映画 窓ぎわのトットちゃんのレビュー・感想・評価
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本当によい子
2024年初泣きでした。信じられないくらい大泣きしました。
メインキャラクターたちを観てるだけでも戦争がいかに当時の家庭に、子供達に影響を与えていたかは分かるのですが、それだけじゃないディテールが本当に丁寧に描かれていました。
物語もとても素晴らしく、そのメインストリームの方でも涙腺決壊させられっぱなしでしたが、確かに「生きていた」ということを総じて刻みつけていました。「生きること」に貪欲でなければいけないのかもしれないと感じました。
長く生きているからこその、伝えなければならないこと、伝えられることがあるという思いが映画という形になったこと。多くの人に伝えられる形として残ったことに感動しました。
学校とは
「火垂るの墓」「この世界の片隅に」と「ガラスのうさぎ」、無論他にもあるが其れ等と並べておきたい一本。はるか昔に原作は読んだ気がするのだがあまり記憶にはなく。人はやはり"出会い"なんだなぁなんて思いつつ、忍び寄る感情なき悪意に恐怖と怒りを禁じ得ない。この世代の方々がご存命のうちに、この様な作品が色々な角度で残されていくと良いなと強く感じました。トットちゃん、最高に愛らしい。
おおらかさで包むための執念
現実はパステルカラー、
空想は原色レインボー等、
切り絵の動き、
衣装飾品などなど、
全アイデア、全技術を、
トットちゃんを見守る、
耳を傾ける、
気持ちを寄せる、
に、
全てを注ぎ込むぞ!
というおとなのこどもに対するおおらかな視点、
世の中に対するスタンス、
泣き虫大石先生、雨に唄う・・・。
大阪地下鉄大国町駅の、
笛吹少年を思い出した。
車掌の代わりに、
出発進行の笛をプロに負けない吹き方で地下鉄構内に響き渡らせる小学生。
周りの大人もおおらかだった。
廃キップを回収箱に入れる音。
あの音、またどこかで聞けないかなー。
おおらかなすばらしい作品であり、
絵、音、技術はおおらかには進行しなかっただろう執念の作品でもあった。
大人だって泣くんだよ
ただし、そっとね笑。
絵コンテを担当した人の力を感じる。切り取り方の上手い作品。言葉というよりは行動の先にある語らない部分の描き方が秀逸。
己がいい学校だと思えたら、それで良い!他人の言葉に騙されてはいけない。
それでも、言葉の持つ力は大きい。だから安易な言葉で傷ついたりもするんです。
優しさの質に時代なんて無い。
人の温かさ、戦争の罪深さを感じられる
トットちゃんの周囲の人間を明るい気持ちにさせる天真爛漫さと、映画全体の鮮やかで美しいアニメーションが、観ていて心が温まる映画。
トットちゃんの級友の泰明が、トットちゃんと出会う前は小児麻痺を理由に塞ぎ込みがちだったのが、彼女との出会いによって苦手なことにも挑戦するようになる様が感動する。苦手なりに一生懸命取り組む姿は見ている人達の心を動かす。そして勇気を出して何事にも挑戦することが、その人の世界を広げることになる。そのようなことをトットちゃんに教えられた。
戦争の罪深さもひしひしと伝わってくる。
空襲によって多くの建物が破壊されたり、疎開を強いられるのは、人々の大切な思い出まで引き裂くことになる。そのような大変な時代を生き抜いた人の映画なので、ストーリー全体に重みが感じられる。当時と比べて、戦争に怯える必要も食べる物の心配もしなくていい現代の豊かさに感謝しなければいけないと感じた。
個性の尊重を戦時中から教えられた
トットちゃんの明るさと戦争のコントラストの差が大きくなれば大きくなるほど、戦争の恐ろしさを感じる見事な作品だと感じた。
トットちゃんの通う学校が、今の時代の変わりゆく価値観にぴったりだと思った。そのような学校が戦時中からあったことに驚きつつ、時代によって価値観は変わっていくものだと思いつつ、いつの時代も変わらない価値観は存在するのだと思った。
この作品を通じて自分の好きを否定しない、周りではなく自分の意志を強く持つことの大切さを感じさせられた。
校庭水捌け悪すぎ。
原作リアタイ時に読んでから随分経つけど結構覚えてるものね。
火垂るの墓、この世界の片隅に、とはまた違う角度でアニメ化された戦時下国民生活の映像資料としても。
原作同様、末長く愛されますように。
いっぱい泣けました
歳をとったせいか、たくさん泣けた。
昭和生まれのポクでも戦争のことは経験もなく、わからないが、小学校の雰囲気、電車の切符とか、お祭りのひよことかわかる気がした。
子供のとき、多摩川園前(多摩川園という遊園地があった、東横線の駅)で母親に駅員さんに切符をもらってもらった懐かしい思い出がよみがえった。
当時はまだ、緑の電車も走っていて、扇風機しかない車両が多かった。
お祭りのひよこもいとこが買って、大きくなってにわとりになったけど、ピンクにぬられたひよこだった。
子供のころはとっとちゃんのような楽しい毎日を過ごしてたことを思い出して、涙が溢れてきた。
ただ、僕は戦争のない、食事に苦しまない、友人の死も経験してない幸せな時代を生きてきたことだったんだとつくづく思った。
となりの小学生が4,5人できていた子供たちはどう感じただろうか?
