コヴェナント 約束の救出のレビュー・感想・評価
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何もまだ終わってはいない
スタイリッシュで洒落たクライム・ムービーが持ち味のガイ・リッチーだが、たまに手掛けるニュー・ジャンル。アクションの『シャーロック・ホームズ』とかファンタジーの『アラジン』とか。
本作もまた。臨場感と緊迫感ある戦場アクションで新境地。
最近も『カンダハル 突破せよ』で描かれたアフガニスタンやタリバン。複雑な情勢で映画でも小難しくなる事多いが、本作は非常に見易く分かり易い。
アフガニスタンでタリバンの武器庫を掃討する任務中のキンリー曹長率いる小隊。
新たなアフガニスタン人通訳のアーメッドを雇うが、少々手を焼く性格。が、地形に詳しく、裏切り者を察するなど勘の良さで、隊の危機を救った事も。
新たな武器庫を発見するも、交戦に。キンリーとアーメッド以外、隊は全滅。
二人で決死の逃避行。が、キンリーがタリバンの襲撃で腕と足に深手を…。
重傷のキンリーを手押し車に乗せ、アーメッドはおよそ100キロの山中を行く。それはタリバンから逃れ、険しい山道を行く長く過酷な道のり…。
簡単に出来る事じゃない。考えるだけでもしんどく、気が遠くなる…。
アーメッドにとってキンリーは異邦人。こちとら雇われただけで、助ける義理もない。心苦しいが、自分の安全を考慮して見捨てる選択肢もあった筈だ。
道中車輪が進まず、音を上げそうになった時もあった。が、アーメッドは諦めず、見捨てなかった。
単純に思う。何故そこまで出来る…?
元々タリバンの下で麻薬の売人をしていたアーメッド。が、息子を殺され、タリバンを憎むように。アメリカに協力。
ビザを取り、家族とアメリカへ渡る事が夢。
タリバンへの憎しみや夢の為があったのかもしれない。
でもそれ以前に、困ってる人、怪我した人を放っておけない。ただただ、人としての善意。
この直前、二人の逃避行も割と尺を置いて描かれる。
仲間を失い、悲しみに暮れるキンリー。タリバンに息子を殺されたアーメッドは心痛が分かるが、掛けてやれる言葉が出てこない。微妙な距離感。
しかし、危機をくぐり抜けてきた。信頼や言葉無くとも通じる確かなものが芽生え始めていた。
山を越え、谷を越え、荒れ地を行き…。
キンリーも怪我に苦しみ、同胞の助けを借り、危うくタリバンとの接触を経て…。
米軍が救助に。苦難の逃避行が終わり、無事帰国の途へ…。
『カンダハル 突破せよ』と『ローン・サバイバー』を合わせたようなサバイバルと救出劇。
その2本ではここで終わりだが、本作はまだ終わりじゃない。
“その後”を描いたのがミソ。
帰国し、家族とも再会し、怪我も治り、平穏な日常に戻りつつあるキンリー。
度々思い出すのが、朧気な記憶の中、過酷な逃避行と助けてくれたアーメッド。
命の恩人。忘れる事など出来ない。何かしてやれる事はないのか…?
そんな時、アーメッドに関するある話を聞く。
キンリーを助けた事で非タリバン派から英雄視。が、それ故タリバンからは同胞を裏切った者として命を狙われているという…。
自分を助けた事で窮地に。アーメッドだけじゃなく、家族も。
今自分はこうして居られるのに、家族と再会出来たというのに、彼は…。
寝ても覚めても彼の事が頭から離れない。まるで呪縛のように。
それほど気掛かり。受けた大恩を返すのは今こそ。彼と彼の家族をアメリカへ。
移民局などに掛け合い、ビザを発行して貰おうとするも、何処の国でもお役所の対応は…。
苛々が募る。少々お待ち下さい、今暫くお待ち下さい。…
待てだって? 待ってる暇など彼らには無いんだ!
