「いや、面白かったですよ。けど…」コヴェナント 約束の救出 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
いや、面白かったですよ。けど…
此の所、ペース早目なガイ・リッチー監督ですが、前作『オペレーション・フォーチューン(23)』のレビューでも触れたとおり、若干彼の映画に興味を失いつつある私。はっきり言うと、よく考えられているのは解るけど、そんなに面白いと思わないと言うか、飽きているところがありまして。。ただ、今作はどうも毛色が違う作品性のようだし評価も高そう、ということでそこそこ悩んだ挙句に参戦です。
で、感想はというと、文句がないほどには面白いと思います。何といっても「流石、ガイ・リッチー」と思える脚本の構成こそが、この作品を映画としての「エンタメ感」を間違いないものとして成り立たせています。
ただ、どうしても文句を付けたいわけじゃないのですが、良く出来てるからこそ若干その「エンタメ感」が「作り物感」にも感じてしまう点が、盛り上がりにおいてもいまいちカタルシスまで届かないかな、と。社会派と言えるほどの人間臭さがないばかりか、何ならちょっとカッコよすぎることもあって、「ドキュメンタリーに着想を得て」と言われてもほぼリアリティーは感じられません。何なら、今どき戦争を「カッコよさ」で語ることに古さも感じるし。そしてまた、そう感じ始めてしまうと「有りがちなツッコミ」とは言え、やはり弾は当たらないものだなと思わざるを得ず。(死ぬ奴はアッサリ死ぬんだけどね)状況の悪さや戦力の違いに対して、無視しきれない「都合の良さ」が気になることは否めません。
いや、面白かったですよ。充分楽しめましたし評価点だって、平均以上の3.5つけているわけですし。ただ、他人に「劇場一般料金2,000円を払う価値はありますか?」と聞かれれば、正直「配信でもいいと思う」というのが私の個人的な評価です。ガイ・リッチーファンの方、悪しからず。