮影は一時中断で場もしらけた感じになっちゃうし。中村倫也ももっと怒るべきなのに軽く咎めるだけだし。
あの場面を採用する監督の意図はいかにと考えた時、思ったのはどんなに不幸があってもどこかで他人は他人事なんだよなって事。
戦争にしても、震災にしても。自分にふりかからない事柄はその苦しみはその当事者にしか分からないんだとこの作品を通して感じました。
いろいろ考えさせられた良い作品だと思います
「空白」を超えて圧倒された
人に優しくなれないな、と思ったら観るといいかもしれません。打ちのめされました。
同監督作の「空白」も打ちのめされましたが、空白を軽く超えてくるおそろしい衝撃でした。
映画館での鑑賞をすすめます。
石原さとみに脱帽
石原さとみってイメージは女性が憧れるようなシチュエーションのドラマばかりでてる女優さんで、吉田恵輔作品とは無縁な存在と思ってたけど、話では本人から義田作品にでたいと言って実現したらしいですね。
だいぶ振り切った演技で、オーバーアクトは石原さとみらしいけど、やはり吉田作品ともありより常軌逸した演技したね。
警察署のあるシーンはよく本人オッケーしたなってぐらい気合い入ってるのはわかります。
あと、吉田作品の好きなところは時々出てくる端役の存在がいい味出すんですよね。今回も2、3人出てきて1人くすくすしてました。
今回も素晴らしいかったです。
エンドロールが後をひく
リアルには決して終わりはなく。
答えやゴールのない今を生きている40代には
世の中の不条理に共感できる内容でした。
夫婦間でしかぶつけあうことののできない複雑でまとまりのない感情の台詞に、
自分たちの日常を重ねて代弁してくれているかのような爽快感があり、
涙と共にストレス発散になりました。
青木さん、石原さんの演技が深く、ドキュメンタリーのような凄みがありすばらしかったです。
父親は他人‥そこの芝居が行き過ぎていなくて好感
評判の高い吉田恵輔の作品を初めて観たのだがほとんどの監督作で脚本も書いており本人曰く「監督より作家としての気持ちのほうが大きい」とのことで、現場ではイメージしていたとおりの芝居だとすでに一回観た映画をもう一度観ているようで面白くないのだというから困ったものである。失踪したわが子を探す母親の話なのだがそのミステリー部分は本筋ではない。事件をとりまくてんやわんや報道するマスコミやSNSでの誹謗中傷、夫や親族との関係などが主題で「心をなくしてしまった」現代人への問題提起。特に視聴率至上主義のテレビ報道や「やらせ」は使い古されたテーマではあるが「心ある」テレビマンでさえもついついやってしまうという脚本上のちょっとした工夫が大きくうなずかされて面白かった。石原さとみは想像したよりエキセントリックではなく弟役の森優作、TV記者の中村倫也、そして何より夫役の青木宗高がとても自然な演技で偽りがなく良かった。でもやはり事件の行方は気になる。このエンディングはどうなんだろう?
現実がそうであるように
現実に起きている凄惨な事件がそうであるように、この事件にも色んな要素が絡んできます。
売らんかな主義のマスメディア、誹謗中傷が大好きなインターネットやSNS、母親という属性にのしかかる圧。
作品内では言及されていませんでしたが、森優作くんが演じている弟くんは発達特性のある人をイメージしているように思われました。
姪の面倒を放って先輩に誘われるがままにカジノに出かけてしまうのは、衝動性優位のADHDの人の行動を連想しました。
いろんな要素が詰まっています。現実に起きた事件は、映画のように「テーマは〇〇」とかはないです。
色んな要素が絡まって、人間は信じられないような行動を起こしてしまう。
優しい人や、分別のある人でもみんなおかしくなってしまうことはある。
なので、感想はずばり「ズシーンとくるよ」の一言で終わってしまいます。
考えることがたくさんありすぎる映画ともいえます。
一つ言えるのは、わたしたちは現実に起きている事件にどう向き合っているか、この映画を見た後でふり返ってほしいということです。
マスメディアの人たちも、誹謗中傷をするネット住民も、「物語」を消費するだけ消費して飽きたら忘れてしまう大衆も、すべて「わたし」だと感じました。
椅子から立ち上がるのに時間がかかった。
自分は独身なので、父にも母側の気持ちにも寄り添えず。ディレクターにも感情移入はできず、強いて言うなら弟だけど、後半までは弟が犯人との疑いも拭えず。
旦那が優し過ぎるし、母親も負い目はあるのに感情を出し過ぎるし、ディレクターも悪人になりきれてないし、弟は自殺するんじゃないかってくらい追い詰められてるのに、普通に生活しているし。
現実的すぎるよ、映画なんだからそんなに現実求めなくていいじゃん、旦那はもっとブチギレようよ。記者も局を辞めちゃう同僚にキレようよ。スーパーで絡まれた弟は、不良のガキどもに殴りかかってメチャクチャになろうよ、はっさく畑で、市場で、セメント工場でみんな暴れようよ。
誰が犯人なんよ、みゆちゃんは死体で見つかるんでしょ?生きてて監禁されてる状況で見つかるの?さぁ、ここから後半どうなんのよ、ねえ、ねえって。
この無責任さが、ネット中傷してる奴等と変わらないんだよなって。エンドロールが流れて、劇場の照明がつく手前まで、衝撃的な最期に期待をしてしまった。
そんな、人の心を失った自分。
これがこのタイトルの所為なのかなと。
「リアルが面白いんだよ」
警察が記者に言った台詞。
今回刺ささった言葉はここ。
家族がいたら、もっと違う感想が出るんだろうと思う。やはり吉田恵輔、今回もいい作品でした。
わたしたちは心を失くしてしまったのか
誘拐ミステリーかと思ったら違いました。
娘が行方不明になって自分を見失ってしまう母親(石原さとみ) 混乱の中必死に正気を保とうとする父親(青木崇高) 被害者感情を置き去りに視聴率と話題性を求めようとするテレビ局との狭間でやり切れない思いを抱えるディレクター(中村倫也) 言われのない誹謗中傷と興味本位の書き込みで埋め尽くされるネット。
ポスターにある言葉がこの映画を全て語っていると思う。
【わたしたちは心を失くしてしまったのか?】
これは今を生きるわたしたちが光を見つける物語。
嫌な世の中になってしまったなぁと思うけれど光を失ってはならない。
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