きっと、それは愛じゃないのレビュー・感想・評価
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社会派のラブコメ映画・・・とでも申しましょうか!
お嫁さんにしたい人ナンバーワンのリリー・ジェームズの主演映画ですので、
胸熱の泣ける映画かと思ったのですが、意外や考えさせられる
なかなか興味深い、しかも民族問題にも触れる奥深い映画でした。
しかも面白かった。
リリー・ジェイムズという好感度抜群の人気女優の映画なので、
期待値は高まります。
もちろんリリーちゃんは可愛くて予想通りでしたが、
相手役がパキスタン人、それも幼なじみにして隣人一家の長男。
彼を取り巻く環境は、民族+宗教+戒律その他もろもろ、
大変なんですよ。
どうせ、軽いラブコメなんでしょ!!
多分、隣家の幼馴染のパキスタン人と、
ラストはハッピーエンドなんじゃ?
その予想はほぼ当たりでしたが、
えーっ、イギリスの現首相のスナクさんはイギリス生まれの
インド人です。
現状は日本なんかと月とスッポンですよね!!
《STORY》
ゾーイ(リリー・ジェイムズ)ドキュメンタリー映画の監督で、
入賞歴もある。
次作の題材を求めていたところ、幼馴染のカズ(シャザト・ラティフ)が
どうも見合い結婚をするらしい。
嫌がるカズを説得して密着取材をすることとなる。
見合いは見事に成功して、パキスタンで挙式と披露宴を行う運びとなる。
ゾーイはパキスタンにも母親(エマ・トンプソン)と同行する。
パキスタンのムスリムの寺院が美しい。
朝焼けの景色も抜群。
挙式と披露宴は3日3晩の盛況で飲めや歌えや踊れや!!
でインド映画みたい
(だけど、ご存知のようにインドとパキスタンは犬猿の仲)
カズ(シャザト・ラティフ)の一家も高級住宅地に豪邸を構える成功者です。
ところが披露宴の宴あたりから、カズの顔色が冴えなくなる。
お嫁さんになる人の素顔がチラチラ見え隠れする。
彼女は黒い民族衣装の中に秘密を貯めていて、
隠したまま嫁に来たらしい。
そしてカズと夜の街を案内されたゾーイはカズに、
「結婚しないで!!」とメールする羽目に・・・。
そして映画が完成してお披露目の試写会。
ゾーイには秘密があって、試写会を観ていられない。
実はラストに爆弾が仕掛けてあったのだ。
カズの妹の夫は白人で異教徒。
もちろんムスリム(イスラム教)ではない。
反対したカズの家族は妹と絶縁したのだ。
そこへゾーイは取材に行きカメラを回して
妹夫婦と赤ちゃんを撮影して上映したのだ。
結論から言います。
《雨降って地固まる》
カズの口癖は、47番地と49番地は世界が違う・・・
ハイ、結果少しその隔たりが埋まり、近づいたみたいですね。
好意に落ちて
設定だけなら、日本でもよくありそうな話。
その中で、人種や宗教が絡むところや、結婚相談所で国際結婚が普通に提案されるところが新鮮。
異教徒との婚姻の重さや様々な単語など、文化的な部分は理解できない部分が多かった。
それでもテーマがシンプルなので、十分楽しめます。
序盤はやや退屈で、カズの結婚が具体性を帯びてきたあたりから面白くなる。
最初のスカイプで口数少なく奥ゆかしかったマイムーナも、決して騙す意図はなかったハズ。
カズもノリがいいのを隠していると思ってたように、それが普通という感覚でしかない。
相手以上に“相手の親”に気に入られることが重要なのも影響しているだろう。
二人とも、あくまで“親のため”だったんだよね。
終盤、ジャミラ絡みの確執はアッサリ、ヘレナ夫の浮気問題はいつの間にか解決してたのは物足りない。
要素として入れるのはいいが、描ききれないならメイン2人の関係性(幼少期など)をもっと見たかった。