はだかでプールに入ったところで騒いでたけど、僕らの時代も裸はなかったかな?
経済的豊さの重要性を確認する作品
黒柳徹子ファンとしては必見の作品です。
兵士や工場労働者を生産することが最重要であった昭和初期、戦前の社会。
黒柳徹子の持つ際立つ個性は邪魔者扱いされ、当時としては珍しいダイバーシティ教育の場であるトモエ学園に転校、戦争が激しくなり疎開する前までの学校生活が描かれます。
トモエ学園は、かなり裕福な家に生まれた、当時の社会でのつまはじきの子供たちが通う自由な校風の先進的学校でした。
黒柳徹子の家は演奏家の父、自宅に風呂のある洋館、朝食にパン。定期で電車通学です。
同級生もみな同じ様な生活レベルです。
当時の庶民は風呂は公衆浴場、洋食なんてごちそうです。電車で移動するなんて、お出かけの時ぐらいのものだったでしょう。
そして、社会が戦争に向かう流れの中、最近のコロナ渦と同じ様に非科学的なことも含めて強い同調圧力があったことも分かります(お気持ち最優先)。これじゃあ、個性や才能、ハンデを持つ人たちは存在を殺されてしまいますし、社会経済は壊されてしまいます。
一方、トモエ学園に通った生徒は、個性や才能を評価されて伸ばされ、障害があってもノーマライゼーションの精神で扱われたようです。そして、後々各方面で活躍したようです。
おそらく庶民にも当時の社会ではつまはじきに合う子供たちはたくさんいたでしょうが、彼らにはトモエ学園に通う財力や社会的機会は無く、個性や才能、障害への対応は握りつぶされたのだと思います。
社会が経済的に豊かになることや同調圧力を廃することを目指すべきなのは、まさにこのように個性や才能を発揮できるようにするためであり、仮に障害があってもその中で自ら幸せをつかもうと取り組めるようにすることなのだと改めて認識させられました。また、豊かになったら、その豊かさがそれらの実現の役に立っているかを確認する必要があるんだと思い至らされました。
ベストセラーには理由がある。映像作品としても素晴らしい。
40年前の本のブームの時には、20歳前後たとえ読んだとしてもそこまで響くことはなかったかもしれない。
時が過ぎ親になり、このアニメを観て果たして自分の子育ては間違っていないのか自問したくなる。聞き分けのいい子、みんなと同じことができる子、静かに人の話が聞ける子。。。親や先生に都合がいいだけではよくない。
大切に育てたヒヨコが死んじゃったことも、子供にとっては学びであり、例えば親が先回りして飼わせないことは、学びの機会を摘むことになる。
今の社会では点数がつかない大切なことを教えてくれる作品だと思った。
すごく柔らかいアニメーションがすごくいい。総作画監督の金子志津枝さんはこれからも注目したい。
リアルをアニメーション映画に
100%見て良かったと思える作品でした。
黒柳さんのカラフルな頭の中をスクリーンに映したかのような映画です。
小林先生の子供への愛情の深さにとても考えさせられました。
シンエイさん素敵な作品をありがとうございます。
やはりアニメーションは最強
どれだけ泣いたことか。泣かせる手法と言っては申し訳ないがドラえもんで経験を積んだ八鍬新之介監督は自身で言っている通り「せつなさを大事に」した演出でひよこ・出征兵・友だちの「死」という取り返しのつかない事象を「せつなさ」にそのまま結び付けて泣くしかない状況に追い込む。何といっても主役の大野りりあなが素晴らしい。子どもの声を子どもが演じる良さを最初に実感したのは「海のトリトン」の塩屋翼だが、当時彼は中学2年生であったのに対しりりあなは7歳のリアル小学生で後半は年上を演じていたわけだからそれはもう前代未聞の演技力であろう。動き始める列車の教室、プールの水中ダンス、山本くんとの雨に歌えば・・トットちゃんの妄想がミュージカルになるシーケンスがおそらくは発注したアニメプロダクションごとに画風が変わっておりそれぞれ個性的で楽しく成功している。やはりクライマックスの木登りエピソードが脚立を取りに行ったトットちゃんの脱線を含めて丸ごと丁寧に描写されていて秀逸。服を汚して帰ってきた山本君のお母さんの「困ったわね」という喜びが上手いこと描かれすぎていて憎い。大井町線の横の道を泣きながら走るトットちゃんと山本くんや兵隊とのカットバックも王道にして大胆繊細で見事。最強の映画たるアニメの巨匠がまた一人誕生した。