上官にも掛け合う。ほぼ独断で強行手段に出る。
俺がまたアフガニスタンに行って、彼らを救出し、アメリカに連れて来る…。
無償で助けて貰ったこの命。
ならば今度は、こちらが命を懸けて助ける時。
日本人ならこの恩義はグッと来るだろう。
勿論、簡単な任務ではない。
アーメッドの居所は不明。唯一最後に接触したアーメッドの弟の情報が頼り。それも確かではない。
米軍の援軍は控えているが、諸々の事情により介入出来ない。孤立無援。
偽名で入国。何故なら、タリバンが血眼になってアーメッドとキンリーを探している。もし、見つかったら、バレたら…。
それでも、危険を承知で行く。
明確に交わしていない。しかしこれは、二人の“コヴェナント(絆、約束、誓い)”なのだ…。
初めて挑んだジャンルながら、ガイ・リッチーの手腕は上々。近年の作品の中ではベスト級では…?
スリリングなアクションは元より、二人の男のヒューマンなドラマが盛り上げる。
それを熱演したジェイク・ギレンホール。
何より、ダール・サリムの存在感。その熱演の中に、カッコ良さ、人としての崇高さ、優しさが滲み出す。
キンリーが再びアフガニスタンへ赴く際の、奥さんの言葉も忘れ難い。よくある設定だと反対する所だが、夫の意志を尊重する。夫や家族にとっても恩人の窮地を見捨てる事など出来ない。
実話のようだが、モデルとなった実話は無い。
アフガニスタン問題やアフガニスタン人通訳の幾つかのエピソードをベースに創造したという。
物語はフィクションだが、起きている事はノンフィクション。だからこそ胸に響く。
EDのスーパー。米軍のアフガニスタン撤退後、タリバンが政権を掌握。アメリカに協力した“裏切り者”は家族もろとも今も命を狙われているという…。
アーメッドのように救いの手を差し伸べられたのはほんの一握り。
今尚続く余波と問題。何もまだ終わってはいない。
アメリカ人軍曹を命懸けで助けたアフガニスタン通訳
完全にエンタメに振り切っている。
通訳一人とその家族を助けて、
友人として気は済むと思うが、なんぼのもん!!
《ストーリー》
アフガン戦線で負傷したジョン・キンリー軍曹(ジェイク・ギレンホール)
彼の通訳アーメッドはたった2人になり、山岳地帯を手押し車に動けない
キンリーを乗せて100キロも移動して、助けにきたアメリカ軍に渡した、
そのためにアーメッドはタリバンの高額賞金首となる。
傷の癒えたキンリーはアーメッドと家族を助けに現地に赴く。
美談です。
友情と約束と絆の物語です。
ラストのダムのロケーションの素晴らしいこと!!
絶体絶命(弾切れ、追い詰められ!)
ギレンホールの眼にも諦めの色濃厚。
そこにやって来る米軍の《死の天使=大型清掃軍機》
銃弾を180度噴射して、一瞬で敵のタリバン全滅。
そこへ通訳とギレンホールを救出する輸送ヘリコプターが
絶好のタイミングで現れる。
ダムの上の眺めと2本の道路・・・MIPと変わんないテイスト。
そもそもアフガニスタンの20年に渡る戦争とは?
9・11でウサーマ・ビン・ラーディンが逃げ込んだとか、
テロリストの多くがアフガニスタンにいるのでは?
アメリカが復讐を誓った戦争。
それが20年間も続いたとは!
今回、勉強になることが多々ありました。
アメリカ軍に協力したアフガニスタン人通訳が、
なんと5万人にいた!!
そんなに会話が必要だったんでしょうか?