落とし所は「まぁそうなるよね」というものだけど、変に捻りすぎないのが良い。
ツリーハウスで締めるところも王道です。
最後のビデオレター風のエンドロールも含めて、悪人もおらず気持ちの良い作品でした。
獣医のジェームズが一番イケメンだったよ。
むかし むかし あるところに …
ドキュメンタリー映画監督ゾーイ( リリー・ジェームズ )と、隣の家に住むイギリス系パキスタン人の医師でイケメンの幼馴染みカズ( シャザド・ラティフ )。
カズが見合いをする事を知り、ゾーイはドキュメンタリー映画を撮りたいと願い出る。カズにお見合い相手として若く美しいマイナーム( サジャル・アリー )が現れるが … 。
運命の相手を探す女性の心情をリリー・ジェームズが好演。あれこれと悩む姿が愛らしい。
華やかなパキスタンの婚礼事情も興味深い。
他全てがパーフェクトに思える相手だとしも、考え方が合わないと、伴侶としては辛いかも。
私も寝る前にリリー・ジェームズに御伽噺を語ってもらいたいな ✨🌙
映画館での鑑賞
お見合い自体は悪くないのでは
予定調和がすぎるが、その過程が興味深い。
宗教が絡むと結婚は大変だ。日本人はかなり自由に結婚できると思った。
結局、お見合いよりは自由恋愛、という結論にしているのは、ヨーロッパ的考え方を良しとする押し付けな気がしないでもない。
お見合いが悪いのではなく、本人の意志を抑え込むのが良くないだけだろう。
パキスタンの結婚式のド派手さにびっくり。ほぼ、乱痴気騒ぎ。保守的なイスラム教徒の宴会はヤクでキメてもなんくるないさ~なの?
ゾーイのママが、ちょっとうっとおしい。
親の言いつけに背けなかったマイムーナ(めっちゃ美人!)が離婚して人権派弁護士になったというのは爽快です。
あまりにも
予定調和すぎて・・・。
だけど、心に残る台詞がいくつかあって、とてもよかった。中でも、獣医さんの「自分にはばれる」と主人公の男性の「テロがある度に頭を下げる」(正確ではない)という言葉は印象深かった。登場人物の中では、獣医さんが一番好きだったかも。ほんと、いい人だった。
映画としても、とてもいい映画です。
今度は、誰か「お見合い結婚はいいもんだぞ!」という映画を作って欲しい。
恋愛が先か、結婚が先か。情熱と現実の間。
ただの恋愛ドラマでなく、異文化交流や世代間ギャップ、結婚への価値観、家族愛を描いたかなり深い作品。脚本家の方はまさに主人公と同じくパキスタン人の男性と結婚してるので、内容が噓っぽくなくて真に迫ってた。セリフもいちいち名言が多くて、濃密な映画体験ができた。
劇中で言われるように恋愛結婚よりも見合い結婚の方が長続きする。恋愛結婚は減点方式、見合い結婚は加点方式。見ず知らずの人間同士なら暮らしてゆくうちに互いの良いところを発見できる。逆に良いところを知り尽くしての恋愛結婚なら嫌なところが見えてくる。
恋愛の延長線上にある結婚を選ぶか、あるいは結婚と恋愛は別物として割り切るかそれは人それぞれ。恋愛は情熱、結婚は制度なんて言葉もあったっけ。
恋愛は自分の感情の荒波に翻弄されて冷静な判断力を失わせるから、時には相手を傷つけたりもする。恋愛にはそもそも安定なんて必要ないのかも。強い炎は燃え尽きるのも早い。逆に火を長く灯し続けたいならコトコト煮る方がよい。そういう意味では恋愛は結婚におけるファイアースターターかな。
恋愛は一過性のもの、結婚は安定が必要とされる。情熱に左右されず冷静な関係でいたいなら見合い結婚はおすすめかも。
ただ、見合い結婚が長続きするのはしがらみが理由としては大きいとも思う。家同士が決めた結婚、自分たちの意思では簡単に解消できない。劇中のマイムーナの言葉通り結婚を続けるために演技し続けなけれなならない。
ゾーイは幼馴染のカズが見合い結婚をすることに違和感を感じながらもその過程を撮影し続ける。
