「文句なしの5点満点。製作陣に拍手。」はたらく細胞 ヌノノノノさんの映画レビュー(感想・評価)
文句なしの5点満点。製作陣に拍手。
原作未読、話題性だけで観に行きました。すごい映画です。まずキャスト豪華すぎ。深田恭子なんて1分も映ってないのでは?両手の指では収まらないくらいに名優が目白押し、しかも本気の特殊メイク、本気の殺陣、演出。飽きないですね。どこかふざけてる世界観(普通なら泣く場面なのに帽子の「白血球」の主張が強すぎるなど)なので、暗い展開も安心して観てられましたし、展開も予告から全然読めてしまうのにちゃんと面白かったです。
次に説明と描写のバランス。この手の映画は、説明が長くなるとどうしても興醒めするか、飽きてくるのですが、文字での説明を最小限にとどめながらビジュアルや展開で説明ができているので、スッと展開が入ってきました。特にすり傷の場面と抗がん剤の場面はあっぱれですね。とにかく自分の身体のことをもっと労わろうと思えました。くしゃみさえも特別な感情を持ってしまうような感覚になりました。身近な身体の内部が舞台だったのも、最後まで惹きつけられた要因な気がします。
あと、セカオワのFUKASE氏。演技上手いじゃん!闇を抱えた可哀想な悪役が、ぴったりハマっていました。まさしく闇堕ちな展開だったわけですが、がん細胞も、そうなりたくてなったわけではない、元々は身体の一部であり仲間であることを思うと、ちゃんと同情できました。これはFUKASE氏の演技、役作りの賜物と思います。これもあっぱれでした。
永野芽郁と佐藤健を中心に進む体内も良かったですが、現実パートの阿部サダヲと芦田愛菜はやりすぎですね。今作の「泣ける」は完全にこっちです。「なんで俺じゃねぇんだよ」と「ありがとう…」は破壊力ありすぎました。こちらでしっかり泣ける展開だったから、体内パートで頑張れ…!という感情が巻き起こるんですよね。ここのバランスも秀逸でした。
原作もとてもパワーのある作品なのでしょうが、それをここまでの映画にした製作陣には拍手を送りたいです。お疲れ様でした。