それなら対話で解決が出来る気がするけれど・・・。
そしてアフガニスタン人=タリバンではない。
タリバンの嫌いなアフガニスタンの人もたくさんいる。
そもそも戦争を始めたアメリカ人が悪い。
戦争をしなければ犠牲は出ない。
ロシアのウクライナ侵攻で勉強したこと。
アメリカや西側諸国がウクライナに武器を供与しなくなったら、
ウクライナはすぐに負けてしまうという事。
終わりなき紛争は続き、正義より大国のメンツで戦争は長引く。
一人や二人の通訳を助けても、2000人の通訳がまだ隠れている。
映画はそう結ばれていた。
アフガン戦争
デートで見に行った。
客層はおじさんが多かった。
ジェイク・ギレンホールが助けられて逃げる部と、助けてくれた人を探す部に分かれている。
どちらもハラハラしたし、面白かった。
ラストの掃射シーンは大袈裟でずるくてちょっとウーン😑💭って感じ。
後半はアメリカ側に協力したアフガン通訳が、タリバンに追われアフガンで隠れて暮らしているという設定だったが、、実際にもよくある話らしい。
救出劇の裏側
アフガンにおけるタリバンとの抗争を通して、アメリカが行ってきたアフガンでの行動と行為。
それにより国の分断の溝を深める。
その中で通訳とした現地の男との友情と絆。
これは人と人の物語にし、緊迫感をもったドラマとして面白い。
そして別の国に介入する事で起こる多くの不幸な出来事の連鎖も根底に描いてる点は心に残った。
現代戦争映画の衣をまとった
ガンアクションと漢の西部劇映画。
全く比較不能ながら私も通訳のようなことで仕事をしていたので、米国人兵士とその現地通訳の友情の話と聞きコレはミネバと劇場に馳せ参じました。
なんかお客さんは私のような緩いエンタメ・アクション映画ファンというよりも、深遠な芸術または誇り高い主張が声なき叫びを上げるような映画が好みの通の方が多い感じ。
で映画が始まると、超有能なキンリー曹長の下最初のフツーの通訳さんはやられる姿の描写もなく、爆発の煙が立ち昇ってアッサリKIA。アフガンは過酷。
そして次に選ばれた助演通訳・アーメッドは‥
目つきもハゲ頭もハードボイルドで、そもそも英語が流暢かつカッコ良すぎる。軽装備で現場に臨みつつ、急場となれば拳銃も斃れた兵士のM4カービンも敵兵から奪ったAKも問題なくぶっ放し、的確に主人公を支援し敵陣突破。もはやCombat MedicならぬCombat Translator。
一方ヤラレ役のタリバンと、違う意味での感情盛り立てヤラレ役である米陸軍パトロール小隊の部下たちは皆弾や爆発を簡単に受けてハデに、又はアッサリ次々とやられてしまいます。
主人公は基地帰還し帰国後、勲章を貰い「俺は寝ていただけ全てアーメッドの軍功だ」とか言いますが、流石に小隊全員が戦死し現場指揮官(と現地人通訳)が生き残っただけというのは、上官の大佐含め軍法会議はなくとも厳しい査問くらいには付されるのではないのでしょうかね。映画後半みたいに、ヤバい時は即座にガンシップと戦闘ヘリまで呼んで駆け付けられるPMCもいるのに。
そんな風に見ていてちょっとコレ現実的なのかなと思いましたが、やがて分かりました、このカッコ良い、スネに傷あるアフガン人通訳は主人公のヒーローガンマンを補佐するサイドキックとしての相棒ガンマンであり、この映画自体が現代アフガニスタンを舞台に借りた本格ガンアクション西部劇(冷酷な殺戮と漢の友情、過酷な死地からの救出劇、最後に騎兵隊到着っぽい大団円含む)なのだと。
熱き涙と大興奮アクション、全くの不遜な憶測ですが、劇場に来られた深いイイ映画愛好家の方々や、好戦映画として批判するか反戦映画として批評するか構えて見てらしたリベラルな方々の一部はこの上手い非政治的(ちょっとはある)な西部劇(的)映画を見て、誉めるべきかイカンと言うべきかハシゴを外された感じの方もいたのではと思います。
私は世界に対して専ら無責任なので、銃や戦いや兵隊さんが身近にある今の私にはちょっと異世界な日常でのハードボイルド・ガンアクション映画として頭カラで楽しみました。
ただですね、私は劇中どうしてもメインのハードで渋い二人の役者さんの演技が時々、
まん丸ヘルメットのミステリオ
と
HR打ってゲッツ!のラミレス