イギリス生まれのパキスタン人の彼とは隣同士で家族ぐるみの付き合い。敬虔なムスリムの家庭で育った長男でもある彼の気持ちは十分理解できた。でも心のどこかで引っかかる。その理由を彼女はこの時はまだ気づいていない。
ゾーイは経済的にも精神的にも自立した女性であり、結婚に対しては冷めた考えを持っていた。自立しているから自分には王子様は必要ないと。でも心のどこかでさみしさを感じては夜ごとその場限りの恋愛を繰り返していた。
撮影を続けるうちに彼女の心の引っ掛かりはどんどん大きくなる。その国の伝統文化宗教を重んじるのは理解できるし、家族のことを優先したいという気持ちも。でも自分の気持ちを犠牲にしてまで結婚してほしくはなかった。どうでもいい人間ならそんなことは思わない。自分の好きな人がそんな結婚をすることがゾーイには耐えられなかった。彼女はカズに対する自分の気持ちに気づいてしまう。というよりも封印していた自分の気持ちを抑えられなくなる。
周りのことよりも自分の気持ちを大事にしてほしい。そしてそれは母を安心させるために妥協しようとしていたゾーイ自身にも言えることだった。そしてカズもゾーイへの気持ちを抱き続けていた。
結婚相手のマイムーナが好きな人がいながら見合い結婚したことを知ったカズは離婚を決意する。演技し続けるという彼女の言葉が彼の胸に突き刺さった。
古い世代の人々が伝統や宗教を重んじてそれに固執するのは仕方ない。そういう環境で生きてきたのだから。でも外国で、異なる環境で育った若い世代に同じ生き方を強いるのは酷だろう。広い世界を知ってしまってるから価値観も変わってくるし。カズは古い世代と若い世代の間で悩む。自分の気持ちを優先させるか、伝統文化家族を優先させるか。
個人の意思が優先されるか、伝統文化家族が優先されるか。結局は個人の気持ちに素直に生きることを否定できないと思う。なぜなら、自分の好きな相手と結婚することも、家族を思って見合い結婚することもどちらも個人の意思で決められるからだ。個人の意思が原点のはずが個人の意思が尊重されないのは本末転倒だ。だからゾーイは見合い結婚を決めたカズに対して何も言えなかった。カズへの気持ちに気づくまでは。
そもそもどちらか一択なんて酷な話だ。自分の気持ちも大事にしたいし、家族や伝統も大事にしたい。お互い譲り合えばいい。古い考えに固執せず柔軟に考える。それが一番いいし、実際にそうなってゆくはず。
たとえ異教徒同士でもカズとゾーイの家族は隣同士仲良くやってきた。お互いを尊重し合い歩み寄れば世界から争いなんてなくなるはず。凝り固まった考えに縛られていたら誰も幸せにはなれない。
カズの妹は自分の気持ちに素直に従ったゆえに家族とは絶縁状態になり腫物扱いされていた。ゾーイはそんな妹を映画に出演させて思いのたけを語って貰った。それに対して憤ったカズも本当は妹の気持ちがわかっていたはず。
妹やマイムーナの気持ちを知ったカズは自分に素直に生きることを選択しゾーイと結ばれる。妹も家族に受け入れられてハッピーエンドを迎える。
現実はまだまだ難しいかもしれない。たとえ隣同士で住んでいても違う大陸に住んでいるというカズの言葉は重い。いつか世界中の人々が同じ大陸に住めるようになればいいのに。
これはかなりの傑作だった。この公開規模が信じられないくらい。多くの人に見てもらいたい作品。
映画会社がマーケティングへたくそだったのかな。ポリコレにうんざりしてるという人ほど見てほしい作品。
鑑賞したのは昨年末だけどあまりに内容が濃くて自分の中で整理がつかず何とかレビュー書き上げた。でもとてもすべてを語りつくせない。
