「食べ物よく噛んで何が悪いのか」映画 窓ぎわのトットちゃん jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)
食べ物よく噛んで何が悪いのか
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前評判で聞いてた富裕層の「この世界の片隅に」という側面は確かにあった(かまどの代わりにガスコンロとか)けど、そこは本筋ではなかった。
とにかくよく動く。トットちゃんの動きが驚くほど細やかで見てるだけで天真爛漫さが伝わってくる。駅の改札で雨を気にしながら走って出ていく男とか、エクストラがちゃんと演技している。トットちゃんが初めて電車の教室に登校した時の、クレヨン画のような極彩色のシーンは出色だ。これから素敵なことがたくさん起こるんだろうなというトットちゃんの期待が画面から伝わってきた。
戦時下に質素倹約が銃後の務めとかしょうもないこと言いよるやつ今でもいそうやなー(警吏でもないのに)と嫌な気分になったが、直後に団体さんで出てきたわ、まるでカルトの行列だけど、当時の東京の市民感覚がこんなんだったのだろうか。呉にはおらんかったな。世に連れこれをだんだんと異様だと思わなくなっていくんかな。うんざりやな。
レビュータイトルは、見てて一番腹が立ったシーンから。一番ハラハラしたシーンは、疎開先へ向かうトットちゃんが、赤ん坊を抱えながら列車のドアを開けて、チンドン屋の幻を見るところ。赤ん坊を落っことしやしないかとハラハラした。わたしのハラハラをよそに、何も起こらなかった。トモエ学園で学んでトットちゃんはお姉さんにちゃんと成長したのだった。
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