「行方不明者家族の苦痛の追体験。」ミッシング はりねずみ。さんの映画レビュー(感想・評価)
行方不明者家族の苦痛の追体験。
やはり吉田恵輔監督は、観ている者の感情をとても不安定にさせる名手だ。
冒頭から最後まで焦り疲弊し続ける石原さとみに心が痛くなることはもちろんだが、所々で差し込まれる不毛な言い争いや感情を露わにする無遠慮な日本人たちの存在が観客をイライラさせ不安にさせその場から離れたいというイヤな気持ちにさせる。
こういった人々が周囲にいる・溢れているという描写は私達の周りには(自分に関係なくとも)SNSなどで誹謗中傷が溢れているという暗喩になっているのだろう。
しかし、そういうネガティブな社会の中でもお互い助け合おうとする心があることをこの映画はしっかり描いている。
とはいえ、やはりなんとも言えない、キツい気持ちになる。
コメントする