内容もさることながら登場人物のキャラクターも素晴らしかった。特にゾーイのお母さん、普段おちゃらけてるのに言うときは言う、自立してることと他人を遠ざけてることは違うとか、ほんと本作は身にしみる素敵はセリフが多かった。あと何でも飲み込むワンちゃんもかわいかったな。
個人的に痛いくらい刺さった作品。
お見合い結婚をすることに決めた男友達のドキュメンタリーを撮影する女性が主人公の話。
物語が進むにつれて男友達への思いが次第に大きくなる主人公。
この作品、紆余曲折ありながら最後に2人が結ばれて単にハッピーで終わるラブストーリーではないところが凄く良かった。
家族や宗教、時代など色々なものを土台に価値観の違いを描いてたと思う。
中でも結婚に関して、男は情熱や相性といったものを否定していたが、物語の最後に自分に素直になることを選択する。
その選択がとても家族を大事にしている男のキャラクターらしい選択だなと思った。
観終わって、人生におけるとても大きな宿題を言い渡された気分でした。。
自分の幸せと真摯に向き合うきっかけをくれる、楽しくて、少し切なくて、そして感動する、とても温かみのある映画なので、幅広くおすすめできる作品です。
幼なじみの男女。相手の結婚活動を通して自分自身の感情に気付き、新たな関係を築き始めるお話です。民族・宗教・地縁血縁、越えるハードルは多くとも、相手を思う気持ちがあれば大丈夫。
リリー・ジェイムズが主演の作品ということで
チェックしていた作品。久しぶりかもと思ったら
4年ぶり。「イエスタディ」以来の鑑賞です。
幼なじみ同士の恋愛作品…かと思っていたのですが
そんな単純な内容ではありませんでした。・_・ハイ
主人公はこの二人。
ゾーイ(リリー・ジェイムズ)ドキュメンタリー監督
カズ(シャザト・ラティフ)は医師。
家が隣同士で、家族ぐるみの付き合いのようです。
プレゼンした番組の企画が通らず苦戦中のゾーイ。
そんな折、カズから「今度見合いをする」と告げられる。
” これだわ ” と、彼の見合い過程を追跡する番組を企画。
本人承諾の無いままプレゼンし通ってしまう。…いいのか?
必死にカズを説得し(というか無し崩しに撮影開始した感が…)
見合いの過程をカメラに収め始めるゾーイ。
一方のゾーイにも、母のおせっかいの手が。
愛犬がてぶくろを誤飲してしまい、獣医に連れていかなければ
ならなくなる。ゾーイに獣医に連れて行くよう頼む母。
誤飲はその通りだったのだが、深刻な状況では無かった。
その獣医の若い男性、ゾーイに色々と話しかけてくる。
” さてはママ、仕組んだわね ”
どうやら、愛犬をダシに二人の出会いを画策したようだ。
戸惑いながらも、付き合わない理由も見つからないゾーイ。
カズの見合いも進展する。
オンラインで顔を合わせた相手の娘はパキスタンにいた。
カズの家もパキスタンからの移民だ。
民族・宗教の異なる相手との結婚となると、様々な障害が
出てくるが、同じパキスタン人なら問題無い …らしい。
※カズの祖母は昔ながらの人間で、因習等に相当の拘りが
あるらしい。実はカズの妹が英国人と結婚しているのだ
が、それがために家族の中で妹の存在はなかったことに
なっていることが話の途中で分かる。 …ええぇ@-@
見合い相手は22才。(カズとゾーイは32才)
法律家を目指しているそうで知的な雰囲気を漂わせているが、
ネコ被りの雰囲気も漂う。ニャー
カズは相手を” 気に入った ” として見合いは進むのだが。
ゾーイの思惑よりも縁談の進み方は早かった。
この後、パキスタンでの挙式のため、カズ一家とゾーイに
ゾーイの母もパキスタンに行くことになるのだが、結婚式の
前に破談になるのかなと予想していたら大ハズレ。・_・アラ
式を挙げロンドンに戻り、カズは新婚生活を…のはずが
事態は急転直下の展開を見せ始める。
果たしてカズの見合い結婚の行く末はどうなるのか?
