劇場公開日 2023年12月8日

「御免なさい、全く舐めていました」映画 窓ぎわのトットちゃん La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

御免なさい、全く舐めていました

2025年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 原作も読んでいないし、予告編を見ていても鑑賞リストには全く入っておらず、「どうせ、奔放なトットちゃんの明るく正しいお話なんでしょ」と期待もしていませんでした。しかし、一足先に観た我が家の妻の評価が高かったので、恐る恐る映画館に向かいました。

 申し訳ありませんでした! 全く舐めていました。本作は、素晴らしい映画です。

 トットちゃんは主役ではあるのでしょうが、作品の視線はその背景となる時代とその時代を生きねばならなかった人々に据えられ、更に現代へそしてその先へとしっかり届いています。戦争は降って来るものではなく自分の足許からジワジワと広がり、それを自ら広げる人さえ居るという認識も際立っていました。原作発刊時の40年前以上に、新たな戦前が足許から広がりつつある今観るべき映画です。

泣かせ映画には極めて強い僕も何度かウルッと来てしまいました。これはお子さんと一緒に観て欲しいなぁ。

 2023/12/21 鑑賞

La Strada