「戦争文学としても良作」映画 窓ぎわのトットちゃん kinako-catさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争文学としても良作
映画の冒頭と終わりが、黒柳徹子さんご自身のナレーションで、
前半は、
トットちゃんとトモエ学園での生活のはじまり、
落ち着きのない自由な少女トットちゃんが、他者とのつながりを知っていく。
そして終盤は戦争の影。
ずっと子ども目線で描かれているので、社会情勢や背景についての言及は無し。
お弁当が日の丸弁当一択と決められ、児童のお弁当が一斉に変わっていくさまは怖い。
そして、改札の駅員さんがある日、女性に代わっていた…(つまり徴兵された)
画面の変化は、見ている方は理解できてしまう。
トットちゃんのお家は洋風で見るからに裕福そうなお家。
昔のトースターってこんな感じだったのね。という驚きもあって、描写を見るのが楽しい。
最後には住宅疎開云々で、素敵なお家も取り壊されてしまう描写は悲しい。
トモエ学園は空襲で焼け落ちてしまった…
トットちゃん家族は、青森へと疎開。
(のちの黒柳さんのインタビューで、行き先を決めず列車に乗り、仙台、福島は空襲に遭いそうという理由で更に北へ。列車の中で知り合った青森の方の家に転がり込んだという… お母さん凄い!)
黒柳徹子さんの実体験を描いた本作。
戦争を体験した世代の貴重な物語。
…しかし、トットちゃん、
舗装されていない交通量の少ない時代だったからいいものの、現代だったらすぐ交通事故に遭っていそう…
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