「石原さとみの熱演は、本当に素晴らしい!」ミッシング よしくんさんの映画レビュー(感想・評価)
石原さとみの熱演は、本当に素晴らしい!
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観終えてからも石原さとみの熱演の余韻が残り、ストーリーは厳しい内容であるが、作品としてはとても素晴らしかった。
娘がいなくなり何も手につかなくなる妻、その妻は夫の温度感が違うと言ってなじるが、石原の目の表情や雰囲気は、自分が夫で、責められているように感じるくらいにリアル。でも夫の気持ちもよくわかる。男と女は同じようには必ずしも反応しない。でも夫も、時に妻の言動や反応に疑問を感じつつも妻が納得するように寄り添って動く。
石原さとみのシーンでは、弟に取材を受けさせようとアパートの扉の前で狂ったように叫ぶ姿や、商店街を歩いて奇声をあげる姿、いろいろ記憶に残るシーンは多いが、1番印象に残ったのは、「娘が保護された」と連絡があり、警察に娘を迎えに行き、実はそれがデマだとわかった時の「衝撃」の表情、そして哀しみの姿から溢れ出る叫び。作品の中の母に同情すると共に、あの妥協のない演じる姿は、ストーリーを超えた強烈な存在としても印象に残り、あの演技に感動させられ、見終えてからも、あのシーンの姿を思い出すと涙が出てくるくらいだった。
以前中国の映画で、子供を誘拐された親の「最愛の子」という作品を見だが、とにかく人の不幸につけ込んで、子供を見た、情報が欲しければ金を出せとか、そういう酷い現実を、思い出した。この世の中の狂った姿は、石原演じる母も呟いている。こういうつらい現実は起こらないでほしいが、映画を通じて辛さを体験した感じだ。
またマスコミ報道の当事者に寄り添わない上層部の姿もリアルで、現実もこういうものなんだろうとかんじられた。
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