劇場公開日 2024年2月23日

  • 予告編を見る

「「ブラックホーク・ダウン」「ローン・サバイバー」を楽しめたなら予備知識なしでの鑑賞がおすすめ」コヴェナント 約束の救出 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「ブラックホーク・ダウン」「ローン・サバイバー」を楽しめたなら予備知識なしでの鑑賞がおすすめ

2024年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

ガイ・リッチー監督が戦争映画なんて珍しい、とそれだけの予備知識で臨んだら大正解。従来の戦争アクションの定型に収まらない予想外の展開を大いに楽しむことができた。かつて「逆転のトライアングル」のレビューでも書いたことだが、予告編や解説文などであらすじの半分から3分の2ぐらいまで前もって教えてしまうのは常々疑問に思っている。本作は大まかに3つのパートに分けられるが、事前情報で第3のパートのさわりぐらいまで明かしてしまっている。物語の7割から8割くらいまで予告されていたら、そのぶん主人公の「この先どうなるんだろう」という不安や恐怖への感情移入の度合いが弱くなってしまう。

戦争映画としての傾向は、「ブラックホーク・ダウン」「ローン・サバイバー」のような孤立無援の状況を描いた作品に近い。これらを楽しめた人なら、なるべく事前情報に触れずに鑑賞するのがおすすめだ。「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」や「スナッチ」、近年では「ジェントルメン」などコメディとスリラーを絶妙にブレンドした犯罪映画を得意としてきたリッチー監督にとって初の戦争物ということで、笑えるユーモアやスタイリッシュな演出は控えめ。それでも、隠れながら逃げるキンリー(ジェイク・ギレンホール)たちと捜索する敵のタリバン兵が不意にお互いの姿を目にして、しばしお見合い状態になってしまう一瞬の絶妙な間(ま)などにはやはりリッチー監督らしさを感じて嬉しくなる。

高森 郁哉
Mさんのコメント
2024年2月26日

予告のあり方について大いに賛成です。

M