そして、 ”二番の男ではイヤだ” と、
見合い相手の獣医に別れを切り出されたゾーイは
自分の本当に大切な相手が誰かに気付くのか?
…というお話です。
・イギリスの結婚事情とパキスタンの結婚事情
・生まれながらの英国人と余所から来た英国人
・民族の違い・宗教の違い
・そこから発生する差別と区別
・同じ地域に暮らすことによる地縁。
・遠い親戚より近くの他人。恋愛と見合い。
このようなテーマ(割と重いかも)を含んだ作品でした。
現代のイギリス事情が垣間見れた気がして、その点でも
興味深い内容だったと感じます。
予想した内容とは違ったけれど
観て良かった。
◇あれこれ
■カズの隠し事
・タバコを吸っている事
⇒ 患者さんの前では吸ってないでしょ? と
家族は対して気にしていない様子…
・酒を嗜む事
⇒ 赤ワインはコレステロール現象に良い と
全く気にしていない様子…
本人が秘密にしているコトって、意外と周りは知っていたり
気にしていなかったりするもののようです。
バレていないと思っているのは本人だけだったり。・_・♪
■カズの結婚相手
大麻だかマリファナだかを吸っていたりしましたが -_-;
バキスタンでは合法なのでしょうか。(違う気が…)
それにしても
絵に描いたような猫かぶりでした。カズの祖母に対しても
カズの姿が見えなくなると侮蔑するような発言を…。
インドの場合はカースト制度がありますが、パキスタンは
どうなのでしょう と考えてみて、パキスタンの事って
ほとんど知らないなぁ と実感しました。
(インドと仲が悪い国、という事だけは知ってますが… ・_・;)
■カズの妹の事
妹が英国人(アングロサクソン系?)と結婚した為、異教徒との
結婚を認める訳にはいかない と、家族の中で存在が抹消される。
そんな状況を知った上で、ゾーイは妹さんにもインタビューをし
ていた。
事前にそれを知らされないまま試写フィルムを観たカズの家族は
怒るが、結果的にこの事を通じてカズがこのままではダメと決意
し、最後には祖母と妹が再会する場面は良かった。
◇最後に
お話の内容とタイトルが一致しているのか考えました。
” きっと、それは愛じゃない… ” で始まり
” きっと、それは愛じゃない? ” で終わる
そんな否定と肯定の二重の意味を持っているのかな?
と、そんな事が頭に浮かんだりしました。
※ ただ、この結末だと「見合い結婚は上手く行かない」
そんな終わり方になってはいないかなぁ?
と、少しだけ気になってます。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
英国ロンドン。 ドキュメンタリー監督のゾーイ(リリー・ジェームズ)...
