「子供を持つという幸せの形に囚われて」クロック　とぽとぽさんの映画レビュー（感想・評価）

赤ちゃんがほしい…ほしくなったのが分かる？本人はさして欲しいと思っていないにと関わらず年齢というタイムリミットが刻一刻と迫る中で、友人に先祖について説く父親など周囲によって子供を持つことが正義と言わんばかりの強迫観念的になっていき、薬やプログラム治療によって精神が蝕まれ壊れてはおかしくなっていく主人公エラ役を演じるディアナ・アグロンの熱演が引っ張る心理ホラー。
まるで持たないという選択肢など始めから無いかのように。壁掛け時計の音など雑音が気になる。卵や妊婦の友人、そして幻覚が見える副作用に苦しめられる。出産への執着すら？選択と自由意志という自分らしさを失ってまで、私に赤ちゃんを…他の何よりも欲しい。インプラントという抑圧のメタファー、また祖父母から一族に伝わる時計は墓とメタファーな小物使い。
何をしようと私の自由よ！少子高齢社会にSNSが拍車をかける女性への圧力。最後は『テルマ&ルイーズ』などよろしくある意味では自由への脱走。