二人の掛け合いに見えてしまい、緊張感が抜けてしまって仕方がないという困った精神疾患に悩まされてしまいました反省。
なので評価も、本来感じるべき「緊迫と感動」な出来より☆0.5〜1くらい低く感じてしまっています。製作者及び出演者各位になんだかちょっと申し訳ないです。
ストリーミングが出たら、キャストTVの前で姿勢を正し、映画の政治的観点を含め再度深く鑑賞しようと思います。
エンディングとのギャップ
見応えあった。
戦時中のアフガンにおける米軍の軍曹とその通訳の話だった。
物語は結構スピーディーに進むものの、そのエピソードなのか、終始緊張感を煽るBGMのおかげなのか、駆け足感は全くなかった。
通訳が置かれている立場とか、あまり見ない角度からの切り口も新鮮だったな。
物語を分厚く語る為の素地として、通訳の背景や、通訳が置かれている環境とかがしっかり語られてたのも良かったのだと思う。
尋問中、通訳は現地では「裏切り者」と呼ばれ、家族まで引きずりだして目の前で殺してやると脅される。そりゃそうかと思う。米国側に与し、彼らのせいで情報は漏れ、夥しい数の同胞が殺されるわけなので。実際、米軍が引き上げた後は3000人もの通訳とその家族達が殺されているのだとか。
のるかそるか…まさに命懸けだ。
引き入れる軍にしたって、スパイの可能性は捨てきれず、実際隊員が裏切っていたエピソードなんかもある。
戦場に漂う嫌な空気感…捨て駒にされてやしないか?そんな緊張感が前半は蔓延してた。
彼らは敵の武器庫を見つける任務にあたっていて、敵の拠点を発見し戦闘になるのだけれど、多勢に無勢、応戦も虚しくあっけなく死んでいく。辛くも逃げ延びた軍曹と通訳の何百キロもの逃避行が始まる。
手傷を負い歩けない軍曹を荷車に乗せ引いて歩く通訳。すげえなと思う。どう考えても足手纏いだし、見つかりや即死なんだと思う。
でも、彼には他に選択肢が無かったんだと思う。1人で軍に戻ってもスパイの嫌疑はかけられるだろうし、置いて逃げたところでアフガンに未来はなく、通訳であった自分達は殺されてしまう。
瀕死の彼こそが命綱だったのだ。
軍曹は本国に戻るも通訳は現地で行方知れずで、軍は保護してないわ、タリバンに懸賞金をかけられるは散々だ。
平然と行われるている切り捨て。戦時中の盟約など成立しないと思わせられる。
だけど、軍曹は死地に戻る。
彼を助ける為と言うよりは、自分の平穏を取り戻す為の色合いが濃く「呪いをかけられた」との台詞が印象的だった。
奥地で再会を果たすのだけど、抱擁も感謝もない。依然敵地の真っ只中な緊張感が薄れない。
軍曹は途中から尾行され、タリバンはすぐそこまで来ている。救出ポイントのダムに行く途中に銃撃戦だ。こん時タリバンの車が横転すんだけど、そこをアピールする編集はなく、あくまで臨場感優先の編集が効いてた。
救出のヘリに乗り込んでも言葉を交わすカットはない。目線を合わすような事もない。ただただ遠ざかっていく戦地が印象的だった。
義務は果たしたといわんばかりだ。
パーカーだったか、救出を請け負う仕事の隊長が「キンリーとアーメッドだと知ってたら自腹でも救出してた」みたいな事を言う。英雄達ともてはやしたつもりだろうが、かえってビジネスなんだなと思えた。彼らに依頼するような人達は、唯一無二な存在を救い出して欲しいと依頼するのだ。そこには英雄譚があるかないかの物差しは不必要だと思われる。
最後に至っても2人の間で友情めいた事を語る事はなかったように思い、かえってソレがリアリティを付与してたんだろうなとボンヤリ考える。
エンディングのご本人達を見るまでは。
めちゃくちゃ抱き合ってそうだし、なんなら泣きじゃくってもいそうな人相。
そうだ、軍曹だったと改めて思う。劇中の彼は百戦錬磨の兵士のようで…銃撃の精度は高いわ、指示は的確だわ、何より目が座ってる。ご本人が劇中のように電話口で激昂する様が想像できない。
通訳にしたってすこぶる有能だ。一般兵士よりも腕は立つし、人を殺すのにも躊躇いがない。とてもクレバーだし、度胸もある。
…戦場はああも人を豹変させるのかと思うようにしたいけど、あまりにも落差が大きかった。
2人だけの逃走劇もあんなヒロイックな事ではなかったのだろうなぁ…。
どんだけ脚色されてんだろうか?