英国ロンドン。
ドキュメンタリー監督のゾーイ(リリー・ジェームズ)は母親(エマ・トンプソン)からの電話で起こされた。
結婚式に遅れそうなのだ。
結婚式は、ゾーイの実家の隣家で行われる。
隣家はパキスタンからの移民の一家。
長男のカズ(シャザト・ラティフ)とゾーイは幼馴染。
カズは今では若手医師としてバリバリに働いている。
結婚するのはカズの弟。
お相手は彼の古くからの知り合いだが、結婚の段取りをしたのはカズの両親だった。
いわゆる、お見合い結婚のようなもの。
ゾーイは「そんな、お見合い結婚なんて上手くいくのかしらん」と疑念を抱くが、新郎新婦の仲は良さそう。
30歳を過ぎたカズも両親からのお見合い結婚を勧められ、乗り気になっている。
いま企画している暗い内容のドキュメンタリーがポシャったゾーイは、代わりの企画としてカズのお見合い結婚のようすを撮ることにする・・・
といった内容で、あらすじだけ取り出すと、なんだかアホくさい、ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)に配慮した異人種間のラブコメのようなのだが、観てビックリの出来の良さ。
ゾーイの映画の被写体となるカズは教養もあるが伝統も重んじる。
両親の思いは尊重したいが、両親が勧めるお見合い結婚に進んで参加するのは、それだけではない。
いつか冷める愛よりも、徐々に温め合う愛の方が好ましいと思っているからで、それは理知的な態度でもある。
なにより、根が善人である。
そんな善人カズを通して、観客はゾーイとともにパキスタンの伝統や文化に触れていくのだが、ムスリムのパキスタンといえども、祖父母や両親世代と30代のカズ世代とは考え方も異なるし、カズのお見合い相手の20代のさらに若い世代とはさらにまた異なる。
それをいうなら、ゾーイと母親でも考え方は異なる。
十代のころに911事件に遭遇したゾーイやカズの世代は、母親世代よりもムスリムに対する偏見を強く感じている。
子どもの頃にフラワームーブメントの残滓に接した母親は、隣家とフレンドリーに付き合うが、ゾーイはそこまで馴れ馴れしく付き合えない。
偏見というのではなく、自己責任の「自立」からによるものなのだろうが。
ということで、英国人とパキスタン人という異文化のみならず、世代間の異文化をバランスよくミックスして、ポリコレの枠を超えての娯楽作品になっている。
で、これだけでも賞賛すべきなのだが、映画の話法に魔法が潜んでいて、映画終盤にそれまで意図して前面に登場していなかった人物を中心にして、映画をグググって引き締め、観る前に予想するゾーイとカズの恋の行方がオマケのように感じるほど。
傑作ラブコメです。
ラブコメ王道。47番地と49番地、お隣なのに世界が違う。マジか。 いんしゃ~ あらぁ~
◆ラブコメ部分
王道。ゾーイとカズが一緒になってハッピーエンドなのは決まってる。だけど、まず2人の距離が縮まらんことには話にならん。ドキュメンタリーの撮影にかこつけて2人でいることが多いが何も起きない。
ツリーハウスでのファーストキスの想い出の話になって、「来たキタキタキタ」とワクワクドキドキするが、カズがいまいち乗ってこん。カズつれないのう。
カズは婚約解消するのかと思ってた、らそのままホントに結婚しちゃう。何てこったい、思わず舌打ちしたよ、「チッ、この裏切り者め」。 ゾーイもママお墨付きの獣医とラブラブ中。八方塞がり。もう詰んだ。
「あー、もう面倒くせえなあ。遠回りしてんなよ」と思うが、それがラブコメである。 しょうがないから 「取りあえずこの2組を別れさせなきゃならんのだな」と気を取り直す。
・別れ話(その1):まず結婚しとらんゾーイから。
ドキュメンタリーの試写中に1人海べり(川べり?)のテラスで夜景を見つめるゾーイの所に現在の彼がやって来る。ここでのゾーイの、「皆まで言うな」感のテンポのいいセリフ回しが面白かった。
「話があるんだ」
「その言い方は、別れ話かプロポーズね」
チラッと彼を見て
「別れ話のほうね」
