「これが現実だと認識せねば」ソフト/クワイエット redirさんの映画レビュー(感想・評価)
これが現実だと認識せねば
21世紀も20余年過ぎているがいまだにKKKは存在しており、日本では送還すれば殺されるかもしれない難民を送還せよと法案を作り国益は人権より優先と恥ずかしげもなく国会で述べるクソ議員がおり、SDGsはただの金儲けの合言葉。長回しの緊張感は、視覚にも訴えるが聴覚へのインパクトもすごい。ほんとにソフトでクワイエットなつもりなのよ。ヤマトナデシコならぬ白人至上主義者はアーリア人の美しく清いお姫さまであり力強い同種族模範的夫との結婚と家族形成(男女アーリア人の夫婦のもと生まれた子どもがいること)家しなければならず(これもどこかの国と似てますな)、男を立ててナデシコ的フリをしながら、しかし違法行為だからやめろと真っ当なことをいう夫をコテンパンに罵倒チキン呼ばわりで、他人の人権は認めないが自分の権利は声高にハードにラウドに主張、筋肉隆々マッチョな男なんか役立たずのヘナチョコ野郎、自立して戦えるのは私たち女よ、と外国人移民への襲撃に突っ走る。某政権与党が高市とか杉田とかマッチョな差別勢力の威勢の良さも、所詮制度の中で利用されてるということもさもありなんということか。
衝動的であまりにも適当な差別行為、犯罪行為をとにかくノンストップで見せつける。
今、事態はここまで深刻に、ディープにハードに推移しており、ヨーロッパより差別勢力、差別行為、差別者の既得権益にゆるゆるなアメリカだと、こんなふうに鉤十字付きのパイを作ったりヒトラー式敬礼をしてしまったり、でもアメリカでは(日本でも)こんなこと、おふざけで通ってしまう。政権与党が世襲で議員稼業よろしく、KKKも今も家系により継がれ世間体やダイバーシティという風潮のなかより意固地に強固になっているようだ。彼らはプチエリート的な人も混じってる(ので仲間内での差別も)理想的な人生を歩めずそれを移民のせいに移民に富が収奪されていると考え自らを正当化する。そんな彼らはたぶんパスポートなんて持ってない、外国なんて行けない行かないからだ。だから移民女性の家でパスポートを探し出し、ほら移民だからパスポート持ってるんだ!と大はしゃぎする間抜けぶり。間抜けではなくまじで地獄。少しでもおふざけに巻き込まれたら、うっかりハイルしてしまうかもしれないし、いずれは白人アーリア人が数の上でマイノリティとなるかもしれない恐怖、世界の警察でも覇者でもなくな流かもしれないアメリカの焦燥から本作のようなクラブ、サークルが巨大化するかも、いやすでになんとかアノンがアメリカでも日本でも巨大化している。そしてこれらの差別者は仲間内にも外と同じく人の下に人をつくる。ギャーギャーワーワー、ドタンバタン騒音が耳をつんざくなか、ひたひたとソフトにクワイエットに私たちが包囲されていることを思い知る。