とは言え、ご本人達を見るまでは、しっかりハリウッドエンタメに没入できてた。
曲者ジェイク・ギレンホール作品はやっぱり見応えあった。
銃乱射好きだよね
まさにアメリカ映画でしたねー。
片っ端から撃ち殺されるタリバンと中々致命傷を受けないアメリカ兵、アメリカ人が観て気持ちの良い内容なのでしょうね(MAGA!)。
途中の逃亡劇はヒチコックの「鉄のカーテン」を想わせるハラハラがあって楽しめました。
ラストは圧倒的な火力でタリバンを蟻のように殺しまくります。こんなのばっか観て喜んでるから銃乱射事件とか起きちゃうんだろうな、と思いました。日本の剣心みたいな"殺さずのガンマン"みたいのを創ってみたらどうだろうか。
戦地の緊張感がひしひしと伝わります。
これはもうとにかく真っ直ぐな作品でしたね。
男同士の信義と恩義をストレートに描いていました。その肝となる重症の主人公を100キロの道程をほぼ手作りの担架と辛うじて動くような荷車だけで歩ききり救出する現地ガイド。
水も食料もなく炎天下を敵の銃弾を恐れながらの道行きの艱難辛苦をこれでもかと描いていきます。この執拗な描写の長い時間は観ていても疲弊してきます。
だからこそガイドの行為が並大抵なことでなかったと思い知らされるのです。目的地にたどり着いたとき観客もまた緊張感からほどかれる思いがいたしました。
それからアメリカに戻り家族と再会を喜びながら傍目には穏やかな生活に戻った主人公ですが、いまだに彼の地で生死をかけて逃亡しているガイドを救出する恩義に悩むなか、資産を処分して彼の背中を押す奥さんの心中を思い涙する思いと尊敬の念を覚えてしまいました。
結果は派手なアクションとともにハッピーエンドとなりマすが、これらが事実を基に製作されたとのことでございました。
人間はどうしようもない生き物ではありますが、ときおり胸が熱くなるようなことをやってくれるから捨てたものじゃ無いですね。
恩を忘れ無い男の生き様
この主人公の奥さんが物凄く出来ているパートナーです!仕事も出来て旦那の願いを聞いてくれてこんな奥さんと巡り逢えて、主人公は幸せ者意外の何者でもありません。(バツイチの俺としては羨ましい限りです!)
まぁそんな事はどうでもいいとして、タイトルにあげた恩を忘れ無いは、本人も劇中言ってますが逆に忘れられない呪いをかけられたかのように成ってしまいます。
実際にアメリカ軍は本国へのビザ取得をちらつかせて働かせていました。それがいきなりの全面撤退となり米軍に協力していたアフガン人にすれば梯子を外された感は否めません。そんな人々が事実沢山います。そして現在もタリバンから身を隠して生き続けているのです。これもアメリカの罪の一つです。
現地通訳、アーメッド役の役者に脱帽
3部構成で最初は、米軍対タリバンの団体戦。2番目は、米兵1人、現地通訳の現地人の逃走劇、最後は米国に戻って復活した米兵が再度アフガニスタンに単独戻り命の恩人の通訳家族を守りに行く話。 最初の銃撃戦が1番ドキドキしたが、その後も緊張感は続く。
それにしても現地通訳の役の役者がかなり良い味出してる。助演男優賞ものだわ。
そして、他のみなさんも書かれているが、エンドタイトルで現地通訳本人とその家族も皆殺しになりまだまだ逃げ隠れしている人達が多数いることには衝撃を受けた。
現地で反タリバンで、諸々協力する人たちも多数いるが、まさに他人事なのにまさに命賭け何は毎回驚かされる。
問題は全然解決していない
TOHOで
水曜日は料金割引があるので2時間早退して16時過ぎの回に滑り込み
金曜日は18時過ぎ開始で映画の日で割引があったことを後に知った
当初ノーマークだったのだが週刊誌のレビューで話の筋を知り
最近好きなジェイクギレンホール主演というので急遽リストアップ
確認したらチラシは貰っていて家にあった
ギレンホールは文系俳優と思いきやなかなかの軍人ぶり
デニーロばりのマッチョな役作り
そういえばサウスポーってのも観たな
ストーリーはチラシやレビューで語られる以上のものはなく意外性はないが
戦場のリアルな緊張感をヒリヒリと感じさせつつ
ちゃんとエンターテインメントになっていた
ラストは民間軍事会社の人間の前ふりのせいで想像がついてしまった
残念ポイントはそこだけだった
全体的に演出は抑え気味 ありがちなジョークも少ない
二人の再会シーンとか大ラスの感じ 好きだ
字幕で示された通り問題は全然解決していない
軍事作戦を終了ときれいな言い方をしていたけど
要はどうにもならなくて手を引いたわけだ
この映画で悪役として描かれたタリバンが政権を取ってしまった
アメリカよどうしてくれる どうもしてくれないんだろう
これは凄い!今年暫定1位!