みたいな感じでポンポン進む。確かにこういうい展開が多いから「皆まで言うな」の脚本が小気味良かった。取りあえずゾーイ終了。
・別れ話(その2):次にカズ。
カズから離婚言い出したらマイムーナが悲しむから、どうすんだろと思ってたらナント向こうから切り出してきた。その手が有ったか。ゾーイのドキュメンタリーがきっかけだ。カズの妹の話がマイムーナの心に火をつけ、家族より自分の気持ちを優先させる決心をさせた。カズの妹とおばあちゃんとの和解の副産物もあってナイス。
カズもイッチョ上がり。
◆ハッピーエンド
晴れてフリーになったし、カズのおばあちゃんの「異教徒との結婚はダメ」問題もクリアしてハッピーエンドで大満足だヨ。
◆ディズニー
ディズニーはほとんど見てないけどラプンツェルは見てたので、カズの「ラプンツェル、髪を下ろして」が分かって嬉しかった。
スリーピングビューティーと白雪姫の視点からの、彼女たちが眠り続ける理由にニヤっとした。
◆お笑い担当:エマ・トンプソン
正確に覚えてないが、離婚するのに3回言うだけで良いということに反応して、「便利ねえ」だか「楽ねえ」みたいなこと言ったのが一番笑えた。ダンス入るところ間違えたりしてにぎやかだった ( 間違えたのは、脚本どおり? アドリブ ? NGをそのまま使った? )
◆宗教
王道のラブコメだけど、生活や人生に宗教が密接に関わってる部分にはいつも驚く。全く理解は出来ないから「ホォ~、そうなんだ」と思うばかりなり。
カズが「テロが起こるたびに謝らなきゃいけない。47番地と49番地でお隣なのに世界が違う」みたいなセリフが印象的だった。
カズの妹の結婚相手がイスラム教徒じゃなかったから、おばあちゃんが「異教徒なんかと結婚するなんて有りえーん」ということで疎遠になってしまったというのも驚き。
日本でも親の反対を押しきって結婚したから、それ以来 親とは会っとらんっていうのは聞くから珍しかないが、 ”異教徒との結婚はダメ” ってとこに唖然とした。イスラム教だからか? キリスト教とかも異教徒との結婚がどうなってるか知らないが。
昔、「ある愛の歌」でカトリック女子がプロテスタント男子の彼を母親(カトリック)に紹介したら、母(カトリック)が、彼の宗教がプロテスタントであることに戸惑うという場面に驚いたのを思い出した。。
当時、カトリックとプロテスタントの違いなんて、同じキリスト教だから目クソ鼻クソを笑うレベルのことだろうと思った(諺の使い方が全然まちがってます)。
僕は、宗教と人生が密接に結び付いているというのが実感できない。だから、孫の結婚相手が異教徒であることや、娘の彼がカトリックなでなくプロテスタントであることが、彼女たちにはとってショックであるのが僕にはサッパリ分からない。
アンパンのアンコが、こし餡か粒餡かの違い程度にしか思えん。 ← 余計わからん。
※ ちなみに、僕は、アンパンはこし餡派だが、お萩はつぶ餡しか勝たんと思ってる。だからアンパン買いに行って、こし餡が売り切れでつぶ餡しか残ってないとショックで有り得~んと思う。もちろん粒餡のアンパンなんぞアンパンと認めんから絶対に買わん。宗派の違いよりはるかに重要なことだ。インシャラー、アラーの神の思し召しのままに。
◆邦題「きっと、それは愛じゃない」
まったく、こんな感じの題名が好きなアラサー女子をタイトルで釣ろうってのがミエミエだよ。なんて思いながら僕もこんな題名の映画が大好きだからウキウキして映画館に足を運ぶ。いつもながら相手の思う壺。
原題の意味を調べようと文章ごと意味を検索したら、ティナ・ターナーの歌のタイトルだったらしく、詳しい解説がいろいろ有った。
.『 What’s love got to do with it 』 ’s は has。 原題には?がないけど疑問文。
What has love got to do with it ?
愛はそれと何を関係づけてるの?
→愛はそれと何か(どんな)関係があるの?
i t (それ)は、この映画では ”結婚” を指すのか ? (←たぶん)
→愛は結婚と何か(どんな)関係があるの ?