話しは良いが絵が苦手
大変有名な本のアニメ映画化、内容はもちろん良かったですが、キラキラメイクみたいなキャラクターが気になり集中できず残念でした。
いわさきちひろさんみたいな作風ではダメだったんでしょうか…
子供が飢えに苦しむような国の政治は完全に間違っている。
原作既読。多少の脚色はあれほぼ原作通りで内容も展開も知っているはずなのに、後半で思わず泣いてしまった。
前半はどう見てもADHD多動傾向のあるトットちゃんを温かく見守るトモエ学園の学校生活なんだが、後半一気に戦争ムードになってくる。
昭和って戦争前は豊かだったんだな…トットちゃんは当時でもかなり上流階級のうちの子供というのがわかるし、お父さんはオーケストラのコンマスだしお母さんはモダンガール。自宅も当時にしては珍しい完全洋式で朝はパンとコーヒー。休日にはデパートやパーラーにに家族で行く。それが戦争開始とともにどんどん質素に貧しくなってくる。(ところでお父さんがヴァイオリンを弾くシーンはきちんと監修がついているようで100点満点。ウィッシュは見習って欲しい←)
国の掲げる正義は反転するが、おなかが空いている人に食べ物を与えるのは絶対的な正義だ、そう語ったのはアンパンマンの作者であるやなせたかしだが、逆にいえば、子供が飢えに苦しむような国作りは完全に間違っている。
2023年時点、子ども食堂の数は7000カ所を超えているという。それだけ子供達が満足に食べられていないと言うことだ。子供を飢えさせている国の政治家は恥を知れ。
原作を読んだ方、原作に興味を持った方は「窓ぎわのトットちゃん」に続いて「トットちゃんとトットちゃんたち」という、黒柳徹子がユニセフ親善大使でアフリカ諸国を回ったときのエッセイも是非読んで欲しい。窓ぎわのトットちゃんと同じく非常に読みやすいが、飢えや戦争で苦しむ子供達の厳しい現実が描かれている。
これは名作!!!
黒柳徹子の自伝ね。ふ〜ん…と思っていたが、非常にクオリティが高い良質なアニメーション作品で、自伝というより昭和時代の一少女の成長物語としてみた方がいいと思う。ジブリ作品が好きでこんな映画は他では見れないと思っていたが、負けず劣らず面白かった。
主人公はいわゆる多動症?の女の子で、集団行動に馴染めず、トモエ学園に転校してくるが、ここの校長がまた並外れてぶっ飛んだ人で、こんなの今やったらコンプライアンス的に絶対アウトというようなことでも子供達の成長のために次々やってしまう。先が読めず次どうなるかワクワクするストーリー、素晴らしい音楽、どこを切り取っても素敵なカットと魅力的なキャラクター。主人公が妄想の世界に入る時にパステル調の絵に切り替わるところもとても美しい。話の見せ方もうまく、あれ、何で木に登ってるだけなのに、胸が熱くなって涙が出てくるんだろう、、とか思っていた。暗い戦争の影も色濃く世界に影響を与えており、とても印象的な作品。
いや…いい映画だとは思うんだけど…
SNS見てると大絶賛なのですが、そんなにすごいかな?この映画。
ストーリーはまあ…原作を良い感じにアレンジしたんじゃない?ってくらいの感想。
誇張と説明くどいような気がして私にはあわなかったです。
あ、背景はすごく良かった。
あと、私はどうしてもあの不自然な唇や頬の色が気になってしまってダメだった。
ああいう表現にした意図もインタビューで見たけど、トットちゃんにはそう見えたんだよっていう意見も見たけど、やっぱり違和感がありすぎて気になって仕方なかったです。
40年ぶりの再会
小学生時代に同じような感じな経験あり
その時に先生に渡されたのは
窓際のトットちゃん、岩崎ちひろの絵が子供心にとっても印象に残る話でした。
電車の教室、でんぶんのお弁当と当時印象に残ったエピソードがたくさん散りばめていました。
絵がやさしく、それぞれのキャラのやわらかな動き、
表現力が素晴らしい
後半、ずーっと涙が止まらなく
何かにきっかけで泣いてるのではなく、トットちゃんの目線を通して見る世界に心に刺さる感じで、こーいう感じで泣いた映画は初めてでした。
あいみょんのエンディング中は涙がとまらなかったな。あの本がなぜベストセラーになったのか、40年過ぎてようやくわかった
ありがとう😭
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