全く予備知識なしで劇場鑑賞。
ガイ・リッチーはオサレ系アクション映画を撮るイメージしかなかったけど恐れ入りました。
こんなハードな戦争映画が撮れる監督作品だったとは!
▽あらすじと見所
イラク戦争時の米軍人ジョン(ジェイク・ギレンホール)と現地アフガン人通訳アーメッド(ダール・サリム)の絆を描いた作品。
前半は、普通に出来が良い戦争映画だったのだが、、
中盤でチームが壊滅しジョンも足を負傷!
間一髪でアーメッドがジョンを助けてからの展開が凄まじい!
アーメッドは、動けないジョンを介抱しながら砂漠の山岳地帯を手押し車で100km運搬!しかも道中はタリバンに懸賞金をかけられ、命懸けの脱出劇に!
間一髪で米軍に助けられたジョンだが、結果的に自分だけアメリカへ帰還し、アーメッドは取り残されてしまう。
終盤、ジョンは再び地獄のアフガンに再び戻る決意をし、アーメッドを単身で助けにいく激アツな展開に!
▽演出
この映画、終始米軍有利でない印象で展開で進み、緊張感が凄まじい。
・アラビア語優位
意図的にアラビア語に字幕をつけないシーンが多い。
シンプルだが、通訳頼りに情報収集してる米軍にリンクでき、かなり不安になる。
通訳と信頼関係を結ぶことが前提になるため、映画のテーマとも合致している。(ジョン視点だと、アーメッドの発言が優位になるのも上手い見せ方)。
・ゲリラ戦の恐怖
画面上で、敵がどこにいるのか分からない恐怖が常に潜んでいる。
アフガン=タリバン勢力圏内。情報が不確かで少数のチームで作戦しているため、敵に囲まれると詰む。
▽好きなシーン
回復後、ジョンが移民局に1ヶ月電凸しまくってキレるシーン。短いカットを矢継早に繋いで見せるのは上手い、流石。
これは歴代の電話でキレるシーンでもかなり上位にはいるのでは!?