期待度○鑑賞後の満足度◎ きっと最後には異文化を越えた愛が実るという筋書のラブストーリーでしょ、と思っていたら予想外に泣かされてしまった。迷える“愛”よ、“寛容”と“勇気”を導きたまえ、というお伽噺。
①原題の“What's Love Got to Do With It?”ってティナ・ターナーの奇跡のカムバックを告げたヒット曲と同じじゃん、パクりか?と思って最初は食指が動きませんでしたが、予告編を観たら何か一部ボリウッド映画(実際はインドではなくパキスタンでしたが)みたいだったので観ることにした次第。
②日本だって数十年前までは結婚て基本“家”対“家”という考え方というか認識が主流だったから、親や親戚・知人が選んだり相手方の事を調べたりするのが普通だったし、祖父母の代なんて結婚式までは写真を観ただけだったという話も聞いたし、それこそ結婚式で初めて相手の顔を見たということも有ったそう。
日本では宗教絡みは少ないだろうけど、私の住む奈良の田舎では(何せ因習深い。「ここは八っ墓村か」と思ったこともありましたわ。)昔は同じ仏教でも宗派の違いが結婚の妨げになることもあった様。
ということで、本作の背景事情もすんなりと受け入れられました。
③本作は決して恋愛結婚の善し悪し(でも離婚率が高いのはホント)や見合い結婚の善し悪しを云々している話ではありません。
事実、私は結婚していませんけれども、友人・知人・親戚・同僚達の結婚生活(恋愛結婚だったにせよ、見合い結婚だったにせよ)を見たり聞いたりしていると、カップル(内縁も含め)の数だけ違い・物語が有るので一概に善し悪しは言えませんし。
④極端に言えば本作のメインプロットは、いつもクズ男・ダメ男(どれくらいクズかダメかの具体例はあまり描かれなかったけれども)としか恋愛していなかったヒロインが、幸福の青い鳥はすぐ隣に居ていたのにやっと気付いたというよくある話に、その青い鳥が異人種で異宗教だという捻りを加えたシチュエーション・ラブコメだと言える。
⑤ただ、本作が感動的なのは、
友人から異性。
ただの幼なじみと思ってた男性(カズ)を意識してしまったドキュメンタリー女性監督(ゾーイ)の話。
幼なじみカズの結婚までの軌跡をドキュメンタリー撮る事になるも、幼なじみと思ってた男友達に、友達とは違った感情に気づいたゾーイのストーリー。
フライヤーを見て、これ絶対好きなやつだ!と決めつけて観に行ったんだけど…ちょっとイメージした作品とはかけ離れてた(笑)
何か上映始まった途端、炭酸ペットボトル「プシュー」開けて、お菓子の袋取り出してガサガサ食べ始めたのが斜め右後ろにいたから気になちゃって(笑)冒頭のストーリーは入ってこず(笑)「食べるなら外で食ってこい!」とちゃんと注意はしましたが(笑)
ラストの祝祭辺りから良かった!それまでは何かストーリーがちゃんと入ってこず眠気がやばかった。
入場特典なぜ「ゆかり」?!(笑)
乗り越える壁が意外と高かった
開始早々は、結婚相手は目の前のゾーイで良いじゃんと思ったんです。
ただ、映画が進むに連れ、二人が結婚するには壁が有る事、そしてそれがとても高い事が分かるの。
恋愛映画って、二人の間に壁が有ってそれを乗り越えるのが大体の流れですよね。
大抵は二人で壁を乗り越えるのだけど、この映画の場合は、カズの家族が壁のほぼ全てなの。
だから、カズの家族の映画でもあるんですよね。
なんだかんだで一番感動したシーンは、妹と家族の再会シーンでしたし。
もっとも、この再会はゾーイとカズの力とも言えるから、そう言った意味では二人で壁を乗り越えたのかな。
結末は予想通りの結果になるのだけど、ムスリムの結婚観を否定している印象は受けなかったんです。
パンフレットによると、脚本家の人はパキスタンを称える映画を作りたかったみたいなの。
そのおかげで、誰の事も、どの文化も、否定しない温かい感じの映画になっていたと思うんですよね。
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