劇場公開日 2024年12月13日

「37兆個の細胞の格闘…頑張ってるね!私の細胞」はたらく細胞 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.037兆個の細胞の格闘…頑張ってるね!私の細胞

2024年12月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

興奮

アニメ化もされ、全国どこの小学校でも原作漫画が置いてある、子供たちに大人気の『はたらく細胞』シリーズを武内英樹監督が実写化。人体を構成する37兆個もあると言われる様々な細胞の働きや健康を守る役割について、擬人化して描いていく中で、大人が観ても思った以上に楽しめるエンター・テイメント作品として仕上げている。

人体をモチーフにした映画と言えば、1966年作品の『ミクロの決死圏』を真っ先に思い浮かべる。人体の不思議さや構造に対して、小宇宙を旅するような感覚で、子供心ながら驚異に満ちた内容であったと記憶している。本作は、そうした人体のリアルさには欠けるが、擬人化で、子供にもわかりやすく映像化している。37兆もの細胞を表現する為に、エキストラ7000人を要したというのも頷ける内容だった。

本作を通して、人体の細胞の中の赤血球と白血球を中心に、体を健康に保つための血小板やキラーT細胞、NK細胞、マクロファージ等、自分もあまり知らなかった細胞の役割を、改めて知る機会となった。また、逆にインフルエンザ・ウィルス、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、そして白血病細胞等、悪の巣窟とも言える細胞との激しいバトルが、私達の体内で、日夜、繰り広げられていることも理解した。

物語は、高校生の漆崎日胡と不規則な生活を送る父の茂との日常シーンと、2人の体内で起こる細胞の働きのシーンの両面から描かれていく。前半は、日胡の恋愛事情で細胞が興奮するシーンや、父が大便と格闘する悲壮なシーン等、ユーモアを交えたシーンが印象に残る。しかし後半、大病を患うのは、当然、父親だと思っていたのに、日胡が白血病を患う意外な展開となる辺りから、シリアスな父と娘の親子愛が描かれていく。その中で、白血球と白血病細胞との激しい格闘シーンを並行して描くことで、思った以上に胸を打つ人間ドラマが繰り広げられていく。

赤血球役の永野芽郁は、こうした次第に成長していく役柄はハマリ役。白血球役の佐藤健は、『るろうに剣心』のアクション・スタッフとタッグを組み、相変わらずアクティブなアクションを見せていた。ただ、これだけの2大スターがお互いを「赤血球」「白血球」と呼び合うのは、笑いを誘う。他にも、健康を護る細胞役には仲里依紗、山本耕史、板垣李光人、松本若菜が…。悪玉細胞には、片岡愛之助、小沢真珠、セカオワのFukase等が、羞恥心をかなぐり捨てた迫真の演技をみせていた。そして、何より今回、十何年ぶりに親子役で共演した阿部サダヲと芦田愛菜は、本当の父子のようで、自然体の演技が印象に残った。

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2024年12月24日

パタリロ殿下さん(^^)コメントありがとうございます😊
子供騙しと思っていましたが、なかなか面白く引き込まれましたね。

bunmei21
パタリロ殿下さんのコメント
2024年12月23日

共感ありがとうございます。
ストーリーの展開の良さもさることながら…、各々の豪華な役者さん方の熱演もあって、涙🥹を誘う作品になってるんだと思います。
イイ作品でしたねー♪
またよろしくお願いします。

パタリロ殿下
bunmei21さんのコメント
2024年12月15日

昔懐かしいSFの名作ですよ。ぜひ,機会があればご覧ください。
確か10年以上前だと記憶してますが、リメイク版も製作されましたよ。

bunmei21
餃子さんのコメント
2024年12月15日

分かりやすくて、読みやすいレビューありがとうございます☺️
『ミクロの決死圏』観たくなりました。

餃子