ハラハラ感はいいけど
何か物足りない。2人の男の絆の《背景》を描く場面が欲しかった。ただただ義理堅い通訳が基地まで必死の100キロ旅。後半のジェイクが通訳家族を見捨てられないっ、と嘆く場面は『わかるよーその気持ち』思い出せば思い出すほど、いてもたってもいられないよね。それで突き動かされるのはわかる。しかしあの通訳が過酷旅する、そこの感情をもっと描いてほしかった。
とてもよかった
ガイ・リッチーらしさがまったくなく、堅実な職人仕事ぶりを発揮している。冒頭で兵隊が一人ずつ名前付きで登場して、とても覚えられないと思っていたら、みんな死ぬ。
100キロもタンカを引きずるか手押し車でタリバンから隠れての移動で、一人でも大変なのに本当にすごいとしか言いようがない。途中で入手した車で幹線道路以外を進んでいけばよかったのではないだろうか。また、敵兵から奪ったスマホで基地と連絡はできないものなのだろうか。そんなことは考えても仕方がなく、アーメッドの偉業はただただ称えられるべきで、それより米軍がひどい。アーメッドは基地に置いたまま、奥さんを部隊でつれてきてあげるべきだ。やばいに決まってるんだから、人でなしかよ。
また、キンリーが頼った民間軍事会社、キンリーとアーメッドって言ってくれればタダでやったのに、って何それ。見知らぬ奴は雑に扱っていいという態度、ダメじゃん。しかし悲しいことにそれが世界の現実だ。
ダムでの飛行機からの銃撃の無双ぶりがすごい。あれで今すぐプーチンを殺して欲しい。
新機軸
ガイ・リッチーがアクションじゃない…?という2024年1本目のガイ・リッチー監督作に色んな警戒をしながら鑑賞。平日の昼間だったんですが激混みで、1番前の座席で観ましたトホホ。
硬派な戦争映画で、横道に逸れる事なくまっすぐ物語を進めるガイ・リッチーとしては異色作ですが、これはこれで見応えのある作品になっていて一ファンとしてなんだか嬉しくなってしまいました。
兵士であるジョンと翻訳を務めるアーメッドの恩義の物語で、ジョンを命からがら助けたアーメッドのビザを渡すためにジョンが行動する作品でした。
助けに行くパートがメインなのかなと思っていましたが、互いが互いを助けるというテーマと同じく、作品も2つのパートで作られているようでした。
アーメッドがこれでもかってくらいジョンを引き連れて助ける姿には胸にくるものがありましたし、色んなところから汗も涙も出しながらでも、1人の命を助けようとする漢気に惚れました。
その恩義に報いるために危険な任務に挑むジョンもまた素晴らしく、何が何でも助けてやろうというこちらもまた漢気が光っていました。
最後の脱出のための戦闘シーンはいつものガイ・リッチー味溢れるスタイリッシュなものに仕上がっていました。ひたすらの銃撃戦ですが、ここまでしっかりしたドラマをやってきた分、違う映画を見ている感じでお得感がありました。
ピンチになったぞってタイミングでヘリからの狙撃で敵を全員蹴散らすのは大味ではありますが、ゲームみたいで見応え十分でした。
現実はやはり上手くはいっていない…というのは薄々勘付いていましたが、それでもジョンとアーメッドは助かったのかなと思って胸を撫で下ろしました。
ガイ・リッチーの新たな面が観れる良い作品でした。これからも目が離せないので追い続けます。
鑑賞日 2/26
鑑賞時間 11:50〜14:05
座席 A-8
エンタメと社会派がいい塩梅で並立
現地人通訳に命を救われた米兵が、通訳を助けるために(恩返しのために)私財と命の危険をかけて自ら現地に保護に向かう、という一見「絆」を強調した美談のようだが、そもそも米軍が何もしないからキンリーがそうするしかなかったのだ。
アーメッドが100キロの道のりを命がけでキンリーを運んできたのに、そこで米軍が家族もろとも彼を保護しなかったのだから信じられない。
米兵の味方についたことでアーメッドがタリバンから目の敵にされているのは承知しているはずなのに。
米軍が従軍通訳に対して誠意を持っていたらこんな「美談」は生まれない。
ガイ・リッチー監督の、イギリス人らしい皮肉が込められているよう。
しょせんアメリカはビザ発給の約束を実行するつもりがなかったようだ。
餌で釣って高く登らせ、はしごを外す。アメリカお得意の不誠実。
「キリング・フィールド」を思い出した。
アーメッド一家は幸運だったが、米軍撤退後のアフガニスタンでは、数百人の従軍通訳とその家族がタリバンに命を狙われ、または落としたそうです。
最新装備の米軍がショッカーみたいなタリバン戦闘員を一掃するとか主人公たちの危機にお約束のように上空に現れる「天使」が場を制圧一気に敵全滅とか基本的に胸が高鳴るエンタメだと思うが、米軍万歳とはならない。
エンタメと社会派がいい具合に並立していたと思う。
論点がズレてる
タリバン掃討のためアフガンに派遣されたアメリカ軍に雇われた現地通訳(アーメッド)と彼に命を救われた米兵(ジョン・キンリー)の話。
アメリカがアフガン撤退後、タリバン政権の下で元通訳とその家族が何百人も殺害され、また現在も身を隠している人たちが何百人といるとのこと。
彼らは米軍に協力する際に将来アメリカのビザと永住許可を得られるという条件であったという。 ところが現実的には彼らは完全に捨て置かれている。
これは誰が悪いの? 誰が見てもアメリカ政府の怠慢・不誠実さに尽きるでしょ。
この点を追求することに多くのシーンを割くことなく、大部分がアーメッドの活躍に終始し、活劇としては面白いと思うが社会派映画としては残念です。。
ジョン・キンリーが復員後単独でアーメッドを救出に行くのは米軍に代わってCOVENANTを果たそうとしている訳ではなく一人の人間として当然な帰結であろう。
そういう意味ではヒューマン・ストーリーとしての価値は認められる。
「もしトラ」が現実味を帯びつつある現在、アメリカ政府のこんなていたらくでは先が思いやられる。
MAGA(Make America Great Again)の連中をはじめ世界中がポピュリストだらけになっちゃうよ。 どうして監督のガイ・リッチーはそこを突かないのか不可解。社会派の看板は剥奪。
日本人ももはやアメリカに昔のような幻想を抱かないようにしないと。
素晴らしい熱いヒューマンドラマ
舞台はアフガニスタン。タリバンの武器庫を捜索する為、アフガン人の通訳アーメッドを雇い、米軍曹長ジョンの部隊は現地に向かう。
武器庫を突き止めるも、タリバンの攻撃により部隊は全滅。ジョンも瀕死の状態となるが、アーメッドにより救出される。
生き延びた二人をアメリカでは英雄扱いするが、現地人のアーメッドはタリバンから追われる身に。
あまり前情報は入れず、戦争映画だと思って観に行きましたが、とんでもない!これば素晴らしいヒューマンドラマです✨
初めは信用してよいのかといった一癖あるアーメッドでしたが、瀕死のジョンを連れ、100kmもの道のりを命をかけて帰還させようとする姿には感動!
ド派手な銃撃戦のような演出はないものの、だからこそのリアリティがとても怖い。
米軍基地までの逃走劇はものすごい緊張感でした。
助けられたジョン。自分はベッドに寝ているのに、彼は逃走の身で穴蔵生活。これでいいのかと・・・
アーメッドを助ける為、やっと帰った家を後にし、再びアフガニスタンに向かうジョン。
クライマックスの爽快感も最高でしたが、とにかく二人の熱い絆にやられます。
再び会えた二人は抱き合うわけでもない。ただ、目と目で語り合う静かでありながら確固たる絆を感じ、グッときました!!
改めて驚かせられるのは、時代背景が2018年であること。
ほんの数年前にアフガニスタンではこんな光景が当たり前だったのかと思うと、平和のありがたみを改めて感じます。
アメリカがアフガニスタンを撤退したのが2021年。
その後、タリバンが政権を担う中、アフガン人の通訳に対する報復が今なお問題となっているなどとはこの映画を観るまで知りもしませんでした。
とにかく見応えのある素晴らしい映画。オススメです!!
イギリス人監督視点のアフガニスタン戦争
最初から最後まで、見ごたえのある映画でした。
キンリ―が自分の言葉で語るように、アーメッドとの関係は『恩/約束=呪い』であり、ハリウッドが美化して描かずにやり過ごしそうな部分まで、さらっと抉ってきます。
そして、主役の二人だけでなく、キンリ―の奥さんキャロラインや民間軍事会社のパーカーなど、この映画に出てくるキャラクターには確固たる芯があって魅力的です。みんな、何らかの形で救出作戦を支えてくれます。
しかし、この映画の本体はエンドクレジットではないかと思います。見事に映画体験を頭から消して、現実に巻き戻してくれます。
『米軍のアフガニスタン撤退後、タリバンが実権を握って300人の通訳が殺された』
このナレーションには驚きました。
『これ、あくまで映画だからね』と、監督自身に言われたような気分です。
エンドクレジットの間ずっと頭に残るのは、映画化するにはあまりにも残酷で救いのないストーリーが、死んだ通訳の分だけあるということ。
そっちの方が現実で、アフガニスタン撤退の舵取りをしたどころか、自分が大統領であることすら忘れていそうな老人が仕切っている国の話だということを、嫌でも実感させられます。
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